第3章 「始めての仲間」
ドワーフやエルフ、それにノームの故郷はFaydwer大陸と言って、人間とかは住んでません。しかも妖精族たちは大陸と言ってますが、Antonica大陸の人から見れば、ここは島と言われます。確かに向こうに比べると遥かに広さが違いますからね。
そしてドワーフの故郷KaladimのあるButcherBlock Mountainsには、Port Faydwerというこの大陸唯一の港があります。その近くには今のレベルにちょうどいい敵が出るので人気のスポットでした。Givuもしばらくそこでお世話になってます。
そんなある日、ドワーフ・クレリックのTomさんがパーティー組みませんかと言ってくれました。Tomさんも日本人という事もあって気軽にOKし、始めてのパーティーです。
EQのパーティーシステムはEXPは自動分配(注1)で設定によってはお金も割り切れる分は自動分配です。2人の基本戦術はGivuが前衛、Tomさんが後ろで魔法を使うというものでした。この段階では、あまりクラスによる特徴というのは現れ難く、最終的にはパラディンのGivuのほうがHPもAC(アーマークラス:防御力です)も高くなるんですが、その時はあまり違いはありません。
なので、魔法を使えるTomさんのほうがGivuよりおいしく見えました。しかしEQのパーティーシステムの凄さはまだあります。
パーティーを組むと言うと単純に「1+1=2」という感じがしますが、EQではパーティーメンバーが1人増える毎に戦闘力は二乗になるという感じです。これは後半になればなるほど感じる事ができます。こんな初期の、たった2人のパーティーでもすでに多少はあらわれています。魔法を詠唱している時に攻撃されると大抵、詠唱は中断してしまうのです。2人ならGivuが敵を引き付けていればTさんの魔法詠唱を邪魔させませんし、回復魔法を唱えるにしても、壁になっているGivuのHPに注意していれば良いので楽です。
この時すでに、パーティーの偉大さとこのシステムの出来の良さを実感しました。
そしてGivuとTomさんの2人でしばらくゴブリンと戦っていると、そのうち新たにNobuというドワーフ・パラディンが仲間に加わって3人になりました。3人になるとますますパーティーの力は発揮されます。コミュニケーションも全員日本人なのでしっかりと出来て、とっても楽しかったです。
とはいえ、パーティーは組めば良いというものではありません。それは次の日に知ることになりました。
その日はGivuとNobu君の2人でいつもの場所でやってました。と、ゴブリンの弱いの3匹ほどに囲まれてしまったのです。しかも奴らはまだレベルの低いNobu君を狙っています。今なら、そんな状況でもNobu君を助ける事が出来たでしょう。しかし当時はまだパーティーの中での動きというのを学び始めた頃です。とにかく戦うしかしなかった所為で、Nobu君は死んでしまいました。
Givu 「おおおっ! この****め!」
と下品な表現を叫びつつ戦闘続行。すると近くにいたドワーフ・クレリックのResが助けに来てくれました。Nobu君が復活してくる間に彼と話してパーティー組む事になりました。そしてNobu君も合流してまたもや3人パーティー。当然、私は前回のパーティープレイを思い描いていました。
しかし! 現実はそうではなかったのです。Resはアメリカ人なので英語という事もあり、コミュニケーションには多少の難があったのは事実です。しかしそれ以上に彼はがめつかったのです!(笑)
クレリックであるにも関わらず、戦利品の回収にご熱心でNobu君がピンチの時も回復をかけなかったり、そもそも最初に「戦利品は山分け」と彼から言ってきたのにほとんど全て1人で持っていきました。
早くもパーティー解散の危機。まったく連携が取れずにパーティーの意味がありません。しかし私もNobu君も文句を言う気にもなれずに、そのまま続行。最終的にはそれなりに連携が取れるようになったのですが、彼のがめつさは変わりませんでした……。
今にして思えば、この2つの経験はパーティーの楽しさを教えてくれています。単純に組んで、戦うだけでは駄目なのです。それぞれの役割を果たせるように行動する事、そしてそれが出来るような作戦を考える事。これです。
ちなみに、Res君はその後もこのスタイルを続けたらしく、嫌われていました。(^.^;
・Givu……レベル5。敵から錆びたBattleAxeを手に入れてご満悦。やっぱドワーフは……
・注1:EXPの分配にはレベル差というものが絡んできます。レベルの高い人はその分働いているという事でレベルの低い人より多く分配されます。ですがこれの真の目的は高レベルキャラによるレベル上げを防ぐためです。そういうゲームではないという事でしょう。