アナログ編


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2.アナログレコードとCDの比較 (アナログ VS デジタル)

次は根源的な部分であるが、「アナログ VS デジタル」について、言及したい。ある部分近寄らない方が良い議論かもしれぬが、私見であることを前提に記載して置きたい。先にも述べたが、アナログ音源を24bit/96KHzで自分で録音したものは、ほとんどアナログレコードのオリジナルとは遜色がない。一方で、CDとして購入したものには残念ながら差がある。これは16bit/44.1KHzという器や量子化ノイズの問題以外だけではなく、アナログレコードを作成する段階でのマスタリング(あるいはイコライズ)の作業、再生機器の特性(RIAA偏差も考えらエル)など、アナログレコードサイドにもそもそもマスター音源と異なる要素が存在する。当然ながら、CDのマスタリングの際にも同じようなことが云えるので、そもそも「同じマスター音源」であっても、違って当然ということになるし、実際に聴感上も差が感じられる。一番の違いは(と云っても微妙なものであることは但し書きとしてつけておきたいが)、音の柔らかさ、肌への当たり違い、である。何のこっちゃい、という方もおられるであろうが、そう感じるのである。例えは非常に難しいが、暖色にタイプであっても蛍光灯と白熱等の明かりの微妙な陰影の差か。科学的には20KHz以上の有無による脳内のアルファ波が出る、出ないということもあるらしいが、流石にこの辺りは現実感としては理解できてはいない。あるいは、アナログにおいて、微小ではあっても発生する針音などのノイズ・歪が、真空管アンプに代表される「音の温かみ」に通じているのかもしれぬ。プロ用の機器においては、真空管(あるいは真空管をシミュレートする機能により)で発生する主として高域の歪みをコントロールし、音の温かさ(Warmthという表現をすることが多い)を演出することも一般的である。これは音楽の表現上の必然性から来ているものとも云え、意識的に「音」を作り込んでいる訳である。従い、人間が最終的に「音として感知する」のは結局はアナログである、ということに尽きるかもしれない。

2011年1月9日追記:真空管の音をPCオーディオにて簡易にシミュレートできる Plug-in を見つけたので、是非とも実験してみられたし。


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