| 2001.08.05.Sun. | |
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午前0時。いまだ寝床の定まらない状態であったが、とりあえず用を足す為に道の駅「さんのへ」んに寄る。「疲れたなぁ、ここでビバークしちゃおうかなぁ」などと考えながらトイレからバイクの所に戻ると、同じ駐車場に停めてあったトラックの運転手(見たところ結構若く、二〇代半ば。眼鏡をかけていて、割とまじめそうな感じの人)がこちらにやってきて、「どうぞ」と缶コーヒーとペットボトルのアクエリアスを差し出した。条件反射で受け取ってしまったが(ォイ、 理由を訪ねるとその人も昔、北海道を自転車で旅した事があり「その時にバイク乗り達に色々お世話になったから」との事だった。デカイ荷物後ろに乗せて、寒そうに夜通し走っている県外ナンバーを見てツーリングライダーと判ったのでしょう。そして「旅、頑張って下さい」の一言。 か、感動だッ!!! こんなところで、またしても人情に助けられた。「情けは人の為ならず」とは言うが、本当にその通りだと思った。貰ったコーヒーはコールドだったけれども、心はとっても暖かくなりました。もう萎えかけていた気力が、ゲージマックス。「やるゼ俺は! 朝日を見るまで走ってやる!!」と意気揚々で出発したのだった。 R4を南下して再び岩手県に入ったところで、R395に入る。こんな時間だと、当然車は一台もなし。街頭もない山道だが、今夜は満月が出ていて明るい。思いっきりアクセルを開けて、ふわわkm/hで突っ走った。一気に赤石峠越えをした後は、道の駅おおのでトイレに寄っただけで久慈まで走りきった。 JR久慈駅に到着したのが、午前2:00前。うーん、頑張ったのはイイが早すぎたなぁ(^^; 久慈から南の陸中海岸は今回のツーリングで行きたかった所の一つなので、明るいときに走りたい。よってナイトランはここまで。しかし、今からテント張ってビバークってのは時間的に中途半端だ。どこかで時間を潰さなければね。 駅の待合室は使えないかなぁ、と思ったのだが戸締まりされてて中には入れなかった。ウ〜ン、待合室ぐらい使えるようにしてくれてもイイんじゃない? でも、夜中にヤンキーの溜まり場になると困るのか。実際、駅前のカラオケボックスらしいところでは、この時間でも数人の人間がたむろしてる(当然、見た目100%ヤンキー)。しかし、トイレすら使えないのはつらいな。 そうこうしている内に、寒さで用を足したくなってきた。仕方ないので、再びバイクに跨って走り出す。ツーリングマップるを見たら、R45を5kmほど南に行ったところに道の駅「のだ」があったのでそこへ行く事にした。夜中で道も空いてたので、30分もしないで道の駅に着いた。こちらのトイレは流石に開いていた。用を足した後、再び久慈へ戻る。だが、どうにも待ってるだけというのに耐えられなくて(せっかちな性質)、夜明け前に海沿いの道を走りだした。久慈から南にのびる小袖海岸沿いの、県道268号をゆっくりと走る。しかし、真っ暗で何も見えない(当たり前)。真っ暗な海が不気味でイイ感じカモ。しかし、あっという間に小袖漁港まで来てしまう。結局、ここで夜明けまでの一時間ちょっと、海を見ながら待っていた。東の水平線がうっすらと明るくなってきた頃、県道268号を少し戻って赤浜展望台まで戻った。ここで日の出を見ようと思ったが、残念ながら空は曇っていたので日の出は見られなかった。ウ〜ム、太平洋側はあんまり天気が良くないなぁ。 明るくなってから再び小袖海岸に沿って走り、険しい断崖と海面から覗く大小の奇岩を見る。小袖を過ぎて陸中野田でR45を左折し、南へ。普代で県道44号に入り、再び海沿いに。黒崎で一休憩する。ここの黒崎展望台からは、北にのびる陸中海岸を眺める事が出来る。ここの景色はオススメだ。 黒崎から再び県道44号を南へ。すぐに「北山崎」の看板が出てきたので、そこを左折。北山崎展望台で再び休憩する。ここからの景色は絶景だ。黒崎展望台からの景色も凄いが、こちらはもっと迫力がある。ここは絶対オススメ! 天気が曇なのでちょっと霞んで見えたのだが、陸中海岸の険しい断崖が幾重にも重なってのびる。これが見たかったんだよなぁ。 しばしの間景色を楽しみ、再び走り出した。R45を岩泉町に入る直前で左折し、鵜ノ巣断崖へ行く。ここでも北へのびる断崖を眺め、陸中海岸の締めとした。 R45を南へ行き、小本でR455に入って内陸に向かった。いい加減ツルツルのリアタイヤを交換する為に、盛岡へ向かう。去年も盛岡でフロントタイヤの交換をしたので、盛岡のレッドバロンならタイヤの在庫もあるだろうと践んだのだ。 道の駅「いわいずみ」で一旦止まり、みそパンを買って朝食にした。腹ごしらえをした後、再びR455を西へ。途中、岩泉で給油をした。 R455は小本港と盛岡を結ぶ幹線道だが、朝の早い時間という事もあってか車は少ない。山間を走る道で所々に小さな集落があり、のどかな田園風景を見ながら快適な速度で走る。天気は西へ行くほどに良くなっていき、いつの間にか快晴になっていた。やはり天気が悪いのは太平洋沿いのみのようだ。気温も上がっていき、ポカポカしてきて眠くなってきた。昨日、一睡もしていないのだから無理もない。しかし、早く盛岡に行きたかったので休憩せずに走り続けた。が、これはマズかったか、途中で意識が途切れ途切れになる。結構コーナーが多かったのだが、前を走る車にくっついていたお陰で道からはみ出ることもなかった。信号が全くない事も幸いしたようだ。だが、早坂峠を越えた辺りでトラブル発生。意識もはっきりしてきたので前車を追い抜こうとしてエンジンの回転を上げたところ、突然タコメーターの針が踊りだしたのだ! なんじゃこりゃ、と思いよく見てみると、針は 7,000rpmを指して1秒ほどした後 4,000rpmを指してすぐに 0rpmになり、1秒ほどしてまた 4,000rpmを指して再び 7,000rpmを指す。この繰り返しが行われている。恐らくヤマハ車に備わっている事故診断機能が働いており、4,000rpmは現在の回転数、7,000rpmが異常メッセージだろう。しかし、自己診断機能の7,000rpmは何を意味していたか忘れてしまった。焦って回転を落としたところ、しばらくすると針の動きは止んだ。一体、何が起きたのだろうか? もしかして出発前にエンジンが掛かりにくくなって、イグニッションコイルをノーマルに戻した事と関係あるのだろうか? この現象が起きた後、エンジンのパワー感が急になくなった。???一気筒死んだか? しかし回転にムラがあるようには感じない。それにトルクの出方に対して、回転の上昇が早すぎるように思える。イグナイタの故障でタコメーターの表示がおかしくなっているのか? 一気筒死んだ訳ではないのか? 心配になったが、低回転ではとりあえず走れるし盛岡も近いのでこのまま走る事にした。 10:00ちょい過ぎには盛岡に到着。去年、フロントタイヤ交換でお世話になったレッドバロンに直行し、タイヤ交換と先ほどの異常のチェックをしてもらう事にした。しかし、ここで思わぬ事態に。なんとレッドバロンは4月から、自社で購入されたバイクしか点検整備を行わないようになっていたのだ。オイラのサンダーエースはYSPつくば学園で購入した物なので、レッドバロンでは看てもらえないという訳だ。しかし事情を話したところ、見かねた店員の方がタイヤ交換だけはしてくれるとの事だった(それだけリアタイヤがツルッツルだった。ほとんどスリック状態!)。ウウ、助かります。それから無理ついでに、自己診断機能の 7,000rpmが何を指すのか調べてもらうように頼んだ。タイヤ交換は間もなく終了。因みに、タイヤの銘柄はダンロップのD220STにした。これはあくまで個人的な感覚だが、安定志向のハンドリングを示すサンダーエースにはダンロップの粘るようなグリップ感がマッチするように思う。ミシュランよりも良いんじゃないだろうか。 それから自己診断機能の 7,000rpmは「EXUP異常」との事だった。ウム、それなら合点がゆくかもしれない。回転の上昇が早いように思うのは、EXUPは開いたままで低速トルクが無くて無意識にアクセルを大きく開けているのかもしれない。また、EXUPが動き出す 5000rpm異常になると、EXUPが開いたままで動かないので自己診断機能が働くのだろう。そう言えば、心なしかエンジンが始動しやすくなった気がする。それまでは、アクセルを煽り気味にしないとエンジンが掛からなかった。EXUPが開きっぱなしで排圧が下がったので、エンジンが掛かりやすくなったのかもしれない。もしかして、出発前のエンジンが掛かりにくかった症状も、EXUP絡みだったのかもしれない。なんにしろ、EXUPのチェックをしなければならない。これは、YSP店でないとすぐには出来ないかもしれない。YSP店を探さなければ。 しかし、出発前に交換した点火系(プラグ、イグニッションコイル)の異常も考えられなくもないので、これもチェックしてみよう。とりあえずリアタイヤの交換は終わったので、会計を済ましてレッドバロンを後にする事に。その前に、店員に近くのコイン洗車場の場所を聞いてそこに向かった。一昨日、一日中雨の中を走っていたので、バイクが泥だらけになっていたから洗車しようと思ったのだ。 コイン洗車場に着いたら荷物を降ろし、バイクを洗う。因みに、今日の盛岡の天気は雲一つない快晴。荷物を降ろすだけで汗だくになってしまった。 とりあえず、泥汚れのひどいアンダーカウル、エンジン全面、ラジエター、フェンダー裏、リアサス周りを洗車機で洗う。車用の洗車機は初めて使ったのだが、泥汚れが見る見る落ちてゆく。ウーン、これは便利だ。しかしお湯と洗剤を高圧で噴射するので、グリス等の油分も一緒に流されてしまうからドライブチェーン、アクスル周り、スイングアームピボット、リンク周りにはかからないように気を付けなければならない。物によってはカウルの塗装にも良くないかもしれないな。 洗車機での洗車が終わってから、バケツに水を汲みコンビニで買った雑巾で丹念に水洗い。一応、見た目は綺麗になりました。その間、荷物や雨具も干しておいた。 洗車が終わった後、近くの公園で点火系のチェックをする。街中だと、公園ぐらいしか店を開ける場所がなかった。持ってきておいた工具でカウルとタンク、エアクリーナーボックスを外し、イグニッションコイルとその周辺の配線のチェックをしたが、異常なし。次はプラグをチェックしてみたが、焼け具合が変なプラグもない。ウ〜ム、点火系に異常はないようだ。やはり EXUPが動いていないんだな。しかし、点火系に異常が無くてちょっとホッとした。点火系の異常は放っておいたらエンジンを壊す恐れがあるが、EXUPが動いていないだけなら、低速トルクが細くなるだけで無理をしなければ走り続けられる。とりあえず、EXUPの点検が出来るYSP店を探すまでは自走できそうだ。 洗車と点火系のチェックで結構時間が掛かった。時間は既に16:00過ぎ。ま、タイヤ交換と洗車をしようと思った時点で、今日は殆ど移動できないだろうと思っていたので構わないのだが。とりあえず、EXUP異常でちょっと気力が萎えたので、今日は盛岡市内で一泊する事にする。家から持ってきていた「るるぶ」の岩手編(去年、盛岡で買った物)を見て、市内のビジネスホテルに電話し予約を取った。ちゃっちゃとホテルへ行ってチェックイン。シャワーを浴びてから着替え、晩飯を食いに街に出る。岩手公園の近くにある食道園という韓国料理屋に行き、そこでホルモン焼き一人前(\700)と冷麺(\850)を食べた。冷麺は初めて食べたのだが、これが結構美味くて気に入った。細くて腰があり、さっぱりした麺と冷たい辛味の汁にキムチという組み合わせが非常にマッチしている。うーん、これは帰ってからも冷麺食べられる店を探そう。 腹一杯になり、焼き肉と冷麺で汗をかいたので散歩がてら岩手公園へ。盛岡城本丸跡で、盛岡の夜景を見ながら涼む。その後、ホテルに戻ってツーリング日誌を書いてから床についた。 |
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