| 2001.08.09.Thu. | |
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7:00起床。やっぱりホテルに泊まると朝遅くなってしまうな(苦笑)。窓の外の天気は曇りだ。 TVをつけてNHKのニュースを見ると、天気予報では新潟は雨となっている……。ナニ!? もう一度カーテンを開けて外を見てみるが、雨は降っていない。曇ってはいるけど。どうなっているんだ? と思いつつ、身支度を整えて出発する事にした。降ってないんだから今の内に出ようと思ったのだ。 チェックアウトは 8:00ちょい過ぎに済ませ、バイクに荷物を載せてさぁ出発だ、というところで突然雨が降り出した……。もう、これだけでゲンナリ。ここ数日、日本海側は天気が良かったのに、遂に来たかってカンジ。幸い、バイクは屋根のある所に停められていたので、雨宿りをしつつゆっくりと雨装備を装着していった。 昨日の晩までは、折角新潟まで来たのだから佐渡島に渡ろうかとも考えていたのだが、あいにくの天気なので次の機会にしよう。 雨具を着込んだ後も、しばらく雨足が弱くならないかと待っていたのだが、一向にそんな気配は見られないので仕方なく出発する事にした。 駅の反対側に出て万代橋を渡り、R116で市街地を出て、R402で海沿いに西へ行く。この時、対向車線のトラックが盛大に撥ねた水を頭から被り、またもやゲンナリ。どうしてトラックやバン、3ナンバーの4駆とかは、雨の日に限ってスピードを出すのだろうか。雨だからこそ、安全運転をしなければならない筈なのに。どうも、最近の車のドライバーは運転が荒くてマナーが悪いのが多いような気がするのだが気のせいだろうか? 雨やマナーの悪い車のお陰で機嫌を損ねつつも走り、寺泊まで来た頃には雨も小雨になっていた。時間は10:00ちょっと前。寺泊アメヤ横町で止まり、朝飯にする。ここには海鮮物を扱っている店が建ち並び、寺泊港で水揚げされたカニや魚を売っている。その内の一つの店で浜焼きを買って食べる。浜焼きとは、イカや魚など、何でも串に刺して丸焼きにしてしまうもの。ハマグリとサザエ、イカを一本ずつ買い(各\250)食べたのだが、ネタが新鮮なだけに美味い。特に新鮮なイカの丸焼きはオススメだ。 腹が落ち着いたところでツーリングマップルを取り出し、今度の事を考える。もう東北地方を抜けてしまって、勢いで新潟まで来てしまったがどうしようか。東北ツーリングを続けるために福島を目指すにも、ここからでは距離が結構ある。合図方面に抜けるには奥只見の方に行く事になるが、その辺りは以前に行った事がある。このまま日本海沿いに走り続けても良いが、東京から離れていく方向になってしまう。12日には、コミケに参加すべく東京に戻っていなければならないので、高速道路を使うことになってしまうだろう。EXUPが動かない状態で高速に乗るのは不安だ。今からバイク屋に看てもらうにしても、3日で直るか判らないのであまり遠くまで行きたくない。ウ〜ム、そろそろ相模原に帰るか。本来なら、バイクにトラブルが出た時点で切り上げるべきなのかもしれないが。よし、帰ろう! 今日帰れば、コミケ前にバイクの洗車や身体休めも出来るだろうし。 では、どこか切りの良いところまで走りたいな。そこで再び「日本一周バイク旅4万キロ」を取り出す。確か、賀曽利さんが西日本編と東日本編をつなぐポイントを、この辺りにしていた筈だが……。調べると、新潟県と富山県の境近くにある親不知という所を接合ポイントにしていた。ここを通るR8は、断崖絶壁に張り付くように走る険しい道らしい。ウム、ロングツーリングのラストには相応しい場所じゃないか。決めた、親不知を今回のツーリングの終着点にしよう! 目標が出来たことでヤル気満々になり、再び走り出した。R402を西へ。 空は相変わらず厚い雲に覆われているが、雨は殆ど止んでいた。車も少なく、快適な速度で走れる。右側にはすぐ海が見えるので、天気が悪くとも海大好きライダーのオイラは楽しく走る事が出来た。柏崎でR8に合流する頃には、雲の隙間から青空が見えるようになっていた。しかし、R8は交通量が多くペースが上がらない。そこで一本海側の道である県道129号に入って、上越方面に向かった。この道は住宅地を通る裏道みたいな所だが、車は少なくそこそこのペースで走れた。11:30頃には上越市に入り、JR直江津駅前に到着していた。折角だから少し上越の街を見ていこうと思い、昨日買った「るるぶ」を見る。駅にほど近い、五智国分寺を見に行く事にした。バイクで行けば五分程度の所にあり、親切な事に鳥居の前に観光客用の無料駐車場まであった。ここでバイクを停め、雨具を脱ぐ。いい加減、蒸し暑くてしょうがなかった。 寺の方は、まぁなんだか寂れた感じで特に見るところもないか……。見方を変えれば、静かで落ち着いてて良いかも。ずっと雨具を着てて汗だらけになったので、ここの茶屋でしばし休憩した。時間はちょうど12:00。ジュースを飲みながらマッタリしていると、茶屋のおばちゃんが「良かったらどうぞ」と、上越市の観光パンフを数枚差し出してくれた。折角だからと眺めていると、春日城跡のパンフが目にとまる。そうか、上越は上杉謙信の居城があったところだっけ。よし、春日城跡に行ってみよう! とその前に、今日で帰るのだからお土産を買っていかなければ。この後、お土産を買えるような所があるか判らないから。茶屋にはお土産用のお菓子も売っていて、地元の名産「翁飴」を買っていく事にする。これは寒天と砂糖を固めた物で、ゼリーのようなお菓子。ちょっと黒砂糖飴のような味がする。会社と鉄龍研と実家の家族の分で、12個入りを二箱買った。ようし、春日城跡に行こう。 五智国分寺から春日城跡へは県道56号で少し南へ行き、R8を横切ってちょっと行ったところを右折すると春日城跡へ通ずる。細い道を登っていき、春日山神社前の駐車場にバイクを停めた。長い石の階段を登って神社の境内へ入ると、小さな子供達が沢山遊んでいた。どうやら近所の幼稚園の子供達が、遠足(?)で来ているようだ。バイク乗りの恰好が珍しいのか、子供達がこちらを指さしたり寄ってきたりする。このぐらいの子供でバイクに興味を示す子は、たいてい仮面ライダーだと思うんだよな。それでも、バイクの事を好いてくれるのだから嬉しいではないか。 子供達に「こんにちわ」と挨拶をしてから、春日山神社の本殿に行き参拝する。その後、春日城跡の案内図を見たのだが、天守閣跡へ行くには結構な山道を登らなければならないらしい。流石、戦国時代の英雄として名を馳せた謙信公。その城も攻めにくい山の上に建てたという訳だ。しかし、これは結構疲れそうだ。ハイキングコース程度らしいが、今回はパスしよう……。<負け犬 再びバイクに乗って春日山を後にし、R8で西へ向かった。上越市を出て能生町に入ったところで、道の駅能生に入る。ここにはカニヤ横丁というものがあり、カニ屋さんが10件近く軒を並べている。ここでズワイ蟹を買おうと思ったのだ。今の時期だと、一匹\700〜\2,000ぐらいで、\700だと身が小さくて味噌も少なそうなカンジ。\1,000ぐらいのが身が詰まってて丁度良い感じだった。そこで\1,000ぐらいのを3尾買って実家に送ることにした。送料込みで \5,000ちょっと高いな。寺泊でもズワイは売っていたが、そっちの方が安かったかもしれない。そこで \700クラスの小さいやつも3尾おまけにつけてもらった。更にもう一尾買って、昼飯代わりにその場で食べる。うん、美味い! やっぱりカニは取れたて、茹でたてが一番だね。カニだけで結構腹一杯になった。そして、今度こそ親不知へ向けて出発。終着点はもうそろそろだ。天気も晴れてきた。もうひとっ走りだ! R8を西へ走る。前方に、日本海に突きだした北アルプスが見えてくると、先程まで併走していた北陸自動車道の高架が内陸方向に曲がり、トンネルに吸い込まれる。国道はそのまま崖に沿うようにして登り坂になった。この道はホントに凄い。崖に沿ってクネクネ曲がっている上、右側は断崖絶壁で迫力がある。惜しむらくは、道の殆どがトンネルや覆道になっているのであまり景色が見えない事だ。それでも、覆道の柱の間から見える日本海の眺めを見ると、とても険しい場所に道がある事が判る。 トンネルとトンネルの合間に天険親不知という展望所があったので、そこの駐車場にバイクを停めた。そして歩いて展望所まで行く。そこからの険しい断崖と遠くまで続く日本海に広い空を見て、ようやくたどり着いたという気分になった。ここが今回のツーリングのゴールだ。長いようで、アッと言う間だった13日間の道程が思い出される。北海道からここまで随分走ってきたなぁ。北海道はジャケットを羽織っても少し涼しいくらいだったけれど、ここはTシャツ一枚でも暑い。縦に長い日本列島を走り、気候の違いを徐々に感じてきた。しかし、これでも日本の半分も走っていないのだから、日本は決して狭くなどない。そう、間だ走っていないところは残っているのだ。分割日本一周の目標達成には、あと紀伊半島と北陸地方が残っている。次回のツーリングではその残りを走り、再びここへ戻ってくるつもりだ。また来るからな、親不知! と心の中で誓い、展望所を後にした。 さぁ、家路につこう。そう思うと、急に相模原が懐かしく感じて早く帰りたくなってくる。バイクに跨り走り出した。とりあえずR7を西に走り、富山県に入ったところですぐに左折して県道115号に入った。この道はツーリングマップルでオススメ道になっていたので、青海市に戻るついでに走ってみる事にした。ツーリングマップルには「日本海に肉迫」と書いてあるので、峠からもう一度日本海が見られるかと思ったのだ。しかし、上に登るにつれて霧が出てきて、峠では殆ど何も見えなかった。残念。でももう一度来るのだから、その時見られる事を期待しよう。 時間は16:00近くなっていたのでちょっと急いで峠を下り、R8との合流で右折して青海市に向かった。青海でR148に右折し、内陸に入って行く。しかし、この道がまたスゴい。松本方面から日本アルブスをブチ抜いて日本海側に出る幹線道なので、片道一車線にもかかわらず車やトラックが沢山走っている。しかも、道の殆どが覆道なので追い越しもできない。それなのに、トラックの後ろで黒い排ガスを浴び続けて走らなければならないという、拷問に近い仕打ちを受ける。むわ〜、本当にトラックの排ガスは何とかならんのか!? 結局、我慢できずに途中でトラックをごぼう抜きにしたが、あのままトラックの後ろを走り続けてたら、一日で肺の中が真っ黒になっただろう。そのぐらい非道いので、バイクではあまりオススメ出来ない道です。 R148で白馬を通過。この辺りは懐かしいなぁ。小さい頃、よく両親に連れられて山登りしに来たものだ。白馬温泉の辺りで硫黄の臭いをかいだときは温泉に入っていきたくなったが、下道で相模原まで帰るから寄ってる時間はないと思い諦めた。ひたすらR147で松本を目指す。しかし松本に近づくにつれて車の数が増え、ついには渋滞になってしまう。R147は松本近くでは幅の狭い片道一車線になってしまうので、すり抜けもできない。それでも、暫くはおとなしく車の後についていたが、その内我慢できなくなって迂回路を通る事にした。梓川手前で県道48号に入り、更に広域農道を行く。アルプスグリーン道路と名付けられたこの道はガラガラ。気持ちよく飛ばすことが出来た。広域農道からR19に出るとちょうど塩尻IC手前でに出た。この時既に時間は19:00過ぎ。下道だけで今日中に相模原に着くのは難しいかな、と思い始める。しかし、そのままR20で南下して甲府方面へ。だが、諏訪で再びトラックに捕まり、なかなか前に出られない。街中の信号待ちでトラックの前に出るも、暫く行くとまた別の車の集団に捕まる。数台の車がダンゴになっているのがちょこちょこ出てきて、結構イライラする。大体、トラックかバス、軽自動車に引っかかってる。その内、諏訪の街も通過して田舎道になる。信号がなくなって車も少し減るのだが、街灯が全くない山道でカーブがよく見えず、やっぱり前のトラックを抜けない。コマッタもんだ。 しかし、このように平日の夜に幹線道を走ってみると、本当にトラックが沢山走っているのが判る。改めて、日本の道路は物流が主な目的とされているのだなと感じる。そのような状況では、道路でトラックが我が物顔をするのは当然で、横柄で危険な運転をする殺人トラックが減らないだろうとも思った。 結局、トラックの後ろを走りつつ甲府まで来てしまう。これはかなり時間が掛かった。諏訪から甲府まで1時間以上掛かっただろうか。これでまたもやウンザリ。甲府ではR20は片道2車線になっているので、ここでチャッチャと車をパスしてゆく。しかしここでもウンザリするもの目撃。マジェスティである。30後半か40代ぐらいの男性でマジェスティに乗ってる人がいたのだが、スーツ姿というところからして会社からの帰宅途中なのであろう。この人の運転がヒドイ。車が密集していたので車に囲まれた状態で流れに乗って走っていたら、こちらが気がつかない内に後ろに来ていて、しかもミラーの四角に入る程接近し、急に追い抜いていった。しかも同じ車線の中で。それから、車の間を右に左に縫って追い越ししていく。これにはオイラも驚き、そしてカチンときた。信号待ちで車の前に出て、青になったらマジェスティを追い越して暫く頭を抑えて走り、車が少なくなったところで一旦マジェスティを前に出してから一気に追い越してやった。 最近、排気量の大きなスクーターが流行っているようだが、どうもいただけない。大排気量のスクーターの利便性や存在異義は認めるのだが、乗り手が原付スクーターに乗っているのと同じ意識なら、無闇に危険を増すだけに過ぎないと思う。「何とかに刃物」な状態だ。特にその手合いは、スーツ姿のオッサンに多いような気がする。景気も低迷するよな、ったく。サルでも運転できる乗り物で、無茶して事故って死ぬのは事故責任の範疇だが、他人を、いや俺を巻き込むな! と言いたい。 なんだかこんなもの見て不愉快になり、また甲府から先、八王子までの甲州街道が再び片道一車線になってトラックに引っかかるのかと思うとゲンナリしてきたので、勝沼ICで中央自動車道に乗ってしまった。 EXUPが動かなくてパワーが出ないから心配ではあったが、EXUPを動かさない低回点でも十分に高速道路での車の流れに乗る事が出来た。ウム、流石にリッターバイクは余裕がある。逆に、普通のコンディションで普通に走っていたら、高速道路でも一般の車より遙かに速い訳で、そこで天狗になるとさっきのマジェスティと同じになってしまう訳だ。改めて自戒するのだった。 22:00ちょい過ぎ、八王子IC到着。R16で相模原へ向かい、23:00頃に実家に到着した。ああ、疲れた。荷物を降ろしてバイクにカバーを掛ける。お疲れさま、サンダーエース。今回は不調ながらも良く走ってくれた。後日、ちゃんと修理してやるからな。 その後、遅い夕食を取って風呂に入り、倒れるように床について眠りについた。また一つ旅を終えた充足感に満たされながら。 |
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