2001年9月

飛び立つ 2001.9.1.  群舞

吸い込まれそうな青空と
その青をくっきりと映した海に
我が物顔のウミネコが舞う
静かな真水に羽根を休める時も
近づく闖入者を近寄せず飛び立つ時も
限りない空を狂ったように舞う時も

この春生まれたばかりの幼い鳥たちも
いつしか親たちと変わらぬ姿になって
遅れをとるまいと精一杯羽根を広げる
そうして一糸乱れぬ舞いの一員となっていく
乱舞
鮮やかなオレンジの花・ナスタチウム 2001.9.22.  キンレンカ

蓮に似たまるーい葉に
鮮やかに黄色やオレンジの花をつける。
だから金蓮花。
夕日のように目を引くその花の色に惹かれ、
たった一鉢買った花が今ではあちこちに芽を出して、
その輝く花をそこここに咲かせてくれる。
たくましいハーブらしく、力強くどんどん増える。
その強い花と同じ、強い光の夕陽も、
今日も世界に何事もなかったかのように沈む。
明日も、明後日も何事もなく

稲刈り風景 2001.9.28.  秋のいろ


無事刈り終わって裸になった田んぼがひとつ、またひとつ。
後に残った稲わらの根は碁盤目のようにきちんと並び、
律儀につんつん立っている。
子供のころ、これを踏んで歩くの好きだった。
小さい子供の足ではびくともしなくて、硬くズックにつきささる。
いった〜イ!と叫びながら、それでも一つ一つ踏んでいく。
こんな懐かしさをいつまでも呼び起こして欲しい、
ニッポンの秋の当たり前の風景画。
いつまでも当たり前の景色でありますように…。

music by Sora Aonami