オーディオ日記 第13章 感涙のオーディオ、その先は(その6)2000年 8月28日


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DG-28は諸刃の剣とも云えるかもしれない。補正した音楽は従来の響きとは多少違って聴こえるような気がする。 あるいはある程度周波数レンジの癖に慣れてしまっていたからであろうか。良いと感じられる音楽と必ずしもそうでないものがある。音楽自体のプレゼンスはかなり上がるし、弦の漂いや膨らむことなく実在感を表現してくれる低域。このあたりは従来からのバランスがかなり変わることによって受ける影響かもしれない。特にボーカルの帯域において以前感じていた左チャネルの微妙なシャリ付きが再現されているような気がしてしまいこのところ、これが気になって仕方ない。高域にかけて随分と補正しているのが問題なのかもしれないが、右チャネルではあまり気にはならない。と云って左右別別に再生してチエックしていないので、これが部屋の問題なのか、スピーカーを含む再生系の問題なのかまだ判断できていない。この辺りはユニット及び部屋の影響を含めた徹底的なチエックと好みを加えた(もう少し低域を厚く?)補正をしないと判断できないであろう。従来から懸案であった定在波対策等を一層進めることと、高域ドライバーの2405Hへの交換はやはり実施したい。 特に定在波対策については左側はどうしても反射が多い状況なので、ジョイフルで波型の屋根材?を仕入れて天上から吊るすなり、壁に立て掛けるなりのトライをしてみたいと思う。2405HについてはなかなかYahooのオークションで落とせない。たまたま出ていても土日に自宅からアクセスできないため、もう少し出しても良いかなと思いながらも高値更新が把握できなくて、落札できないでいる。やはりサウンドハウスで新品購入の方が早いか?

さて、DG-28の件を続けたいが。しかし、音楽がリアリティをもって迫ってくるようになったことは特筆に価する。エンヤの音楽のようなカテゴリー、録音は本当に素晴らしいと感じられるし、ピアノも音色がくすむことなく楽しめる。弦も録音が良ければほとんどヒステリックにはならない。(ただ録音が悪ければ、それなり、にはどうもならないようであるが)ボーカルについても鮮度が上がった分、リアリティーが高くなり、納得できる再生となる。 ただし、本当に微妙なシャリ付き感が残っており、これが妙に強調されるようでイヤな感じがある。楽器だとあまり感じないが、特に女性ボーカルで耳に残る感じ。どうもこれが今一つ原因不明で気になって仕方がない。リスニングポイントにて高域を上げすぎているという理由もあろうし、システム側の何らかの問題かもしれない。しかし、前にテレオンでノーチラス801を聴いた時にはこのボーカルのシャリ付きを非常に大きく感じた記憶がある。やはり高域の再生レベルを上げる(あるいはフラットに近づける)とこのような傾向が出てくるのであろうか。記憶としては結構曖昧であるので、原因追求に行き詰まった場合は再度801を聴いてみるという手もあると思われる。ところで、DG-28を通した我システムの低音であるが、先のエンヤを聴く限り、ほとんど文句がない状態に近づいている。量感はあり、音像は肥大せず、確かな存在感があり、、、これであれば15インチ一発でも良いのではないかという気になってくる。

一方中域から高域にかけてであるが、テレビにてスタジオアナウンスを聴く限りは、そのスタジオの音響特性と云うか何らかの癖というか、そのようなものがズバリと出てくるようである。これは往々にして実際にあるとおもわれるのだが、これほど顕著だとかえって少し心配になってくる。やはりこれも高域を敢えてフラットに近づけているからであろうか。 そう云えば先にDG-28のメールリストで知り合った横浜の同好の士のお宅にて聴かせていただいた時にソースによっては(モーツアルトの初期バイオリンソナタ)このようなスタジオの「癖」を感じた記憶がある。 これが、本当にスタジオの癖なのか、我が家のシステムの癖なのか、現時点では明確ではない。上記のソースやスタジオのアナウンスの聴き比べなどで、今後補正量の参考にして行きたい。

そういう意味では使いこなしの本当に難しい機器なのかもしれない。楽器や声の音色を損なわずに、よりフラットに、しかし音楽として気持ち良く聴くためのバランスを失わずに、ということが実現できれば、その測定機能と相俟って我が家でも非常に重要度の高い機器となるであろう。なお、現時点ではアナログ系はテープモニター接続で使用しており(今後もこれで行く積もり)、S/N、ノイズの問題は感じていない。あまり聴き込んでいないので、アナログソースにてDG-28を通さない方が良いのかどうか判断できていない。 ただし、傷の多い古いレコード(八城一夫のピアノトリオ)ではレコード溝のノイズ、及びスクラッチノイズが大きく(これも左チャネル!?)聞えてしまい、あまり楽しめなかった。この辺りも調整が必要(おそらくCDと同じバランスではいけないのかもしれないが)となろう。楽しみもあるが、厄介な機械でもある


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