オーディオ日記 第15章 耳がよくなけりゃすべては (その4) 2001年 6月27日


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音の透明感をより一層求めて、行きつ、戻りつしている。 

BTLの良さは承知しているものの、ヤマハのアンプでは暴れん坊の2402Hをドライブし切れないのは、従前から疑いのない事実。どうしてもユニットの存在が主張されてしまい、高域の素直さ(特にボーカルで)が出ない。全体としては2台のF-20をパラレルに使用することは大成功であることは間違いなく、この延長での改善を試みた。やはり2402Hを使う以上、良いアンプでドライブしてあげたい。そこで泣く泣く(再度?)BTL接続をあきらめ、P-102で2402Hをドライブする構成としてみた。 
低域、中域はP-360 1台で片チャネルを駆動する構成。中域は-16dBの設定で、-24dB/OCTのスロープ。 低域は思うところあり、-12dB/OCTのスロープ特性とした。高域はアッテネッター介在で-14dB、さらにF-20にてほんの一息の-1dB(気持ちだけ)を落とした。この構成ではほんのわずかに残る高域の不満点(ボーカルのシャリッとした感じ)がほとんど出ず、プレゼンスを残したまま、音の大人しさ、自然さが感じられて好ましい。2450Jは先のDG-28の測定でもはっきりしているように7KHz辺りから落ち込んでいるため、2402Hをスーパーツィータ的に7KHzクロスで使用することも問題ないようであるが、これを8~10KHz位でクロスすれば尚良いかもしれない。P-360での2450Jのドライブも違和感がなく、寧ろ低域とのつながり(-12dB/OCTにした影響もあるか?)が何となく好ましく感じられる。BTLから戻した後の低域のマッシブさもそれ程損なわれた感じがしない。(むしろ、多少引き締まった感じがするか?これはあまり自信がないが)この構成で聴くマドンナFrozenの10曲目は見事である。女性ボーカルの凛とした声とエッジが立ちすぎず、隈取が明確な感じでプレゼンスやエコー感も問題ない。何より、最低域の迫力が非常に良い。マッシブにもりもりと来る感じで。ダンピングファクターの関係からはBTLよりは明晰になって良いのかもしれない。また、低域をステレオで使用している訳ではないので、電源の余裕も問題ないのかも。従い、今後はこの構成にて微妙なバランス調整等はあるかと思うが、これで追い込んでみたい。DG-28の使い方もあるが、あまり高域優先の周波数バランスにしない方が音の安定感、落ち着きがあって好ましいかもしれない。何より現状は高域のすんなり伸びた感じがレベルを下げずに実現できるのがベター。やはり、ヤマハでは2402Hを駆動しきれない。全般のチエックはこれからであるが、現時点では女性ボーカル系での問題は一番少ないと言える。 弦楽器、ピアノについても本格的にはこれからであるが、荒々の確認では問題なさそうである。

面白いのはStereo Soundに掲載されていたJBLの新システムの件。このシステムは15インチウファーの3WAY構成であるが、何と中域ユニットの高域側はスルーという2WAY+スーパーツィータという構成である。ちなみに中域のユニットは3インチのベリリウムダイヤフラム、ネオジウム磁気回路だそうだ。低域はアルニコに戻り、クロスオーバーは15インチであるにも関わらず、800Hzの設定。高域ユニットは中域と同様でベリリウムとネオジウム。50KHzまで周波数レンジを拡大しているらしい。ハイパスフィルターは10KHzとのこと。何とも奇妙は一致ではあるが、本家JBLが15インチとドライバー、ホーンシステムで、図らずも当方と同じような構成をとることに感慨を感じる。

また、当方のアプローチについてもあながち見当違いとは云えないとの自信が持てる。このシステムは秋には発売となるようであるが、いずれにせよ当方が完成品を買える価格設定にはならないと想定している。うれしいのは各ユニットが単品で発売される予定であること。ということはまず2402Hの後継として新ユニット(045Beというらしいが)を候補にしたい。当然のことながら、アルニコのウーファーにも興味津々。そういう意味では我が家のシステムも迷い、迷いながら来たが、全く方向を変える(ATCのユニットの導入など)のではなく、今の構成と音を練り上げながら、発展していける可能性が見えてきた。これはグッドニュースである。


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