オーディオ日記 第1章 始まり 1997年12月日付不詳


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1997年2月にJBL 2450Jを購入し、同8月にはElectro Voice EVX-150Aを購入、20年来聴き続けてきたALTECの416-8Aと802-8Dに別れを告げた。 長年連れ添ったALTECではあるが、近年クラシック音楽の比重が高くなり、何とかこの類の音楽を良い音で聴きたいという欲求から、交換に踏み切ったものである。 当然クラシックはもとより、ボーカルもジャズも従来以上に良い音で聴きたい、聴けるはず、という信念があった。単純なユニットの交換で、ちょっと聴く分には多少改善されたかの様に思えたのであるが、望む音のレベルには程遠く、これが泥沼の始まりでもあった。

以下はJBL 2402Hとチャネルデバイダーの追加購入により、3WAY化とマルチの実験の記録。実験は残留ノイズの問題とチャネルデバイダー起因により良好な音質が得られず、不調に終わる。

残留ノイズ :
主にヤマハのAmp、Channel Devider接続ケーブルの不調。特にChannel Devider接続ケーブルの接続不良による盛大なHF Unitからの残留ノイズには悩ませられた。

音質 :
LUXの古い可変抵抗式Attと抵抗の組み合わせによる固定Attが、高域を汚している最大原因であり、これは最悪であった。

音質の問題は、Fostexのトランス式Attの導入(都合4個)により劇的に改善される。 特に高域の透明感への影響が大きかったことが後で分かる。また、SPケーブルはすべてMonitor PCのSilver Coat線へ変更。これも好結果。クロスオーバー周波数についてはCoral800Hzと自家製6.5KHzで一旦落ち着いた。以下、各種実験、検証作業の内容について記す。
(以下はいろいろな実験を行った単なる作業上の記録である)


1.チエック作業
まず始めの確認作業
2402Hの110dBという能率について、再考が必要である。これは相当高い効率であるため、-10dB程度の絞りではまだ、100dBである。これがノイズレベルの大きな問題とも考えられる。 したがって、信号レベルをなるべく大きくする方法を試す。固定Attを使用し、出力レベルを-20dBに設定し、Ampでの出力絞り込みは-10dBに押さえることにより、Amp側のAttを安定レベルで使用しつつ信号レベルを上げる。2402Hの換算能率を90dBに落として使用する事になり、信号レベルを大きくすることでChannel Deviderを含めたシステム全体S/N改善に繋がるはずである。このケースでは低域を-6dBから-8dBに設定して(全体の能率を90dBと考えて)使用する。 ただし、同様に現状-10から-12dBで使用しているMFの更なる絞り込みも必要となるため、このままではChannel Devider上で絞り込む必要がある。Channel Devider上で出力可変とした場合、全体としての透明度の低下のチエックを厳しくする必要があるなど別問題の発生にも繋がるので、原則0dBのGainで使用。MFは必ずVar Attを使用する事。(Fixed Attは16オームのため使用不可)以下が能率の推定算出式。 これにより、大きく信号ルレベルを上げられるはず。

(能率設定値)
# 2402H HF Amp -10db + Fixed Att -10 or -12db Total 90dB
# 2450J MF Amp -10db + Var Att -10 or -12db Total 90dB
# EVX-150A LF Amp -6db or -8dB Total 90dB
(注)HFとMFの絞り込みは同じ考え方(Ampで-10dB)で。MFは-20dBまで絞り込んで、Amp側0dBでも良いが、S/N的には不利かもしれない。トランス式のVar Attがもう一組あると重宝するのだか。この方式で成功すれば、微調整のため、Var Attの購入を検討も。

要因チエック
(1)外部要因チエック ControlのOff
(2)L-R反転チエック Channel Devider機器チエック
(注)Devider自身がおかしい場合は保証との確認機器のS/N比は90dBなので、対照範囲外かもしれない。
(3)接続方式チエック バランス接続への変更
(4)ドライバーユニット 接続変更によるチエック(多分無意味)

上記(3)の方式が効果がある場合、中高域に`P-360を使用する方法も検討の余地あり。下記、2-(3)を参照。但し、分割周波数の関係から、HF側を使用した2Way構成となり、クロスオーバーは750Hzが下限である。


2.構成変更
(1) Cross Over Network方式(上記チエックを終了後に対応のこと)
既存800Hzの2Way使用を利用し、3Way構成へ拡張する。 この場合、HF側は固定Att方式となる。(-12dB、5KHz以上なので、若干の誤差は問題ないものと思われる。)HF Cross Overは仮組みのままテスト。(仮固定も検討のこと)

(能率設定値)
# 2402H HF Fixed Att -10 or -12db Total 98dB
# 2450J MF Var Att -14dB Total 96dB
# EVX-150A LF None Total 96dB

(チエックポイント)
・ノイズの問題からは開放されるはず。
・HF追加の効果がどの程度現れるか。透明度、混濁感は問題ないか?改善が明確な場合は、他のステップは当面不要化とも
・低域のCross Overが高いことによる特性への影響は残る。

(結果)
・改善が明確な場合は、他のステップに対する基準となる。
・Control AmpをBypassするDigital Volume方式が選択可能となる。
・この方法がベストな場合はシステムの方向性をSingle Ampに決定できる。
・従い、次のチャレンジはDSP(DG-28)による全体的な周波数特性整備へ。
・Lenear TechnologyのCross Over検討または現有Cross Overの低域部改良 のチャレンジも。

(2)LFとHFにCross Over Network方式を適用。 MFはMuti Amp方式を残す。LFには既存800Hz High Cut Filterを使用し、HFには新規5KHz Low Cut Filterを使用。 P-360でドライブし、HF側は可変Attを流用する。(ダミーロードを8オームに変更)MFは2Channel Ampを使用し、800Hzと5KHzの帯域で使用する。(結線変更とAmp切り替え必要)

(能率設定値)
# 2402H HF Fixed Att -10 or -12db Total 98dB
# 2450J MF Var Att -12 or -14dB Total 96dB
# EVX-150A LF None Total 96dB

(チエックポイント)
・高域側は問題無いはず。(可変Att入るので、調整も容易)
・低域側は(1)のケースと同格であるので、チエック対照には入れられない。
・中域のトランジェント、ノイズ等を主としてチエック。 特に16オームを単独ドライブするので意味があるはず。 Amp役不足が少し、心配か。

(結果)
・全体として違和感がなければ、継続使用してチエックも考えられる。
・Single、Multiの結論はでない。
・小出力高品位Ampが次の検討課題となろう。

(3)2Way Multi+HF Cross Over方式(DeviderのLF、HFのみ使用する)LFとMF、HFは750Hz Crossの2Way方式とする。高域はCross Overにて5KHz分割。但し、HF Channel R側にノイズの問題が残るケースではこのままでは使用できない可能性高い。 Balance接続で解消される場合はドライブAmpの入れ替え(中高域にP-360をバランス接続で)を行う。 ただし、LF Ampは非か。可変AttはHFに使用し、MFはAmp、Devider側でコントロールする。

(能率設定値)
# 2402H HF Amp -10dB + Fixed Att -12db Total 90dB
# 2450J MF Amp -10db + Var Att -10dB Total 90dB
# EVX-150A LF Amp -6dB Total 90dB

(チエックポイント)
・本来はMulti化のステップとして一番望ましいスタイルのはず。
・R Channelノイズ問題がクリアーされていなければ、トライ無意味。
・バランス接続であれば、実用上問題ないということが確認できればAmp役割交換で当面使用できるということで効果あり。

(結果)
・P-360で中高域をドライブする状況をシミュレーションできるため、高域での純度に難点なければ、正解。
・バランスAmpの追加によるバランス接続でのMulti Ampのトライを続行できる。
・最終的にはF20,F25クラスのDeviderが必要であるが。


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