昨日投票が行われ、本日未明に結果が出た衆院選について考察します。
◆選挙予測と結果
ずばり、管理人予測と結果をまず比べることにしよう。すべてはそれからである。
グレーの部分が管理人予測、ブルーが実際の議席である。
| 与党 | 野党 | その他 |
| 自民党 | 公明党 | 保守党 | 民主党 | 共産党 | 自由党 | 社民党 | その他 |
現議席 | 267 | 42 | 21 | 96 | 26 | 18 | 14 | 15 |
小選挙区 | 150 | 20 | 5 | 105 | 10 | 3 | 1 | 6 |
比例代表 | 60 | 25 | 2 | 51 | 30 | 8 | 4 | 0 |
合 計 | 262 | 212 | 6 |
小選挙区 | 177 | 7 | 7 | 80 | 0 | 4 | 4 | 21 |
比例代表 | 56 | 24 | 0 | 47 | 20 | 18 | 15 | 0 |
合 計 | 271 | 188 | 21 |
まず言える事は比例代表のほうが遥かに予測しやすいということである。これは地域経済分科会様の予測を見ても明白である。
逆に小選挙区はその地域地域の事情に精通していないと予測が難しいため、正確な予測をするためには非常に多くの労力を
必要とする。
それでは順番に見ていこう。
まず小選挙区では思ったよりも自民党が有利であった。私は都市部では民主党がもう少しひっくり返すのではないかと期待したのだが
これは期待で終わってしまったようである。
また誰も予測しなかったことではあるが、公明党の苦戦は予想外であった。自公保の枠組みに対する国民の反発が窺える。
また小選挙区が巨大政党に有利に働き、その他の少数党が駆逐されるのではないかと考えたが、癖のある面々は小政党でも順当に小選挙区で
勝利を挙げたため、その他の欄では大きく値が異なっている。
比例代表では大よそ予測に近い数値であったが、自由党、社民党の躍進には驚かされた。
自由党は確かに小沢党首の人気によって一定の得票があっても不思議ではないが、社民党はフェードアウトしていくと考えていたため、議席が
伸びたことは意外であった。理由は土井氏復帰が挙げられるだろうが、それだけでここまで議席を伸ばせられるか疑問であり、他の要因を現在
調査中である。
合計では、与党の誤差9は許容範囲内であるとも思えるが、内容があまりよくないのは認めざるを得ない。
野党の予測は完全にはずれてしまったと言えるだろう。
ちなみに地域経済分科会様の予測は小選挙区で数値がかなり異なっているため合計は合わないが、比例代表ではピタリと当てている。これはやはり
労力の問題であり、個人レベルの分析の限界なのかもしれない。
逆を言えば、大局を見る目は確かなものがあると言える。
◆国民の審判は何を意味するのか?
さて数字の話はこれ位にして、本題に入ろう。今回の選挙結果は何を意味しているのだろうか?
まずはっきり言える事は、自民党が比較的大きな崩れをしなかったのは、地方の投票率が高かったためと考えられる。投票率を地域別に見てみると、
北南関東と近畿で60%を割っている一方、その他の地域では辛うじて60%を平均で越えている。つまりきれいに大都市部と中小都市・地方都市部で
分かれているのだ。このために、都市部で強い民主党(自民党が利権を持っていないため)の得票が伸び悩む一方、地方では予算を持ってきてくれる
自民党が有利に選挙を戦えたという構図が浮かび上がってくる。
実際、東北、北陸信越、中国、四国、九州では自民党の得票数は民主党の1.4倍から2倍近くであるのに対し、他の地域ではほぼ同じか、若干民主党の
方が上回っているし、東京だけに限れば民主党の方が自民党よりも1.5倍近く票を得ている。
このことから分かるのは、21世紀の政権を決める選挙でも、これまでと同じように地域利益誘導型の政策を柱とする自民党支持が根強かったというこ
とである。
搾取する側の地方は自民党を支持し、搾取される側の都市部は利権とは距離をおいた民主党を支持するという構図は、日本の財政がもう少し追い込
まれないと変わりそうにない。
消極的ではあっても変化を望まない。これまで通りの枠組みで世の中がよくなることを期待する。これが国民の下した審判である。
地域経済分科会さんからのご意見(投稿日2000.6.28)(掲載日2000.7.2)