オーディオ日記 第4章 悪戦苦闘(その3)1998年10月日付不詳


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低域用Cross Over Network(800Hz High Cut)に遊んでいるコイル(1.5mH)を追加してみた。一聴してハイカットがきちんと効いており(ただし、どの程度の減衰になっているのか把握できていない)効果が確認でき、バランスも良くなったと思われる。しかしながら、シングルアンプの場合はアッテネッターを通すせいか、音の透明感はやはり大きく損なわれている。 ネットワークを利用したマルチアンプ構成ではこの問題が起きず、これは結構行ける状態になった。 このシングルアンプとマルチアンプの差はどこに起因しているのか、現時点ではよくわからない。 考えられる理由は以下。

1.アッテネッター
2.逆起電力
3.負荷変動
4.コイル、コンデンサーの構成の複雑さ

ようやっと、弦、ピアノ、ボーカルのそれぞれがそれなりに聴けるようになったと思われる。実際まだ一晩だけで、充分聴き込んでいないので早急な結論は出せないが。全体としてGEQをかけるとやや低域オーバー気味に感じられるため、主にGEQ OFFで聴いた。 この場合、チャネルデバイダー使用時ほどの高域透明感ではなく、ソースの状態を良く表して自然である。 だからと言って特に高域不足の感じも受けない。高域オーバーと思われたソースも(高域に強調感あるものの)無理なく聴ける。高域の荒さも特別には感じない。(何となく左チャネルにひっかかるものあるが)弦については強奏時のうるさい感じもぐっと減っている。同様に、ピアノについては中域に感じられた「カンつき」が相当和らいでいる。最低域についての量感には不足なく、むしろ100~250辺りを少し絞るような状態。 高域用アンプ(バランス接続)は -20dB、低域用アンプ(アンバランス接続)は -12dBのポジション。 今回問題として新たに明確となってきたのは左右バランス。高域アンプの問題とも思えるが、始め左が弱く、十分暖まるとやがて左が強くなる。この現象のため、定位が変わる。 安定している状態であればバランスで直せるのだが。左右バランスをきちんととった状態では定位感にはあまり問題は感じられず、チャネルデバイダーを使用する従来の接続よりも奥行感が出るようだ。

今回のトライで分かったことは以下の通り。
・クロスオーバー付近ががきちんとコントロールされていないと音が汚される。
・12dB/Octのスロープ特性では減衰量が必ずしも十分ではない。

今後の課題
コイル(1.5mH)の接続はかなりいい加減なので、今後きちんと整理が必要。現状はネットワークボックスの外だし、結線部分も決定的ではない。これを整理確定させ、(場合によっては数値が合うようにコイル、コンデンサの交換も考えられるが)聴き込みを行う。また、なるべく早くP-102の修理を依頼した方が良い状況になってきたため、今週末にも(聴き込みを行った上で)対応する。この間はシングルアンプで我慢せねばならないが。全体感としては、やはりマルチアンプ(アッテネッターなし、ネットワークなしでスピーカをダイレクトにドライブ)が理想に感じられる。当然、相当なチャネルデバイダーのクオリティが必要であるが。現状、F-20をなるべく早く投入したい。

別途インターネットにて18dB/Octのネットワーク設計 計算表を入手し比較してみたが大筋では18dB/Octのネットワーク設計に合致しており、基本的にはコイルの追加により12dB/OCTから18dB/OCTへのスロープ特性に変更となった。(数値は近似値であるが)


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