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ネパール

マニ車

マニ車です。
仏教の道具です。
筒になっているところにチベット密教のお経を書いた紙が入っています。
棒のところを握ってガラガラみたいに重しのついたひもを回すと太い筒の部分が回ります。
宗教的には一回転で一回お経を読んだことになるそうです。
テレビでチベットについてのドキュメントなどでチベットの人々がお寺に設置してある直径50cm以上のこれの大きなものを回しているのを見た事があるのですがこれはそれのレプリカなのかあるいは携帯用なのかわかりません。


カトマンズに着いたら相手の会社の人が「ちょっと状況が悪くなった」とか言って道路を無事に通行するためにと赤十字をかいた紙(ノートみたいな紙に赤いマジックで太い十字を書いただけの物)をフロントガラスに貼りまっしぐらにホテルに向いました。
途中走っている車はほとんど見かけませんでした。
無事にホテルに着くと暴動の波が来るから夜は外に出ないようにと案内の人に言われたのですが、そのうち泊まっているホテルの入り口に「何とかが発令されたので外に出ないように」との張り紙が出されました。
その何とかのキーワードの意味が辞書を持ち合わせていなかったので理解できず、状況が良くわからないまま夜を過ごしました。
家に帰ってからそのわからない単語を引いたら「外出禁止令」だったのです。
海外で状況が把握できないのはかなり落ち着かないです。
でもいろいろなところに行きましたがこういう騒動に巻き込まられる危険のあったのはこの一回だけでした。


山を見に行こうとタクシーをチャーターして朝4時ごろ起きてホテルでタクシーを待っているとかなりおんぼろの車が来ました。
確認すると予約した車でした。
しばらく走ってかなり急な坂道に差し掛かると我々の不安が正しいことが分かりました。
どうもクラッチが滑っているようなのです。
エンジンの回転音は上がるものの速度は上がりません。
何回か不安な思いをしましたが一応目的地に着きました。
そこで日の出を待つのだと言われました。
そうは言っても標高3000m以上はあると思います。
我々は普通の格好なのでかなり寒い思いをしましたが、ひたすら日の出を待ちました。
しばらくすると西の空がぼんやりと明るなり、とたんにヒマラヤ山脈のいくつもの雪に覆われたピークが横一列に朝日に照らされて忽然と現われました。
とても遠くですが一つ一つのピークは暗い背景の中にくっきりと見えました。
荘厳な一瞬でした。
数分後には朝日の中で背景も明るくなりさっきまでくっきり見えたピークは朝日の光の中にぼやけてしまい空と区別がつかなくなりました。


次にカトマンズを訪れた時の事ですがヘリコプターでエベレスト(チョモランマ 8850m)を見に行く事になりました。
朝6時半頃ヘリコプターに乗り込みます。
空を見ると一面雲で覆われています。
元空軍のパイロットが操縦士です。
気流が激しいので普通の民間の操縦士ではヘリコプターを操れないそうです。
上昇していくと突然視野が開け真っ青な空が現われました。
ひたすらどんどん移動していきます。
既に民家がなくなってからしばらく飛んだのに良く見ると所々に家が見えます。
山中の一軒家です。
どういう生活をしているのか気になります。
そのうち雪に覆われた表面が出てきます。
だんだん雪が深くなり地肌の起伏が全く想像できない、まるで夏の入道雲みたいにもくもくとした真っ白なマシュマロが折り重なっているような景色の連続です。
その内パイロットが酸素マスクを着けたのですがこちらには回ってきません。
そうですよね。
ただ外を眺めているだけですから必要ないです。
別に呼吸も苦しくないし。
標高5,500mまで来たと言われてしばらくするとあれがエベレストの頂上だと告げられました。
写真とかで見たことのあるあのエベレストの頂上がすぐ先に見えるではありませんか。
写真のように雪は飛ばされていてほとんど岩肌が露出しています。
これが世界の最高峰なのです。
確かに一瞬確認したのですが次の瞬間雲に覆われてしまいました。
エベレストの周囲は気流が激しく移動するためほとんどいつも雲に覆われていてその姿を見るのは大変難しいそうです。
唯一春先の朝早くが一番可能性が高いらしいのですがそれでも一瞬の内に雲に覆われてしまいました。
4,500mまで下降してホテルらしい建物あるところに着陸しました。
空気が薄いから絶対に走るなと忠告されました。
これからこのホテルで朝食を食べるのです。
このホテルは日本企業の資本で建てられ建築資材は日本から空輸されたそうです。
傍らに簡単な滑走路がありましたがシーズンには日本からチャーター機が来るそうです。
朝食を取るレストランはエベレストの頂上が良くみえるところにありましたが、我々がいる間、ほんの一瞬頂上が姿を現しましたがすぐに雲に覆われてしまいました。
なかなか見られないので希少価値があるのでしょう。

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