オーディオ編


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK

4.コンプレッションドライバーVS ドーム (ユニット方式と音の違い)

低域のユニットはほとんどコーンタイプが基本であるが、中域や高域のユニットについてはいろいろなバリエーションがある。では、形式の違いが音の違いとして現れるのだろうか?

当方は形式の異なるユニット群を常用していることもあり、独断の部分も多いが比較考察してみた。各システムのユニット構成は以下の通りである。

1.メインシステム(Pioneer PT-R9、Sony SUP-T11、SUP-L11)
高域:リボンツィータ(ベリリウム)
中域:ホーンドライバー(4インチアルミダイアフラム)
Pioneer PT-R9 SONY SUP-T11 SONY SUP-L11
(ウーファーは15インチペーパーコーン)

2.サブシステム(JMLab VEGA)
高域:逆ドーム型ツィータ(1インチ酸化チタン)
中域:5インチコーンミッドレンジ(ポリケブラー)
JM Lab Vega
(ウーファーは12インチポリケブラーコーン)

3.別室のシステム(Pioneer S-955)
高域:リボンツィータ(アルミ)
中域:2.5インチドーム型(ベリリウム)
Pioneer S-955
(ウーファーは14インチペーパーコーン)

それぞれのシステムは周波数特性が完全に同じとは云えないが、イコライザにて当方の好みに従って、似たような特性になるように補正を行っている。それにも係わらず、部屋の特性や周辺機器の差異もあるとは思うが、音は「明らかに」違う。オーディオ的に云えば、全く当たり前のことなのであるが、違う。さて、これは物理的に考えて何がどう、ちがうのであろうか。ユニットの特性と云えば、それまでであるが、リスニングポイントでは似たような特性となるように周波数特性の補正を行っているにも係わらず、である。

さて、肝心のユニット形状による音の差異について、以下に記載するが、これはユニット形状の違いなのか、当該ユニット固有の性格なのか、スピーカシステム全体としての音作りなのか、これを的確に云い切ることは難しい面あるが、敢えて唯我独尊、自分の経験と聴感、感性に基づく判断を慎重に行い、言葉として纏めてみた。ただし、結果はユニットの形式の違いということよりも、ユニットの個性、スピーカーシステムとしての個性の表現となってしまったように思う。

1.ホーンドライバーとリボンツィータの組み合わせ
・過渡特性に優れ、音圧が稼げる。冷汗が出るような(?)音量でも音がくずれない。
・S/Nが高く、歪感が少ないので、音の佇まいが良く、聴き疲れしない。
・オケからロックまで幅広く対応でき、特に人間の声は一番自然かも。
・オケではホールの大きさがうまく感じられる。
・音としてはやや大人しい傾向か。

2.コーンタイプミッドレンジとメタルドームツィータの組み合わせ
・音が濃く、色気が感じられる。聴かせ上手、演出上手か。
・凛と鳴る。少し高域に特徴を感じる。やや硬質な面も時折あり。
・女性ボーカル、ピアノ、小編成の弦などが得意。音楽は軽やかに鳴る。
・音は良く広がる。
・低い音域では制動力が弱いのか、少しゆるく感じる。(これはウーファ領域)

3.メタルドームミッドレンジ、リボンツィータの組み合わせ
・音にリアリティ、実在感があり、どこか真空管アンプにも通じるような押し出し感あり。
・柔らかな音の表現は少し苦手。多少聴き疲れする面もある。
・音場感はやや乏しい。
・ジャズ、男性ボーカルに向く。
・パンチ力あり、低域の音は重め。(これはウーファ領域)

ツィータの総括:
・メタルドームは音の輪郭がはっきりする印象。音楽のチャーミングさを演出できる。
・リボンはあまり存在を意識させず、レンジは良く伸びて漂うような印象を表現できる。

ミッドレンジの総括:
・メタルドームは灰汁(あく)の強さを出せる。
・ドライバーは音の到達力があるのか、浸透感のある音が出せる。


音の差異について、これを表現しようとしても、的確に表すための当方の語彙の少なさに四苦八苦してしまった。好みか好みではないか、など単純な比較やその表現であればともかく、ある程度の厳密性を持って(とは云え、あくまでも主観や印象の域を出ないが)音を言葉で言い表すことは、文才の無い当方にとってはかなり難しいことであると痛感した次第。ただし、このような表現を試みることで、再度我が愛機達の性格や特徴を改めて認識できたようにも思う。


next index back