第5章 「FreePort」


  ある日、GivuはPort Faydwerにいました。目的は「船を見ること」です(笑)

  いや、1度見てみたいなぁーと思ったわけですよ。そんなわけで船を待っているわけなんですが、当時は一隻の船がFaydwer〜Freeport(Antonica大陸にある人間の街)間を往復していたので45分ちょっと待たないと船が来ません。(注1)

  なのでただ待ってるのも暇ですから、噂に聞いた釣りを試してみる事にしました。まずは港にいるハイエルフから釣り竿と魚の餌らしきもの(笑) を買って挑戦です。

  結果。スキル低いと損しまくり(笑)

  後の話になるんですが、そこそこのスキルまでいけばもうけが出ますし、錆びたダガーとかも釣れる(?)ので鍛冶の修行には良いと思います。レベルの低い頃は安全に金を稼げる手段です。もちろん釣った魚は食べられますしね。

  さて、待つこと数十分。やがて誰かか「船だー」と叫びました。見れば岬を回って「ギギギー」という音とともに船がやってきます。

  Givu 「意外に小さいのぅ」

  いえ。それはまだ遠くにあったからです。帆をはためかせながら桟橋についた船は予想よりもずっと大きくて立派です。中には船室もあり、船だなぁといった感じで感動します(笑)

  なぜ中まで知っているのかと言えば、もちろんGivuが中を見に行ったからです。

  Givu 「さて、もう戻るか……うおっ!」

  ……ああ、桟橋が遠く離れて行く……そう。船はすでに出航していたのです!(笑)

  さすがにまだ船で移動するようなレベルの人々はいないのか。船には他にハーフエルフの男が1人いるだけです。とりあえず2人っきりなので話しながら行くと、船は人間の街FreePortに到着しました。

  すぐにとって返しても良かったんですけど、来たら来たで観光しないではいられません。Givuは冒険心の熱い男なのです。

  今回も、人間に攻撃されたらどうしよう…と思いつつ行きますが、ぜんぜん平気です。FreePortはNorrath最大の街で、あらゆる種族が利用するからです。

  とはいえ、始めての人間の街は少し困ります。なにしろ、物がでか過ぎ! 扉もでかいし壁も高くてダンジョンの中にいるような感覚さえあります。

  Givu 「なんてでかい扉じゃ!」

  と、いつものように悪態つきながら一応観光しましたが、全体を把握するには数日が必要でしょう。それほど広い街なのです。また、人間は自ら悪の道に進むことができます。邪神を信仰するクレリックとかですね。そういった方々やEvil系種族のためでしょうか。Freeportには地下があります。もちろん見てみたいのは山々ですけど、Givuはこれでもパラディンなので、行ったら攻撃されます(笑) なので後回し。

  そして港に戻ってきました。かれこれ1時間以上はうろうろしたでしょうか。ちょっとお疲れ。

  やがてまた船がやってきます。さて、帰ろうかと船に乗ろうとした所、桟橋と船に少し段差があるのに気がつきましたが、人間たちやエルフは普通に乗っているのでGivuも普通に乗ろうとしたら

  落ちた。

  ボッチャンと海に落ちたんです。どうやら小人ではまたげないらしい(笑) そんなことより急がないと船が行ってしまいます。いっしょに船を待っていたドワーフが「急げ急げー」と叫びます。とはいえGivuは泳ぐのは苦手です。桟橋に這い上がったとき、船は水平線の彼方に消えてゆきました……。

  そしてまた45分も待たないといけなくなり、げんなりしているとさっきから桟橋で釣りをしていたSという蛮族が話しかけてきました。

  Sin 「やぁ、また会ったな」

  Givu 「ん? お前は船に乗らんのか?」

  Sin 「俺はここで釣りをしているだけだから。Givuこそ乗らなかったのかい?」

  Givu 「・・・・・・・」

  ともかく話し相手になってくれたので話しながら船を待ちます。ちなみに蛮族を見るのは始めてです。人間よりも頭ひとつくらい大きく、がっしりとした体格で顔などにイレズミをしてます。男なのにスカート(キルトってやつです)を履いてたりして、気分はハイランダーですね。当時は蛮族も一応、人間の一種なのでこの近くに住んでいるのかと思いましたが、実はかなり北の果てに住んでいます。Freeportまで来るだけで大冒険でしょう。

  やがてまた船が来ました。

  Sin 「Givu.故郷に帰るのかい?」

  Givu 「うむ。」

  Sin 「そうか…残念だな。また会おう!」

  そして船に乗って一路、Faydwer大陸へ。

  帰りの船にはハーフリングが1人乗っていました。もちろん見るのは始めてです。

  Givu 「ハーフリングか…始めて見たぞ」

  すると彼は。

  ハーフリング 「おいらもあんたみたいにかわいいドワーフは始めてだ」

  ムカツクっ!(笑)  しかし彼のロールプレイは素晴らしく、船の甲板やら船室やらを跳ね回りながら走りまわったり、人が座ってる前を横っ飛びして往復したりしてうざったい。まったく素晴らしい!(笑)

  しかし、やがて飽きたのか。

  ハーフリング 「ねぇ、なんかこの船、遅すぎない? おいらの泳ぎのほうが早いな」

  Givu 「試してみるか? がははっ」

  ふ。勝ったな。

  ハーフリング 「じゃあ、あんたがやれば」

  ぐはっ。

  ハーフリング 「簡単だよ。そこのヘリに立ってジャンプするだけ」

  Givu 「・・・・・・・」

  ま、負けた…(^.^;

  やがて陸が見えてきました。もう早く帰りたかったので、港までまたずに途中で飛び降り、岸まで泳いだほうが早そうだと考えて、飛び降りっ!

  そして陸に上がった瞬間、気づくのでした。

  Givu 「しまった! ここはFaydwerじゃないっ!」

  そこは途中に停泊する島の1つだったのです!(笑)

  もう桟橋には船がついています。とにかく速攻ダッシュ。たのむ、間に合ってくれっと心で叫びつつジャンプ!

  あっ、ギリギリ……落ちた。

  海から頭を出し、遠のいていく船を見つめるGivu。ああ、きっとあのハーフリングは爆笑に違いない。


・Givu……レベル6。なんだかんだ言ってマヌケ。

・注1:今は船は2隻に増え、航路も多少変更になったので25分に1隻くらいの割合で来ます。


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