オーディオ日記 第4章 悪戦苦闘(その2)1998年10月日付不詳


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先に気になっていた「ハイ上がり」の状況について若干の検討を行ったところ、やはりチャネルデバイダーの「品質」に問題があるのではないかと思えてきた。
(注)高域については明らかに問題あり、使用に耐えないことが確認されている。

これは特にボーカルものを聴いた時に顕著(クラシック、ジャズではさほど明らかではない)で、声の帯域に力強さ、温かさが出ず、か細くなる欠点が顔を覗かせる。確認の一環としてすべてをクロスオーバーネットワークに戻して試聴してみたところ、レベル設定の問題もあるかもしれないが、予想以上に中低域が厚いことが確認できた。ボーカルやピアノはこちらの方がリラックスして聴ける。これはバスレフポートの工作によって、低域が伸びやかになった影響かもしれない。ちなみにP-360のシングルアンプの状態でも中高域は-10dBでバランス上問題なく、まだ、高域が足りない感じすらする。 ネットワークによる構成ではまだ充分な聴き込みを行えていない。 早いタイミングでの修理(オーバーホールを考えているため、しばらく不在状態を想定しているため。ただし、シングルアンプの状態ではアッテネッターを深く利用するせいか、逆起電力の問題か、現状では高域が満足できる状態にはならない。
特に問題となるのは低域クロスオーバーが高すぎることと、充分な高域のカットができていないことである。 これにより、中域にマスクされたような感じとなり、透明感や分解能は明らかに低下する。 この状態では(ボーカルやなぜかピアノは多少良いが)弦はまったく不調となる。従来のチャネルデバイダーを低域のみに使用したハイブリッド構成では弦は良かったが、ピアノ、ボーカルがだめであったのとは全く対照的である。

となると、早期にチャネルデバイダー(2wayで良い)の購入が必要となるが、F-20は結構高価なため、すぐには買えないと考えられる。 試行錯誤の時間とネットワークでトライする時間を考えると本当は購入した方が良いのだが。当面、低域のハイカットをどのように行うかが過大であるが、本格的なネットワークを自作するのはコストが無駄になる(コイル、コンデンサの低域用は意外に高い!)
考えられる手としては

(1)JBLの500Hz のクロスオーバーネットワーク中古品を探す。
3~5万程度はするか? なぜか新品では800Hzのものしかないようだ。お茶の水オーディオユニオン辺りで探すことになるか?

(2)現状のネットワークにコイルを追加し、ハイカットを試みる。
手持ちの1.5mHのコイルが使えないか? このコイルは6dB/Octのネットワークで使用するなら、800Hzがクロスオーバー周波数である。既存のネットワークに直列に接続することにより、多少なりともハイカットできるかもしれない。(無駄な努力かもしれないが)

(3)クロスオーバー周波数の設定とクロスオーバーポイント(-3dB、-6dB)について
クロスオーバー周波数については現状800Hz、将来的には650Hzを考えていたが、500Hzでも良いのではないかという気がしてきた。 スロープ特性が12dB/Octであればなおさらそう思える。これはEVX-150Aの高い領域をなるべく使用しない方が良いとの考えからである。 現状は800Hz、12dB/OCTのスロープ特性であるが、前述のようにこれは常用できるクォリティになっていない。 唯一の問題は2380A ホーンの低域カットオフであるが、これがぎりぎり500Hzなので、何とか使用できるのではないかと考えている。 音だけにやってみないとわからないが、15インチウーファーと4インチドライバークロスオーバーは結構500Hzがスタンダードであるし、リニアテクノロジーのネットワークも500Hzを使用している。ハイカットの特性を考慮すると500Hzで切った方がよさそうである。 B&Wのノーチラスなどは400Hz以下のクロスオーバー周波数である。従い、ドライバー自身には問題なく、ホーンである。ホーンについては将来的には大型ホーンへの変更も可能のなので、トライしてみる価値はあるだろう。


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