オーディオ日記 第5章 泥沼から  1998年11月日付不詳


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P102が修理完了し、ラインアップに復帰した。 現状チャネルデバイダーを使用しないバイアンプ構成であるが、どういう構成であれマルチアンプ構成にするメリットは大きいように思われる。 なお、P102にはついでにオーバーホールも行われたためか、安定感が出てきて、高域用に使用するにはやはり持ってこいのアンプであることが確認された。さて、シングルアンプとマルチアンプの違いは一言で表現すれば、高域の透明感が出て来ることである。今後はこの構成をブラッシュアップしていくことになる。

実施した内容以下の通り。
(1)アッテネッターは接続からはずす。
P-360 -0dB
P-102 -13dB

アンプの側のアッテネッターによる減衰はなるべく行わない方針にした。この構成で、全体バランスは整っているように思われるが、高域?の左右バランスに違和感を感じる。 (この左右定位の違和感については従来よりずっとあった)

(2)左チャネルのみ、高域(2402H)を外し、中域(2450J)のハイカットフィルターを外してみた。右側は従来と同じ3WAY構成。この状態で充分な聴き込み、チエックはまだ出来ていないが、高域の定位違和感がかなり解消された。 この状態では、高域方向のレベル補正をGEQにて行う必要性があまりない。また、左チャネルの耳につく高域の強調感、シャリつきがない。この状態では、ボーカルの定位、弦の質感ともかなり良くなったように感じられる。非常に不思議である。 左チャネルのみ、高域ドライバーが悪さをしていたのであろうか?

今後の作業としては、従来よりずっと感じていたこの左右定位の違和感の原因を追求し、取り除くことである。左チャネルのみ高域(2402H)を外した状態で、改善されるのは下記のようないろいろな原因が考えれるので、まず、原因を明確にする必要がある。

・左チャネルの高域用クロスオーバーネットワークが正しく機能していない。
原因 : ローカットが機能していない? (コンデンサ不調、結線間違いなど)
順番としてはこれから確認となろう。ローカット周波数が設定より低くなってしまっている可能性もある。
確認策 : 左右のネットワークを入れ替えてみる。
現状で、左右音量を確認する。
コンデンサの不調の場合は、10KHz/-6dBとなるコンデンサを一発だけ入れてみるのも良い方法かもしれない。また、-18dB/Octのネットワークを新規設計し、置き換えるなどの方法も。なお、コンデンサ入れ替え時にはQSタイプではなく、SNタイプのコンデンサを使用してみる方法も良いのではないだろうか。

・左チャネルの高域用ユニットのチエック。
原因 : 左右ユニットの能率に著しい差がある場合。 (このケースはまず考えられないが。 )
確認策 : 上記と同じ左右の入れ替え。
取り付け、あるいは振動板の不具合によりピーキーになっている可能性。単にレベル差であれば、この部分にのみアッテネッターを入れる手も。

・中域のネットワーク(ハイカット部分)に何らかの問題がある。
原因 : 中域ハイカットネットワークのコンデンサ不調、結線誤り。
またはピークがどこかに出来ている。
確認策 : 接続再チエック。 左右入れ替え確認。

・CDプレイヤーに何らかの問題がある。
原因 : 高域(あるいは超高域のノイズ?)
高周波ノイズフィルターが機能していない?
2450Jだけではこの症状出ないので、この原因はあまり考えにくいが。ただしかなり以前よりこの傾向があるので、考慮してみることも必要かと。
確認策 : CDからの左右結線を逆にしてみる。
周波数トラックを使用して確認する。
アナログLPを音源にして確認する。

・部屋の左右の特性の変化、フラッターエコー
原因 : 壁面の差により聞こえ方が違う。
多少の対策を施してもあまり、変化なく、上記の高域ユニットを外したことの変化の方が大きい。従って、今回の問題とは別次元と考えて対応する。

・アンプの問題(現状ほとんど考えられない)
いずれについても確認方法は、弦楽による左チャネルの高域のスムーズさと、ボーカルの定位である。 この点が決まると、かなりの満足が得られる状態となるのではないか。なお、チャネルデバイダーについてはP-102の修理引き取りの際、オーディオユニオンにF20試聴機の貸し出しを依頼した。 今後、どうしても対応していきたい部分だけに、事前にその効果(及びチャネルデバイダーのクオリティ)が確認できれば非常にありがたい。また、将来的にF-20を導入するのであれば、高域、中域のネットワークについて、再設計、パーツの見直し(特にコンデンサ)を行ってみたい。 この場合はクロスオーバー周波数はもう少し高く設定してみたらどうであろうか。(9~10KHz位)現状の計算値は約6.5KHzで、やや低いかもしれないので。


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