第12章 「Steamfont Mountains」
Ak’anonの外でキャンプして、次の日。すぐに帰るのもなんなので、少しこのSteamfontを見て回る事にしました。
まずは噂に聞いた、巨大風車。かなり大きくてびっくりです。ノームが作ったんだとしたら、すごいですね。Norrathで一番小さい種族なのに、こんなにも大きいものが作れるとは。
また、巨大風車の周りには珍しい生き物がいます。例によって機械のやつとかもいるんですが、コボルドとかピューマとかハーピーとか。どれもButcherBlockやFaydarkにはいないやつです。好戦的なので、殺しておきました(笑)
ところで、人(他のPC)の姿が見えないので、このゾーンにいる人数を調べてみたら19人しかいない…。そんなわけで、こちらから仲間とか探さなくても向こうからTELL飛ばしてきました。
Ad 「パーティ探してるの。組まない?」
Givu 「おう」
Cl 「パーティー探してる。組まないかい?」
Givu 「ええよ」
あ…なんかGivu大人気。どうやら、ここはノームのホームグラウンドなのでレベルの低いノームが多いですし、ノームはあまり前衛クラスには向かないので魔法使いばかりのようです。そんなわけでパラディンが必要なんですね。さて、この2人はというと…。
【Ad】女エルフのドルイド。アメリカ人プレーヤー。ちょっとしてから、いきなり「Givuって日本人でしょ?」と聞いてきたので「なんで?」と聞いたら、答えなかった。たぶん、変な英語を使ったんでしょう(笑)
【Cl】女バーバリアンのシャーマン。アメリカ人プレーヤー。バーバリアンは始めてです。めちゃでかくて、前衛で戦ったりするからウォリアーかと思ったら違った。ちなみに能力的には前衛向きなのでHPとか多くて結構前衛でも強い。(注1)
さて、集合して挨拶した後、いきなりAdとClは英会話モードに突入。当たり前だけど。で、会話について行けなくなったので、自ら流れを作らないといけません(笑)
Givu 「Clはでかいな。わしより大きいとは!」
Ad 「当たり前でしょ。人間より大きいんだから」
Cl 「あははははは」
ま、それはそうなんだけど…(^.^; とりあえずClはウケてくれたので良しとしよう。
で、この3人でピューマとか狩ったんですが、ここではその様子よりも会話のほうを。
Cl 「皆、Halasって知ってるかい?」
Ad 「知らないけど、あなたたちの故郷でしょう?」
Givu 「知らん」
Cl 「Antonica大陸の北の果てにあるんだ。すごく遠いんだ」
彼女の話では、Halasは雪と氷の北の大地にあるバーバリアンのホームシティで、ダンジョンを抜けないと(注2)行き来できないそうです。その距離はすごく遠くて、大変な道のりだそうです。彼女がこの話を始めたわけは、まだBindできる魔術師に出会っていないのでホームポイントがそのHalasのままで、死んだら荷物回収するのがめちゃくちゃ大変で、たぶん1日かかってしまうと言う事です。(注3)
Givu 「Halasか……」
しかし、Givuには別の意味で、その話は心に響きました。まだ見ぬ遠方の地と見知らぬ種族の街。それまでGivuにとって世界はFaydwer大陸で、FreePortに行ってもAntonica大陸をイメージする事はできませんでした。それがこの時、始めてAntonica大陸というものを思い描く事ができ、そしてこのFaydwer大陸をいつか旅立つ日がくるのだという事を意識し始めたのでした。なんとなく、でしたが、その日は確実にやってくる…。Givuが冒険者である以上は…。
Ad 「Givu! Skeleton!」
Givu 「おおっと、ボーっとした」
Ad 「しっかり見ててよ。あなたがパーティーの盾なんだから」
Givu 「わかっとる」
なぜ素直に謝らないんだ、このドワーフ(^.^;
その後、Adが突然「Minotaur Cave(ミノタウロスの洞窟)に行かない?」と言うので、突然なんだろうと思ったら友達が行っているので合流しようということらしい。これも噂には聞いていて、行ってみたかったので喜んでついて行きます。
山にそって進んで行くと、見えてきました。ぱっと見はただの穴です。クマとかの巣みたいな感じ。しかし、その奥は洞窟になっていて、奥にはここのボスがおり、その周囲にはCharmの呪文を使う敵もいるという恐怖の噂も聞いています。(注4)
さて、入り口で合流し、6人のフルパーティー。Givuよりレベルの高いパラディンがいたので、彼が奥からミノタウロスを引っ張ってくるのを、残りのメンバーは入り口で待機し、皆で戦うという基本戦術で行きます。(注5)
そして来ましたミノタウロス。やっぱりデカイ。ちなみに見た目は皆さんがイメージするやつと同じです。ウシ男ですね。そして一斉に攻撃! 敵が3体までなら、なんとか倒す事ができます。そんな感じで戦い続けていたある時、パーティーの一人が叫びました。
仲間 「こいつ、斧持ってるぞ!」
なんのことやらさっぱりなので、とりあえず戦い続けて戦闘終了。見ると、斧を持っているミノタウロスは誰も手をつけず、皆で「誰が取るか」と話し合っています。黙って聞いていると、Givuに「取れ」と言ってきました。
Givu 「良くわからんが、ええのか?」
仲間 「皆、必要なやつは持ってるしな。取れよ、そいつはすげぇ斧だぜ」
ありがたく頂戴すると、それは「Minotaur Battle Axe」という斧で、強い! その時はまだ自分で錆びた斧を磨いて作った「曇った斧」だったので大喜び! 早速装備してみると、グラフィックも変わってナイス(笑)
その後、奥に行ったパラディンが戻ってこなくなり、探しに行ったClも戻らず、HPは減ってないのでどうしたんだと話し合っていたら、いきなり奥から6体以上のミノタウロスが押し寄せてきたので、慌ててダッシュ! 残りのパーティーはなんとかノームのガードのいる場所まで逃げ延びて、ガードと共に戦って(注6)ミノタウロスを倒してホッと一息。話によるとパラディンとClはチャームされたという事でした。Clはその日の回収を諦めてパーティーから離脱。パラディンも回収不能だろうという事で離脱。パーティーは解散したのでした。
・Givu……レベル10。やっぱドワーフは斧だよな、という事で基本的に剣は装備しない。そのせいで、後々、仲間に迷惑かける。しかも頑固だから忠告聞かないし。ごめんね、皆。
・注1:このころは。つまり最初だけ。レベルが上がれば上がるほど、前衛クラスとの差は広がり、専業魔法使いよりは良いけど、壁にはなれない。クレリックとかと一緒。
・注2:BlackBurrowという初級ダンジョンを抜けないと行き来できません。
・注3:マジだよ。本当にAntonicaは広い。まっすぐ走っても3時間以上はかかるんじゃないだろーか。ちなみにまっすぐ走りぬけるのも無理。
・注4:Charm(チャーム)の魔法は皆が恐れる魔法の1つ。かかると操作不能になり、仲間を攻撃したり、ダンジョンの奥に歩いていったりする。会話もできない。いきなりNPC化するのでアセる。しかも、奥に行っちゃうのが1番怖くて、効果時間中は敵扱いで攻撃されないけど、切れた瞬間攻撃される。大抵ボスのほうまで行くので、瞬殺。しかも死体はその場に残るので、装備回収は普通には不可能。方法はあるけど。
・注5:Pullする、とか言って、この引っ張り役をPullerとか言う。基本中の基本で、これを上手くやれるかどうかが、前衛のポイント。
・注6:EQのガードは無敵じゃないし、どんな敵も1撃とかいう最強の存在ではない。弱いのはレベル10代とかもいる。だから、ガードの所に逃げ延びても敵が強いと倒すまで時間がかかる。ガードの所まで行けば安心、ではない。UOのガードと同じ様に考えては駄目。