北海道・東北ツーリングU


2001.08.08.Wed.
 5:00起床。睡眠もバッチリ。
 チャッチャとテントを畳み、出発準備が整ったのは6:00ちょい過ぎだった。早朝の快走を楽しむべく、早々に出発する。
 R7を一旦、象潟方面に戻り、通った県道58号をちょっと戻って県道131号に入った。ここは鳥海ブルーラインという名がついており、ツーリングマップルでもオススメラインが書かれている。さてどんな道だろうか。期待して走ってみると、これが本当にスゴイんです。海から鳥海山の5合目まで一気に登る道で、坂の傾斜がキツイ。しかし走り辛くはなく、コーナーも楽しめる。だがそれ以上にスゴイのは、日本海を見下ろす眺め。海からすぐに標高1,500メートル近くまで登るので、日本海が遠くの方まで見える。5合目展望台に着く前に、思わずバイクを停めて見入ってしまう程の景色だ。
 早朝という事もあり5合目展望台も人は少なく、僅かにこれから鳥海山に登る登山者がいるのみ。天気も良く、山の向こうから顔を出した太陽が身体を暖める。今日も暑くなりそうだ。
 鳥のさえずりを聞きながら、しばしのあいだ雄大な眺めに魅入る。残念ながら海に方はちょっと霞んでいるのだが、それがなかったらさぞかし絶景だろうと思った。水平線が遠く、遠ーくの方に見え、海がこんなに大きく見えたのは初めてだ。ここも絶対オススメしたい場所の一つだな、ウン。しかし5合目でこれなのだから、鳥海山の頂上からの眺めは一体どうなるんだと興味が湧く。これは機会があったら、一度登ってみたいな。
 写真を数枚撮ってから、山を下りる事にした。しかし、下りは傾斜がきついのでフロントに負担が掛かり、ちょっと気を使う。それでも無事に山を降りて、西浜のすぐ近くに出た。
 R7で海沿いに南下して、酒田へ向かう。9:00前には酒田に到着。酒田駅の近くのコンビニでパンを買って朝食にした。どうでもイイ事だが、この辺りではヤマザキデイリーストアをよく見かけるのだが気のせいだろうか? デイリーストアはこの辺りが主勢力圏なのかな?
 酒田駅前には「祝、酒田高校甲子園出場」の大きな横断幕が掛かっており、世間では高校野球の時期なんだな、などと考えたり。不意に鳴き出した蝉の鳴き声と、青い空で夏真っ盛りだなぁ、などと感じたり。今年の北海道、東北地方太平洋側は曇りがちで、なんだかパッとしない天気が多い。気温も低めで涼しいぐらいだったので、なんとなく物足りない気分だった。しかし山形まで南下してくると、流石に暑くなるようだ。やっぱり夏はこうでなくっちゃね。
 さて、ツーリングマップルを見ながら今日はどうしようかと考える。いつまでもバイクにトラブルを抱えたまま走るのはちょっと不安なので、今日こそはサンダーエースをバイク屋に看てもらいたい。そこで、先日ネットで調べたYSP山形西がある山形市へ行く事を最優先とした。バイク看てもらうのにどれだけ時間が掛かるか判らないから、他はその後考えよう。では出発!
 酒田市の観光もしたかったが、早めにバイク屋に行きたかったので今回は諦めた。またの機会に酒田に寄ろう。
 R112で南下し、鶴岡に向かう。鶴岡市街に入ると市役所の前を通るのだが、その近くに大宝館と藩学校がある。観光していきたい気分に駆られたが、ここはグッと我慢して通過した。戻ってきたときに寄ればイイや。
 鶴岡市街を抜けR112で南下し、一路山形市へ。この道は山形から酒田方面に抜ける幹線道路なので車が多かったが、流れはまぁまぁ良かった。それでも峠越えではバスやトラックに引っかかってペースが落ちる。それから月山トンネルを抜けた途端、天気が悪くなった。雨は降らなかったが曇っていて、空には一面に灰色の雲がかかっていた。
 山形市に着いたのは11:00頃。距離の割には、結構時間掛かったな。どこにも寄らずにYSP山形西へ行ったのだが、ここで思わぬ事態に遭遇する。なんと店が閉まっている。「8月8日、9日は都合により休業します」と貼り紙があった。……お盆休みか。ああ、なんてこった! ちゃんと木曜日が定休日だという事をネットで確認しておいたのに。こんな事なら電話で確認しておくべきだった。これはオイラの落ち度だな。ガックリと肩を落とし、途方に暮れたオイラは取り敢えず霞城公園で休む事にした。
 考えた末、取り敢えず140km/h程度で走行する分には何ら支障はないようなので、このまま走り続ける事にした。気落ちしてしまったのでどうにも市内観光する気になれず、霞城公園を散歩したにとどまった。なんだか天気も良くなくて、曇っているのにやけに蒸し暑いし……。
 この後どうしようか考えたが、結局、鶴岡まで戻る事にした。時間はちょうど昼頃だったので飯を食おうと思ったのだが、この辺りの名物の食べ物を探す気にもなれず、たまたま見つけた吉野屋に入った。牛丼なんて久しぶりだなぁ。
 腹ごしらえの後は鶴岡へ向かう。R458で北上し、寒河江でR112に合流して来た道を戻った。月山トンネルを越えると、山形側は曇りだったのに日本海側は快晴だった。暑い。
 しかし、帰りは車の抜きどころも判っていたので速いペースで走れ、13:30頃には鶴岡まで戻ってきていた。こっちは本当に天気が良くて夏らしく、少し元気も取り戻した。バイク屋に看てもらう事が出来なかった分、今日は観光でもして楽しもう。
 バイクは大宝館前の歩道に停め、歩いて市役所周辺の観光をする。庄内藩校・致道館と大宝館、庄内神社、鶴岡カトリック教会天主堂を見て回る。どれも見学は無料だ。
 鶴岡はそんなに大きな街ではないが、落ち着きがあって良い街だ。観光名所が市役所周辺に集まっているのも、雰囲気作りに一役買っている。
 鶴岡の観光をした後、今後どうしようか考えたのだが、どうも内陸部に入ると天気が悪くなる傾向があるのでこのまま日本海を見ながら走ろうと決める。再びバイクに跨り、鶴岡を後にした。R345で南下する。湯田川温泉手前で給油し、R345で更に南下。鬼坂峠、楠峠を越えたところで県道44号を行き、山を越えて海沿いに出る。ここからR7をを海沿いにひたすら走る。  勝木でR345に入る。ここから先の海沿いは、「笹川流れ」と言って巨岩、奇岩が見られる景勝地となっている。道は細くて追い越し禁止な上に、こんな時に限ってパンダが前を走る。ハッキリ言ってウザい。こんな誰も違反しそうにない所を、わざわざパトロールするなんて仕事サボってるようにしか思えないんだけどねェ。ま、ここで文句言ってもしょうがないし、折角の良い景色なのだからパンダの期待するような高速運転はしないで、トロトロの制限速度−10km/hぐらいで景色を楽しみながら走る。海も綺麗で眺めも良いので、たまにパンダに対する当てつけとして、スタンディングで海の方を見ながら走ったり(余所見運転)。あ、でも本当に景色は良かった。但し、所々に海水浴客が路駐をしていたので注意が必要だったけど。
 笹川流れも過ぎて村上市まで来ると、途端に交通量が増える。特にトラックが多い。しばらくトラックの後ろで低速走行を強いられるが、新潟市に入ると道路は二車線となりそれまでの鬱憤を晴らすかのように、次々に車をパスした。
 R7と合流すると更に車が多くなり、交通は東京近郊のような状況になる。車のクーラーによる廃熱に襲われて、走行中にもかかわらず暑苦しくなる。これにはちょっとウンザリした。交通状況の悪化と、時間が遅くなった(この時点で17:00過ぎ)事から、今日は新潟でビジネスホテルにでも泊まろうと思った(負け1)。どうも、オイラは都会に来るとヤル気が失せてしまうようですな(都会嫌い)。
 とりあえずJR新潟駅の北口にバイクを停め、本屋を探す事にした。ビジネスホテルの情報を得るために、「るるぶ」を探すためだ。しかし、駅周辺を歩いてみても本屋が見つからない。歩き回って汗だくになり、水分補給の為に入ったコンビニで「るるぶ」を発見した。バイクの所に戻って、「るるぶ」に載っているビジネスホテルに電話を入れたのだが、どこも満室。平日なのになんでだ? と思いつつ電話をかけまくって、一軒だけ空きがあるところを見つけてそこに予約を入れた。すぐにホテルへ向かいチェックイン。そこは駅の反対側なので、繁華街へ行くには線路をまたがなければならないが、バイクは屋根の下に置けたので良かった。チェックイン後シャワーを浴びて汗を流し、腹ごしらえの為に良い店はないかと先程買った「るるぶ」を見て判ったのだが、新潟市の繁華街は駅から少し離れていて万代橋を渡った海側の古町の辺りらしい。道理で、駅前にはビルは沢山あったが本屋が一軒もない訳だ。そこで、早速古町方面へ行く事にする。この時は歩いて行ったのだが、駅の反対側に出て万代橋方面に向かった時に思わぬ物に出くわす。駅前の大通りに交通規制がかかっており、大規模な民謡流しが行われているではないか! なんと、今日は新潟祭の日だったのだ。またもや偶然で祭りの日に当たってしまった。しかし、これは良かったかも。後で知った事だが、新潟祭りは8月7、8、9日の三日間に渡って行われ、一日目は御輿担ぎ、二日目が民謡流し、三日目が花火大会となっている。この日行われた民謡流しは、本当に市民が参加して楽しむ行事のようで、青森のねぶた祭のように沿道に観光客が押し寄せるような状態ではなく、踊りを見ながらゆっくりと万代橋を渡って楽しむ事が出来た。
 しかし、民謡流しばかりに気を取られて、肝心の食事ができる店を探すのを忘れていた。もっとも、祭りのお陰で殆どの店は休業しており、開いているのは駅前の飲み屋ばかりという状態だったが……。結局、夕飯は駅前の立ち食いそばで済ます事になった。それでも一応、腹ごしらえは出来たし、ホテルに戻って床につきました。
戻る 次へ


ツーリングレポートのトップへ戻る