オーディオ日記 第11章 挑戦はつづく(その1)2000年 3月29日


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3WAYマルチがやっと完成した状態で、蜜月が続くと思いきや、いろいろな挑戦、浮気?が続いている。趣味の世界には終わりや果てがない。ベスト思える日もあれば、そうでない日もある。ベストな状態を維持させるのは(何もいじらないのは?)結構難しいものがある。このところ行ったのは以下の4項目である。
(1)2402Hの前後位置調整
(2)DF-35の試聴
(3)ブリッジ接続のトライ
(4)トランスアッテネッターのトライ
また、新たにCDトランスポートの模索を始めている。 ESOTERICのP-30あるいはAccuphaseのDP-90のいずれかを購入しようというもの。それぞれについて記す。

2402Hの前後位置の調整についてはタイムアライメントの観点から従来より実施したかったもの。多少便宜的ではあるが、現在の2380Aホーンに立て掛けられるような台を作成し、下向きの角度を付けられるようにした。 まずはかなり引っ込めた状態からスタート。この場合は高域がかなり減少したような印象を受けてしまう。徐々に前に出してくるという結果になったが、ホーンの位置より9~10cm引っ込めた辺りでかなり良い状態になった。従来は(高域が先に耳に届くから?)ソースによっては多少高域が耳につく点があったがそれは幾分解消されたように感じられる。ただし、定位感その他それほど大きく変化した(改善された)印象は受けない。当面はこの位置で聴いてみようと思う。元々中域にホーンを使用しているので、厳密なアライメントは困難であろうし、高域のアライメントがどの程度聴感上影響があるのか判然とはしないが、気になる点が少しでも解消された気分になればそれで良し、としよう。

さて、DF-35の試聴であるが秋葉原テレオン経由申し込み、今回は3月3日頃から20日位までの長期間借りることができた。 構成は3WAYでアナログバランス入力付きである。まず、チャネルデバイダーとしての使い勝手、ポテンシャルは非常に高いものがあり、設定に関する自由度が大きいのも特筆に価する。この自由度はマルチアンプを始める初期には非常に強力ではないだろうか。分割周波数、スロープ等の設定がコストを余分にかけずに自由自在にできる点が大きい。その分使いこなし、追い込みは難しいと思わせるが。試聴は500Hz、7KHzの-96dB/Octから行った。まずは、タイムディレイの設定はなし。出てきた音は意外と違和感がない。結構すっきりした音の印象を受ける。S/Nは期待していたほど高くはない。いや、むしろA/D変換している分高域のノイズ成分は増えたのではないかと思わせる。クラシックの弦などは聴き易く、納得させられるものがある。 ボーカルは? うん?何かおかしい。 音に実在感、リアリティがない。良い表現ではないが、声が立体的ではなく、平面的である。 綺麗ではあるが、インパクトがない。そこでF-20に戻して聴く。 う~ん、こちらの方が良い。 DC-91とC-290Vの音の良さがDF-35ではスポイルされているような気がしてしまう。 何回も繋ぎ替えた。設定も変更してみた。しかしながら、印象は同じ。 これは何だ? DC-91とC-290Vが良すぎるとも云えるのかもしれないが、これではだめ。 問題ははっきりしてはいないが、一つはアナログ入力のためのA/D変換ボードの質が追いついていないのではないか。 これはDC-330と同時使用でデジタル接続する構成としなければ、残念ながら確認できない。もうひとつの可能性はデジタルチャネルデバイダーの音に慣れていないこと。 一聴しての違和感は少ないが、聴きなれたボーカルを聞き込むとどうしても微妙な差の部分が気になってしまうのではないだろうか。 この辺りは結局結論を出しきれなかった。

また、タイムディレイであるが、既に高域については試行錯誤にて前後位置調整をしてあるためか、ディレイをかけると高域が落ちたように感じてしまう。 これは現在の位置を決めるために試行錯誤でかなり奥に引っ込めて設置した時の印象に似ている。中域についてはホーンのためかあまり良く分からない。結果的にはこのディレイはどうしても不可欠な機能とは思えないという印象が残った。(フルデジタルで聴けば印象は変わっていたかもしれないが)従って現時点ではDF-35はどうしても欲しいという状況にはならなかった。機会があればDC-330の組み合わせでフルデジタルで聴いてみたいと考える。

また、スロープ特性を高次(-96dB/Oct)にした設定での効果を期待していたが、これも「おおっと」という状況にはならない。この辺り、既に現行のシステムの音を大分追い込めているからかもしれないが。厳密に言えば、-96dBの場合と-18dBの場合では-96dBのスロープ特性を使用した方が素直な感じになる。その分音力強さ、立体感は薄れるという表現になろうか。全体として先に延べたようにすっきりした感じは受けるので、これがスロープ特性に起因しているのか、デジタルデバイダーの本来の特質なのか、今一つ判然としないところがある。いずれにしても全体的に線が細い印象はぬぐえず、これがA/Dコンバータの問題なのか改めて確認しないと(高価であるが故に)導入には踏み切れない。

次にP-360のブリッジ接続である。これは特に前々から計画していたことではなく、ふと 思いついてトライしてみた。P-360を単独で低域用に使用していた状況から一台増設し、左右振り分けのパラレル接続での結果が良く、現状このパラレル接続をつづけているため、ブリッジ接続ではさらに低域の充実感、力感が増すのではないかという期待になった。ブリッジ接続では特にレベル設定は変えなくても大丈夫のようであった。これはアンプがブリッジ接続に切替えた時も通常の使用と同様の入力感度となるような調整機能が入っているため(と取説に書いてあった)さて、音であるが、無理なく低域がでている自然な感じがあって、これは非常に好ましい。ボーカルや低弦などははっきりと良くなる感じがする。また、電源を入れた直後から低域がストレスなく鳴るような感じを受ける。一般的にはしばらく暖めないと良くならない印象があるのだが。また、ここぞという時の音圧の上がり方にも納得できる。EVX-150A自体が元々相当のパワーが入るユニットであるため、やはりハイパワーでのオペレーションが望ましいのであろうか。

分割周波数は650Hzと500Hzを比べてみたが、何とも云えないレベルの差である。650 Hz辺りの方がボーカルなどはよくなる印象がある。また500 Hzでは低域が多少すっきりした感じが出て、これも悪くない。結局は元どおり500 Hzで使用している。なお、この構成の欠点はややダンピングが甘くなること。ダンピングファクターが落ちるという事前の認識(取説上の説明)はあったが、パルシブな低音はどうもこの辺りの影響が出ているような気がする。ただし、全く駄目というレベルではない。できればこの接続で使い続けたいのだが、この構成にする場合はアンプが一台不足してしまうので3WAYの場合はヤマハのアンプを使用しなければならなくなる。これが決して悪い訳ではないのであるが、精神衛生上及び接続、設置上からもうまくないため、現在は一度元に戻してある。再度ゆっくり時間を取っての聴き込みとこれがOKであれば、ヤマハアンプの設置位置を決めるなどしようと思う。印象としては2450Jとの音圧?のバランスがブリッジ接続にするとうまくとれて、音がスムーズになるよう気がするが、買い被りだろうか。特にボーカルの印象が良いのが何とも云えず良い

。 具体的に恒久的な設定とするためにはヤマハアンプの設置場所が大きな問題となる。現在考えられるのは前と同じようにラック左後部に立てて設置し、C-290Vから電源をとる方法。この時問題となるのはチャネルデバイダーからの接続。1mの接続ケーブルなので、結構苦しく、チャネルデバイダーをラックから引き出しての調整が実質困難になる。ただ、この引き出して調整する癖がついてしまったためにラックに大分傷かついてしまった。
結局上記のような構成しかないので、、、、やはりこの方法になるだろうか。もう一つの問題はヤマハアンプの入力感度がAccuphaseとどの程度違うのか良く分からないこと。実際-10dBから-14dB位のレベル設定でも高域であるが故に聴感上ではどれが最適なのかあまりはっきりとはわからない。(自分の耳の悪さか?)このあたりは測定機(SH-1000はあまり信頼性がない。DG-28があればベストなのだが)できちんと把握しておかないとやや泥沼状態になると云える。

次にトランスアッテネッターのトライ。今までの経験上、アンプ、スピーカーの間に余分なものをいれると、音に害があるのはわかっているが上記のブリッジ接続の時にF-20を一台にして高域にネットワークを挿入した構成で透明感を上げられるかトライをしてみた。そのトライの延長で、中域、高域ともチャネルデバイダー、アンプとも音量全開とし、レベル設定はアッテネッターを使用する構成をトライしている。現在のところ明確な結論は出し切れていないが、音のリアリティの面から多少効果があるかな?と考えている。S/Nについては明らかに効果が出ている。 音についてはもう少し聴き込んで比較したい。多少レベル設定がチャンデバ側とは異なるかもしれないので、この辺り試行錯誤している状態である。
アンプにある程度の入力信号を送り込むということや、チャネルデバイダーのボリュームを使用しないという点でのメリットが考えられるが、トランスを挿入するというデメリットもある訳でこの辺りのどちらを選択するか、ということになろう。音の艶や芯という観点では多少トランスに軍配があがるか? S/Nについては、これは文句なくトランスである。心配点の一つはトランスアッテネッター自体が8オーム対応なので、16オームの2450Jのレベル設定が表示通りかどうかということ。 現在は中域-15dB、高域を-13dBとして聴き込みを行っている。 アンプ等が充分暖まった状態ではかなりいける気がするが、立ちあがりは?若干時間がかかるような気がする。また、やや中低域が厚くなるような印象を受けるが? ポイントはこれもボーカルのリアリティである。 この点では結構良い印象がある。 この辺り、またいろいろ組替えで練り上げていくことになろう。

究極的に目指したい高域の透明感、浸透するような、あるいは染み渡るような澄んだ高域は残念ながらまだまだ納得できるものとは云えない現状である。現行のドライバとホーン(2450Jと2380A)では2.5KHzを中心としたピーク、4~5KHz辺りのディップが発生し本来はイコライズしなければいけないものであるが、対応できていない。高域の透明感が今一歩ということは、この悪影響があるのではないかとも推測できる。かなり音が練りあがった状態となってきたのでこの構成でDG-28を試してみたい気持ちが強くなってきた。また、この高域の透明感という観点からはケーブルの質の影響があるはずで、ある程度のケーブルに順次変更していきたい。ただし、使用しているケーブル本数が多いため、コストから考えるとなかなか実行できないが、なるべく上流から対応したいと考えている。 特にDC-91とC-290V間)

さて、問題のCDトランスポートであるが、Accuphase DP-90と Esoteric P-30のいずれかを導入したいということで悩みが尽きない状態になっている。 DC-91とのぺアーという意味ではDP-90であるが、メカがSONY製である点引っ掛かりがある。P-30はVRDSであり、メカについては問題がないが、デザインその他今一歩であるため、決心がつきにくい。 価格はDP-90の方が若干高く、出物も少ない。現行のCDP-R3が大分使い込んだため、うまくかからないCDが増えてきたので、そろそろ更新しておかないと売るタイミングを逃すことになってしまう。 今年の夏のボーナスまでには結論を出すこととしたい。
ポイントはDC-91と48KHzサンプリング周波数のST Linkケーブル(光ファイバーケーブル)による接続である。 この出力端子を持っているCD-Transportは日本製の機器ではあまり多くなく、リーズナブルな価格の範囲では上記のような選択肢となる。この導入により安定したCD再生のみならず、高域(特にホール感、エコー間など)の雰囲気の改善ができればベストだと思う。 しかしながら、経験上CDトランスポートの影響は比較的小さく、お金の掛け具合と音が一致しない(極端に云えばCDP-R3と全く何もかわらない)というリスクがある。

またDC-91単体ではリモコンがなく、また接続表示のためのインディケータもオフにされているので、DP-90により共通のリモコンを入手すること、インディケータをオンで使用できるメリットが考えられ。単体の物としてみた場合はDP-90の方が圧倒的に良い。しかしながら、DP-90は92~3年頃の販売開始のためある程度以上の使用年数があることを覚悟しなければならない。DP-90については新宿のオーディオユニオンに185,000円で出物があり、CDP-R3は30,000円の下取りとなる。(差引き162,750円、消費税込)現在この機械はお得意に貸し出されているとのことで約一ヶ月位の待ちになるため、その間に決心を固めなければならない。ただし、タイミング的に云えば近々DP-100がリリースされる予定であり、この場合かなりのDP-90が出回るのではないかと予想でき、価格も結構下落するのではないだろうか。 現状教育費等が非常にかかっており、なかなかオーディオに資金を回す余裕がないのが残念な点であるが、地道に安い物を探していくしかない。

次のトライの構成は以下を想定している。スロープ特性は-18dB/OcTで500Hz。
(1)P-360のブリッジ接続による低域
(2)2450JはP-102でダイレクト駆動、アッテネッター挿入無し。
(3)高域はヤマハにてアッテネッター挿入で駆動。 レベルは-10~-12dB程度の設定。
さてさて、遊びの種はつきないな。


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