オーディオ日記 第8章 混沌(その1)1999年 4月日付不詳


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アナログプリアンプのC-260をバイパスする構成における試行錯誤の中で、過去の重大なエラーを発見した。 従来から気になっていたネットワークの問題である。 スロープを-18/dBより-12dBに変更しようとしている時に、片方のネットワークに接続上の問題があることを発見した。何とコイルとコンデンサが接触していなかったのである。 コイルの被覆をきちんとはがさずにコンデンサをつけてしまったため、導通がない状態となってしまっていた。結局コンデンサを2個繋いだ状態のネットワークとなってしまっており、レベルの低下とクロスオーバー周波数の左右不一致を招いていたようである。これを訂正し、-12db/Octのネットワークとし、さらにパワーアンプの低域、中高域の受け持ちを入れ替えて試聴したところ、今までより低域の締まりと高域の伸びが感じられた。

一方、この構成では不思議なことにC-260を通さない構成では高域寄りのバランスとなり、透明感は良くても、音楽を楽しめない状況となってしまったため、結局元に戻した。音質的にはDACの性能上の問題もあるかもしれない。またF20のバランス、アンバランス両方のケーブルを接続し、切替えるというのは説明書上に明確にできない、と記述されていた。 いわゆる入力切替スイッチにはなっていないようである。残念!

これとは別にDC-300の自宅試聴をオーディオユニオンに申し込んだので、アナログプリを通さない構成は今後これで確認した上で、じっくりと検討してみたい。なお、いくつかの作業をまとめて実行したので、すべての因果関係が充分把握できない状況となってしまったことが悔やまれるが、一応ボーカルを聴く分には程よい状態まで戻ったものと思われる。

(1) ネットワークの接続の問題を直した。
左右に定位の不安定感なくなり、内振りにしなくても定位は安定する効果が。これにより高域ユニットの軸上の位置が使えるようになった。

(2) アナログイコライザーを全帯域に挿入した。
再測定の結果、4~5KHzの落ち込みと6.3KHzの盛り上りが把握できたので、この補正のため、低域のみから全帯域への使用に変更した。ただし補正幅は小さ目にしてある。

(3)パワーアンプの受け持ちを変更した。
P-102が古いアンプのせいか、高域が弱いような気がしたため、入替えを行ってみた。結果は正解? 高域の伸びが感じられるとともに低域の締まり、軽さが感じられるようになった。 これは前述のネットワークの問題が影響していたかもしれないので、他を変更せず、再度構成を戻してみた上での確認が必要であろう。意外と低域の感触が良いのが拾い物? パワーを入れる時はどうかな?

(4)中域のみ接続を逆相とした。
パワーアンプの分担変更、イコライザーの高域側への挿入により、声の帯域に不満が出るようになり、スロープ特性をいろいろ変更したが、良い結果が得られなかった。 そこで2450Jのみ逆相としてみたが、これが良いと感じられた。この場合、スロープ特性は-18dB/Octで落ち着いて聴けるようである。

(5)スピーカーの角度をリスニングポジション正面へ。
上述(1)の定位の問題解消と(2)のイコライズからリスニングポジションに向けたセッティングとしてみた。 これでも定位は問題ないと思われる。また、高域については2402Hドライバーが直接リスニングポジションを向いているので、その他の変更、改善と合わせた効果か、このままでは高域のレベルがオーバーになってしまうため、あまり使いたくないが、アッテネッターを挿入し、3dB絞った。 なお、高域イコライズは(2)と特に変更せず。 また、中高域のレベル設定はF20上にて-14dBとした。これで、声の質感が大分良くなり、高域の透明感も保たれるようである。 本当は高域を-13dB位にしたい誘惑があるが、声の感じではこのポイントである。なお、時間不足もあり、これらの一連の作業の結果はボーカルでしか確認していないため例によって、弦楽器、ピアノも含めたオールラウンドの調整がさらに必要である。なかなか、ちょちょっとした変更では効果が得られず四苦八苦してしまう。 まあ、今回の件では、ネットワークの問題の発見、DC-300の試聴に踏み切ったことで善しとしよう。それにしても音作りは難しいと実感している次第


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