オーディオ日記 第15章 耳がよくなけりゃすべては (その8) 2001年 8月 6日


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2402Hのスロープ特性を-18dB/OCTに変更した。2405Jは1dBあげて、-14dBとした。これは2450Jに0.45mHのローパスフィルターを入れたことによる高域のエネルギー成分を多少でも補う意図。また2402Hのレベル設定はアッテネッターで-12dB、F-20で-1.5dBとしている。トータルのレベル設定では決して低い設定ではないが、今までより多少抑えた。高域が浮きすぎることなく、うまく音楽に溶け込んだ設定に出来たようだ。なお、この変更により低域は-12dB/OCTのローパス、中域は下が-24dB/OCT、上が-6dB/OCT、高域のハイパスフィルターが-18dB/OCTと全てのスロープ特性がバラバラになってしまった。 周数特性については聴感上、非常にうまくバランスしているようで各種の音楽をそれぞれの気分を生かしながら気持ちよく再生してくれる。特にトランジェントの良さから来る心地よさは特筆ものである。

心配点はこのスロープ特性の採用による位相管理上の問題。 DG-28では残念ながら位相までは測定できないので、聴感で判断するしかないが、位相については、特にボーカルを含めた音像の定位、左右のエネルギーバランスからは若干の問題があるようにも感じられなくもない。この辺りが次の課題か。今回の設定で聴くボーカルについてはもうシャリつきはほとんど無く、低域の-12dB/OCTのスロープ特性が効果をあげているのか、声に厚みが感じられて、程よい実体感があって申し分ない。今までシャリつきが気になっていたCDについても落ち着いて聴けるようになっている。ひとつは中島みゆき(夢の中へなど)や小椋桂(新アルバムの方)などであるが、これが全くグッドなボーカルで気持ちよく聴けるのである。 その分ジャズ系などでは(エキセントリックに?)ビンビン来るような高域の存在感は無いが、プレゼンスも程よくて聴き疲れがしない。バロックバイオリンもつややかで、伸びやかで、居眠りしながら聴くのには最高とも云える。

う~む、これは現在の我が家の構成ではベストセッティングであろうか? DG-28の測定上では高域はそれ程落ち込んではおらず、レベルは1KHz以下が高いものの、5KHz以上は大体12KHzまではうまくフラットに近づいている。残念ながら現状の補正値では4KH以上も大分いじくってしまっているが、これを1m~1.2mの測定位置でなるべく小さな補正値となるようにすれば、前述の位相の問題も多少は改善されるかもしれない。中、高域のレベル設定についてはそれぞれ-14dB、-13.5dBと昔の設定と比較すれば結構高めであるにもかかわらず、出すぎている気配はあまり無く、ちょっと控えめの感じも受ける位である。

この状態であれば高域をF-20からネットワークに変更する必然性はほとんど無いのではないだろうか。S/Nについてはアッテネッターを使用しているので、気になることはない。こうなると、敢えてコンデンサを間に入れたくはなくなってしまう。次なるチャレンジとしては、こうなるとJBLの新ドライバーユニット 045Beへの期待であろうか。2405Hやリボンツィータを経ることなく、秋まで待って045Beへのチャレンジが一番面白そうである。ただし。このユニットはどうもクロスオーバーが高そうで、2450Jの上とうまく溶け合うかが心配であるが、是非とも使って見たい。少なくとも15KHz~20KHzのレンジは問題なく改善されるであろうと考えている。 問題は「値段」であるが。


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