オーディオ日記 第13章 感涙のオーディオ、その先は(その7)2000年 9月 4日


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土曜日の深夜にクーラーも止めて、ボイシングを実施した。

この状態では、当初気にしていた左右の音圧の差がそれほどでない。むしろ結果として左チャネルが少し下がり気味となった。やはり暗騒音やファンノイズの影響を受けていた訳である。さて、今回はリファレンスカーブを低域重視の方向で設定した。主として1KHz以下を+1dBとし、さらに315Hz以下は+2dB、100Hz付近は一度フラットとし、続いて80Hzから40Hzにかけて+2dB程度とした。高域については、10KHz以上について-1dBから徐々に2-dBへと下げる。自動補正後、補正量は+/-8dB以内に抑え、18KHz以上は全く補正をしない。この設定では先に述べたようにほんのわずか左チャネルのレベルが低く、聴感上でもわずかに右へ引っ張られたような感じが残る。従い、今後相当厳密に左右のレベル差調整を行えば、従来気になっていた左右レベルのアンバランスの問題は解決できそうなことが判った。いずれこの部分もじっくりと調整したい。 さて、今回のリファレンスカーブ設定による音であるが、一聴して音の厚みが出てきている。その割りは高域のプレゼンスが失われてはいない。ボーカルやピアノも安定して感じが出る。 特にボーカルにおいては(クラシック系の合唱、ソプラノでも、エンヤでもポップス系でもOK)シャリ付きが相当影を潜めてきた。もちろん全く皆無という訳ではないが。これは声が非常に気持ち良い、心地よい。定位についてはかなり改善されているので、もう一息。この高域については18KHz以上の補正無しとした設定と1KHz以下の設定カーブが非常に効いている感じがする。特にクラシックのオケ系では申し分ない安定感であり、ヒステリックな感じも少なくなる。そういう意味では落ち着いて音楽が楽しめる状態となってきたと云えるであろう。現状ではファイナルな設定に達したとは云えないが、他のチューニングや機器の充実と絡んで、いよいよ頂点?に近づいたのではないかと感じさせる音である。音量もあまり上げなくても低域の量感が確保されているのか楽しめるように感じられた。いよいよ暑かった夏が去り始め、秋の夜長が始まる楽しみな季節となってきた。いずれは高域ドライバーの変更も視野にいれながら、音楽を楽しみつつ、DG-28のセッティングを追い込むこととしよう。

さて、ここで問題となるのは、オーバーオールの設定一発ですべてのジャンルをカバーするつもりなのか、どうかということ。今回のようなどちらかといえば、クラシック向きの編成のばあい、ジャズその他で音のリアルさやプレゼンスが物足りなくなるケースも考えられるので二つのタイプの設定をジャンルによって使い分けできれば、ベストと考えられるからである。こちらの設定ではもう少し、低域を抑えた方が、ハイファイ感やリアリティが出て来るのではと期待される。まあ、本来は一発の設定ですべてをカバーできればそれに越したことはないのだが。この辺りはまず、究極の設定にチャレンジしながら、模索して行くこととしたい。また、今回はアナログディスクを試していないので、それも要チエックである。さらに、全体としての部屋の傾向を把握、分析するために補正状況の記録用紙がやはり欲しくなる。EXCELで作成しておけば、グラフ表示もできてしまうし、何回か測った記録を取っておけば、それぞれのチャネルの周波数における部屋の特性がおのずと見えてくる。 これにより自動補正にとらわれない左右バランスと低域への重心をどの程度かければ良いのか、というような究極のセッティングが可能となるのではないだろうか。


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