オーディオ日記 第3章 マルチアンプの罠(その2)1998年 9月日付不詳


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純粋3WAY構成での高域の不透明感、付帯音の原因究明のため、各種のトライを行った。 現時点ではChannel Deviderに問題があるのでは、との結論である。

(1)Channel Deviderをはずすと高域の透明感はアップし、付帯音の感じもほとんどなくなる。

(2)Cross Over Networkの方式に戻してみたが、低域の質感、ダイレクト感が悪くなってしまう。 低域についてはやはりChannel Deviderを通した方がベターと感じられる。

(3)従って、低域はチャネルデバイダーを通したマルチ対応、中域、高域についてはCross Over Networkを使用した変則マルチアンプシステムとしている。この構成では一応透明感は保たれるが、下記問題点あり。
・中域のローカットが不十分(800Hz/8オームのため)で、2450Jにてかなり下の周波数まで出てしまう。 従って、低域のハイカットポイントの適切な周波数までもうまく決まらない。
・中高域のレベルを相当絞らないと、中高域の張り出し(特に中域?)がきつく感じられる。 また、低域の量感も足りなくなる。-1dBから-2dB程度のアッテネッターを入れると音質を大きく損なわずに多少マイルドになる。
・低域のハイカットを500Hz程度(又は以下)にすると中域の張り出しは押さえられるようだ。 なお、Graphic Equalizerにて100~125Hzを押さえると全体としての低域の量感が大きく減少するため、低域全体のレベルを上げなければならない。この結果当初の低域のイコライズのままでは、やや混濁感が出る。ボトムエンドは結構良くなるが。 レベルに合わせて、200~250Hz辺りを絞り込む必要があろう。
・P-102のヒートアップの状態で高域の出方が非常に変化する。 温度があがるほど、高域が出てくる。 ヒートアップまでは30分以上かかるし、それ以前の音はほとんどだめである。

(4)中域、高域については別アンプ構成でも、P-102 1台にて両方カバーさせる方式でも特に差はないため、利便性を考えて2Amp構成に縮小した。S/N的にはこの方が有利なようだ。

(5)全体的に相当良くなっているが、ソースの善し悪しによる反応がかなりシビアーとなっている。 特に高域の荒れた録音では滑らかさはほとんど出てこない。 この辺り、録音の良いソースの鮮度を失わずに、多少悪いソースでもそこそここなすセッティングが必要であろう。ただし、高域の良いソースについてはかなり「いける」状態になっている。しかしこの場合の高域レベルは全体に結構高めとなるが、プレゼンスの良さはぐっと出てくる。 しかし、ボーカルものはここまで高域レベルを上げるとささくれ状態になってかえってだめ。

(6)今後の作業項目としては
・Cross Over Networkにおける中域の周波数レスポンスを確認し、最適なポイントを見つけること。(やはり測定が重要、耳だけではなかなか)
・低域のレベル設定を決め、イコライズ範囲、周波数を決めること。レベル高め、200~250Hzを押え気味にしてみる。
・Channel Deviderの購入(含む中古)の検討を行うこと。
・まずシンプル2WAY構成にてレベル設定を決めた方がよいかもしれない。ただし、全体としては低域から3Kz以下の周波数分布が大きくトーンキャラクターを支配するので、ここのセッティングがかなり重要であることが分かってきた。


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