沖縄ツーリング


2000.04.29.Sat.
 深夜0:00きっかり。実家を後にして東名横浜町田ICへ向かった。人通りの少なくなった夜の街をゆっくりと駆け抜ける。またまたいつもの事だが、出発が夜というのは良い。
 旅への期待にはやる心が夜の静けさで適度に抑え込まれ、気分は急激にではなく徐々に秘やかに盛り上がってゆく。夜の闇に紛れて忙しない日常から抜け出し、見知らぬ地へと向かうその行為が何やら後ろめたささえ伴って旅人の心を高揚させる。そう、旅立ちだ!
 横浜町田ICで東名高速道路に乗る。那覇行きのフェリーが名古屋港を出るのが11:00の予定。7:00頃までに名古屋埠頭に着いていれば大丈夫だろう。名古屋まで行くのに4時間もあれば十分だろうと考えているが、今回はかなり余裕を持って0:00出発とした。それと言うのも、去年の九州ツーリングの際、御殿場−沼津間が事故により通行止めになってしまった為に足柄SAで足止めをくらい、折角夜中に出発したのが無駄になった経験があるからだ。去年のように自走で目的地に行くなら遅れても問題ないが、今回はフェリーに乗るので時間に余裕を持った。だが無用な心配だったようだ。今夜の東名は車も少なく、流れは至ってスムーズだ。むしろ寒さの方が問題だった。箱根の山に入る頃、寒くて体が固くなる。この辺りは高速コーナーが連続しThundeAceにとっては非常においしいシチュエーションなのだが、上半身が固まってお地蔵さん状態なのでリヤのトラクションがかからずペースが落ちる。Tシャツの上にトレーナーとスリーシーズンジャケットでは、全然寒さを防げない。沖縄ツーリングなので、防寒対策というものを完全に忘れていた。仕方ない、ここは常夏の沖縄に想いを馳せながらひたすら我慢。箱根の山を越えれば少しはマシになるだろう。
 と考えていたら甘かった(*_*)
 山越えしても寒いまんまで、特に浜名湖辺りが厳しかった。こう寒いとペースは落ちるし、トイレは近くなるのでSA毎に止まって体を温める為に休憩するので時間が掛かる。当初、名古屋まで3時間ぐらいと考えていたのが、結局名古屋に到着したのが6:00ちょっと前。5時間以上掛かってしまった。
 名古屋ICを降りた所でまた問題発生。ツーリングマップル中部遍を持ってくるのを忘れていたのだ。埠頭への道が判らない……。
 信号待ちの間に思案した結果、とりあえず自分の位置を把握する事にする。幸い名古屋駅方面という看板が目に入ったので、看板通りに名古屋駅へ行きそこを起点とする事にした。それから駅前のコンビニに飛び込み地図検索をする。名古屋駅から埠頭へ向かう通りの名称と交差点の名称を覚え、埠頭を目指す。おっと朝食のパンとお茶を買うのを忘れずに。コンビニって便利だね。<--地図買えよ
 フェリー埠頭に着いたのが7:30頃。流石にまだ受付も開いてないし、乗客の姿も見えない。一番乗りであった。受付開始は9:00頃だろうと思うので、ちょっと近くをうろついてみる。適当に道を走っていると、看板の「熱田神宮」という文字が目に入る。速攻で神宮にお参りする事に決定。30分後には神宮の境内にいました。
 念の為に書いておくが、オイラは尊皇主義という訳ではありません。ただ、寺や神社といった所の雰囲気が好きなのである。だがしかし、願掛けに弱いオイラはしっかりお参りもするのであった。<--交通安全を祈願する所じゃないって
 今回の旅の無事を祈り、フェリー埠頭に戻ったときは9:00ちょっと過ぎ。丁度良い時間だ。受付も開いていたし、バイク置き場にもオイラと同じ沖縄ツーリングと思われるバイクが数台止まっていた。しかし、肝心のフェリーが見あたらない。どういう事じゃ?
 受付で訊いてみると、フェリーの入港が遅れているとの事。沖の天候は良くないらしい。因みに今日の名古屋の天気は、ピーカンの快晴。オイラの南国旅立ちを祝福するかの如き真っ青な空がどこまでも続いている。暑くてトレーナーなんか着てらんないくらい。まぁ、入港の遅れは1時間程だという事なので、ここは焦らずにのんびりと構えている事にする。
 待っている間、バイク置き場にて他のバイク乗りと話をする。その時知り合ったのがこの二人。静岡から来たアフリカツインの高田さんと、長野から来たKDX125SRの清水さん。
 高田さんは沖縄には何回か行った事があるそうで、沖縄の事に詳しく離島へ方法など色々教えてもらう。  清水さんはオイラと同じく、沖縄初体験。高速に乗れないので、夜中に松本からひたすら山道を走って名古屋に来たそうだ。やっぱり寒かったらしい。ところでこの清水さん、実はビューエルも持っているそうでKDXはセカンドバイクとして衝動買いしたそうな。ビューエル持ってるとは、相当な好き者ですな(フフ


名古屋埠頭のバイク置き場。清水さんと高田さんとオイラの3人でダベリング。

 しばしデジカメで写真撮ったり、3人でダベリング。そうこうしている内にフェリーが入港してきて、乗客が降りてきた。中にはバイク乗りもいて、挨拶を交わす。「今日は暑いですねー」とか言ってた矢先に、「やっぱりこっちの方はまだ寒いですね」とか言われて目の前でトレーナーを着込まれる。思わず笑っちゃう。やっぱ沖縄は暑いのかー。
 埠頭で待つこと数時間、ようやく我々の乗船の時がきた。フェリーに乗るときは大体バイクが一番最初に乗れるのだが、今回は一番最後だった。最後だと2等客室の場所取りが出来ないと思っていたのだが、このフェリー「飛龍」は二等も寝台になっており、一つのコンパートメントに4つのベッド割り当てとなっていた。これは有り難い。考えてみれば名古屋ー沖縄間の航行時間は41時間。丸二日フェリーに乗っている事になるので、これでザコ寝は厳しい。フェリー予約の時はそんな事全然考えていなかったのだが、うれしい誤算であった。しかも、先程の高田さん、清水さんとも同じコンパートメントである。幸先良いですな。  但しこのフェリー、お風呂がありません。各コンパートメントには小さなユニットバスがあるが、それだけ。共同の大浴場のような物はありません。やっぱり暑いせいか、沖縄の方ではお湯を張った浴槽に浸かるという習慣はあまり無いのでしょうか?
 自分の寝台にて楽な格好(ジャージとTシャツ)に着替えていると、フェリーが動き出した。結局、予定より1時間半遅れて「飛龍」は名古屋港を出発した。一安心したオイラは、夜通し走った疲れからそのまま眠ってしまった。
 目が覚めたのは夕方頃。すっかり熟睡して夢も見なかった。腹が減ったので同室の人達と食堂で飯を食う。メニューはそんなに多くなかったが、ソーキそばとか沖縄独自の物もあった。しかし、そういった物は沖縄に着いてから食べたいのでここはガマンして、無難にカツカレーで済ます。食後はシャワーを浴びてまた寝てしまった……。
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