オーディオ日記 第8章 混沌(その2)1999年 4月日付不詳


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前述のいくつかの作業の結果は残念ながら満足できるものではなく、ほとんど元に戻してしまうこととなった。

(1)グラフィックイコライザーは低域にのみ入れるように戻す。
(2)高域のアッテネッターははずす。
(3)中域のみ逆相としたものを中域、高域両方とも を逆相に再変更した。
(4)アンプでのGAINはすべて-20dBとした。

主としてボーカル系を聴きながらの再設定になったが、現状ではどうしても不満が残るようである。 上述の(1)、(2)については透明感、繊細さの観点から元に戻さざるを得なかった。 (3)についてはあまり自信がないが、とりあえず雰囲気で決めている。(4)については(1)、(2)と同様の理由であるが、プリアンプの出力が低い場合(ボリュームを絞り込んだ場合)、やはり鮮度が落ちるような気がしてしょうがない。パワーアンプ側のGAINを落すことによって必然的にプリアンプ出力が大きなるので、このあたり、音量調節におけるプリアンプ再度の問題点(あるいは限界?)があるのかもしれない。 低域、中高域のパワーアンプの役割分担変更については元に戻していない。これらの戻し等の作業により、一応そこそこの音に戻ったような気がするが、クオリティとしては特に上がったようには感じられない。このように考えると、この音は現状構成における限界なのであろうか? 問題があるとしたら、どこを変更すれば改善されるのか? これが大きな疑問点である。 何らかのブレークスルーが行われないと、現状の多少不満のある音をベースに行きつ、戻りつの試行錯誤が続くような気がしてならない。 トランスポートなのか、DACなのか、プリなのか、スピーカユニット自身なのか。 すべてなのか。どれを変更すればブレークスルーが可能となるのであろうか。 今や、ある程度までは来たが、後一歩、もう一息の混沌が続いている状態である。そもそも、部屋の大きさ、距離から考えてニアフィールドの場合と同様の感覚が得られるのであろうか。 圧倒的透明感と伸びやかさ、特に自然さ、などが欲しいものである。

さて、試行錯誤の結果から「だめだ」とわかったもの、以下。結構しばらく経つと期待から同じようなことを繰り返してしまうことが多いので、以後胆に命じる。
・グラフィックイコライザーの中高域への使用(補正効果より透明度落ちる)
・高域のアッテネッターの使用(鮮度、高域の浸透力?の後退)
・中域のみの逆相接続(決定的な問題点はないが?)
・MDのDACとデジタルボリュームの使用(線が細くなり、ゆったり感が失われるでは、当面出来ることは何か? 可能性は?
・DC-300の自宅試聴
これがブレークスルーに繋がるのか、繋がらないのか是非検証してみたいし、将来のアップグレード計画を左右するので必須事項である。
・中高域のクロスーオーバー周波数とクロスオーバーポイントの見直し。
現行-6dB落ちのクロスオーバーポイントであるが、中低域は-3dBである。 これを周波数若干高域(8,000~9,000辺り?)の変更とあわせ、-3dB落ちとする。同時に使用コンデンサをQSタイプからSNタイプへ変更する。ただし、2402Hの使用を辞め、2450Jのみ直結した接続でも期待したほどの変化が無いので、あまりクロスオーバーネットワークの影響はないのかもしれない。しかしながら、-6dBのクロスオーバーポイントでは中域の落ち始めが、相当低い周波数から始まり、4~5KHzの辺りのエネルギーが足りなくなっているのではないかという気がしてならない。リスニングポイントでの測定上は同周波数付近のレスポンスが確かに落ちている。 従って、-3dB落ちのクロスオーバーポイントで、再設計した上で作り直してみたいと考えている。特にコイルのインダクタンスが現状の0.81mHではいずれにしても大きすぎる気がしている。 これはクロスオーバー周波数6,000よりも低い時の値である。まずは算出式を確認し、コイル、コンデンサの値を確認せねば。

それににしても音作りは難しいと実感している次第。


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