ネクストキャビネットは成功するか? に対する投稿
劉表さんのご意見
 まず、前内閣(橋本内閣)は、1996年以降、「改革」を推進したのはよかったものの、間口が広すぎて 全体像が見えなくなってしまいました。
 改革を行った後に来るものを提示できず、社会保障、医療改革でも財政改革でも、逆に不安をあおってしまった 面は否めません。

   その後、自社さ連立政権解消、単独政権、自自公政権となりました。
 ところが、今度は、あつものにこりて膾を吹いたか、財政の拡大が行われました。改革が全体像を示さないために 不安を招いたのに、全体像を示す作業をすることを避けての財政支出で、目先の不満をそらそうとしているようにも 思われます。

 そもそも、たとえば介護保険。サービス対象者の増加が予測される21世紀初頭、現状のサービスを維持するのためには、 一般会計ではまかないきれないことが改革の理由であったはずなのに、 それをいかにも保険導入で一人あたりサービス水準が大幅に改善するような印象を与えたため、最近になっていろいろ 混乱が生じているのは記憶に新しいところです。

   しかし、不安が解消されぬ以上は、財政支出もかなり効果は減殺されるのは確かです。また、金融不安解消のために 注入された公的資金、ゼロ金利政策にもかかわらず商工ローン事件など、事態は改善していませんでした。
 かなり、政策的な手詰まりが感じられます。

 しかし、逆に民主党がある程度説得力のある日本の将来像を提示できれば、自民党が将来像を描けず人心を失って いる現在、国民の支持は集中できるとも思われます。

 ただ、現在、公認候補者が少ないのが、難点です。
 たとえ、共産、社民とあわせても過半数は怪しいと思いますが。
 これらを最初から排除していては、政権奪取の現実性は皆無になります。
 これでは、本気で政権を取る気があるかどうか疑われてしまわれるという不利な点があります。

 今後は、国民にわかるような形で他の党との政策面での協力を進め、本当に政権を取る気があるのだというのを示すこと が課題ではないかと思われます。

 最初は拒絶されるかも知れませんが、他党にネクストキャビネット参加を呼びかけるのも手かと思われます。


管理人より
 具体的な指摘も含めてご意見ありがとうございました。

 まずネクストキャビネットの組織ですが、すでにコラムで述べたとおり、基本的には野党連合を作るべきだとは 考えています。一時期、「日本に政権交代可能な二大政党制を!!」といったことが 騒がれましたが、公明党がいるために実際には不可能であると私は予測しました(詳細記事)
 しかし、かりに二大政党制が不可能であったとしても、政権交代可能な野党の必要性そのものはなんら色褪せていません。 むしろ昨今のばらまき行政を見ると、その必要性は高まっていると考えられます。
 そこで私は「ネクストキャビネット」「擬似二大政党制」への足がかりに できないかと考えております。
 つまり「与党連合」V.S.「野党連合」という形です。
 そして与党は「今の内閣」を、野党は「次の内閣」を組織するというわけです。

 ちなみに現在、ネクストキャビネットでは個々の政策・問題点について与党の政策と自分達の政策を比較検討し、公表すると いう計画はありません。今はあくまでも民主党内部のスキルアップを目標にしているとのことです。

 実際に私も民主党のある議員に提案をしましたが、金融法案で民主党案を丸呑みした自民党がその後支持率を堅調に伸ばした 痛い経験があるために、下手に政策を公開してはその政策だけを取られて政権交代が遠くなることを懸念しているようです。
 確かに韓非も「説難」という一篇をさいてまで進言の難しさについて語っている。上記の事柄に当てはまる言葉といえば、 「表向き名君顔している腹黒い君主に利益の上げ方を説けば、意見だけを取り入れられあとは無視される」の一節でしょう。
 つまり、「表向きクリーン面している政治家に献策をすれば、その策だけ取り入れられあとは知らん振り」というわけです。

 確かに当時、テレビで金融関係の議論になるたび、当時民主党代表でシャドゥキャビネットの提唱者であった菅氏は、ことある ごとに「あれは民主党案の丸呑み」と口をすっぱくして言われていたのが思い出されます。

 しかし、だからといって何も行動を起こさなかったら(少なくとも公開しなかったならば)、その党内スキルアップという存在 意義はともかく、国民からはすっかり忘れられてしまうでしょう。それでは自民党の対極に民主党を置くことも、また政権交代に 現実味を帯びさせることも不可能です。

 そこで私は一つ、提案したい。
 具体的な社会問題に関しては、その解決策を導き出すために党内で勉強会を開き、個々の分野でのスペシャリストを育てていただ きたい。

 しかし世間にその存在を知らせることがなければ全く支持には結びつかないから、ネクストキャビネット独自に予算編成 案を作るのです。そして自民・与党案と対比させる。
 表の内閣は省庁の縦割り・縄張り意識が強く、民主党案のほうが仮に優れていたとしてもそれを何食わぬ顔で取り入れることは 不可能です。
 予算編成ならば、民主党は自民党にパクられることなく、国民に提案することができるわけです。
 そのさい、民主党が編成した予算のほうが規模が小さく合理的で、財政再建にも繋がるとなれば、国民の支持が一斉に集まる可 能性を秘めていると私は考えています。

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