TOP > Professor Layton vs. Phoenix Wright: Ace Attorney解説&小ネタ ナルホド
えー。
パン屋のナルホドー‥‥ですッ!

Phoenix
My name is Phoenix Wright, ace baker!

海外では逆転裁判シリーズは「Ace Attorney(直訳だと「名弁護士」)」というのだが、それにひっかけた「ace baker(名パン屋さん)」とローカライズされている。

この後のジーケン初登場アニメムービーでは「ジーケン! ジーケン!」コールが起こるが、英語版ではZacharias Barnhamという名前なので、「バーナム! バーナム!」コールに。

ジーケン
検察士、ジーケン・バーンロッド。
‥‥この、切っ先にかけて。

Barnham
I, Inquisitor Zacharias Barnham, am indeed
prepared to do battle, My Load!


英語では、弁護士や検事などから裁判長への呼びかけに「Your Honour」という語を用いる。
今作の序章、ロンドンの法廷では皆「Your Honour」と言うが、ラビリンスシティの住人は「My Load」とか「Milord」という呼びかけをする。
PhoenixやLaytonはラビリンスシティでも「Your Honour」のまま。

ここはボイス入りだが、「Zacharias Barnham」は「ザカライアス・バーナム」という感じの発音に聞こえる。

ジーケン
まずは、名乗りを上げるがいい。
‥‥青き弁護の騎士よ。

Barnham
Now then...
State your name, Sir Blue Knight.


この後、パン屋だと判明してからは「青きパン屋の騎士」と呼ばれるが、英語版だと「Sir Apprentice Baker(見習いパン屋の騎士)」
なお、オジサンが登場したあたりから、また「Sir Blue Knight」に呼び方が戻る。

マヨイ
なるほどくん。
浮いてるよ! 悲しいほどに!

Maya
Nick, quit with the long face!
You look miserable!

英語版だと「なるほどくん、そのさえない顔をやめなよ! みじめだから。」

カイック
ワシの名は、カイック。
ワシは‥‥そう。雲の行方に明日を憂い、
川の流れに今日のヨロコビを見出し‥‥
散りゆく花にそっとナミダを流し、
ユメをつむぎ、ユメに遊ぶオトコ。

Wordsmith
I am known as Wordsmith.
But what is a name?
How doth one describe an occupation?
Like the bubbling of a babbling brook...
I flow gracefully around the rocks and debris
that is life, nary a worry in my mind.


「ワシはWordsmithと呼ばれている。
 しかし、それが何だ?
 どう職業を説明するのだ?
 せせらぐ小川の飛沫のごとく‥‥
 ワシは岩と破片のはざまを優雅に流れ、
 案ずることなど、ひとつもない。」
ちなみに、この後の成歩堂のツッコミ(‥‥無職か)は、英語版でもほぼ同じ。

マヨイ
なるほどくん。今までは正直、
“ただのパン屋”にしか見えなかったけど。
今は。“ちょっとクチのうまいパン屋”に
見えるよ!

Maya
Y'know, Nick, you really don't look like just
some normal, "run-of-the-mill baker"...
I'd say you're more like a...
"somewhat articulate run-of-the-mill baker"!


run-of-the-millは「ありふれた、普通の」の意味。
millは工場の意味。そこから「工場で大量生産されるような、ごく普通の」という意味合い。
「普通のパン屋」から「ちょっと雄弁な普通のパン屋」に。

ナルホド
(気がついたら、叫んでいた。
ハラの底から‥‥指までつきつけて!)

Phoenix
(...I just felt the urge to shout out...
...right from the bottom of my lungs...
...while pointing my finger!)

このシーンは「逆転裁判2」第1話の

(気がついたら思わず叫んでいた!
 ‥‥“異議あり”って‥‥)
(それもハラの底から、大声で。
 人さし指までつきつけて!)

が元だが、英語版逆転裁判2では、

(Without thinking, I just
blurted out, "Objection!"...)
(And I yelled it at the top of
my lungs, finger outstretched,
ready to take on my opponent!)

となっている。

魔法大全は英語版では「the Grand Grimore」。
レイアウトは日本語版と同じ。
メラミンは「Ignaize」。ムービーのボイスだと「イグナイズ」という感じに聞こえる。

「ここだ!」は「Got it!」。

ジーケン
‥‥そうだ。魔法を使うとき
魔女は、かならず《魔法杖》を手にする。

Barnham
Correct. For witches to use magic, they
must be in possession of a witch's sceptre,
also known as a Talea Magica.


英語版だと「Talea Magicaとして知られている魔女の杖を手にする。」
イタリア語で「Talea」は「木、棒」。
ラテン語・イタリア語で「Magica」は「魔法」。
日本版では単純に「魔法杖」という名称だったが、英語版だと「Talea Magica」という固有名詞が与えられている。
ちなみに文字色も、日本版では「魔法杖」の部分が赤色だったが、英語版では「witch's sceptre」ではなく「Talea Magica」の部分が赤色。

この後も魔法杖のことは「sceptre」とか「witch's sceptre」とか「Talea Magica」とか、いろいろな呼ばれ方をする。

なお、「sceptre」はイギリス綴り。アメリカ綴りだと「scepter」。

ジーケン
見よ。この杖には‥‥ふたつ。
《魔法石》がハメこまれている。

Barnham
You see, there are two magic gems set in
this sceptre.


「魔法石」は「magic gem(s)」。

ミエヘン:Dimere
ミエール:Amere

ジーケン
‥‥パン屋よ。さっさと工房に戻って、
大好きなコムギ粉でもコネていることだ。
ナルホド
(その“大好きなコムギ粉”で
 キレイな指紋が検出できるのに‥‥!)

Barnham
As I have said already, best you head back
to the bakery, lest you continue to serve
this court more of your half-baked ideas.
Phoenix
(They're about as half-baked as your terrible
puns, Barnham...)


half-baked:生焼けの/不十分な、悪い
Barnham「私の言う通り、くだらない(half-baked)考えでこの法廷に参加するより、パン屋(bakery)に戻ったほうがいいだろうな。」
Phoenix(そのダメなダジャレと同じくらい、この法廷はおかしいだろ‥‥)

ナルホド
(バカな! 犯罪の立証は
 検察側の義務じゃないか‥‥)

Phoenix
(C'mon! It's the prosecu-
...err, inquisition's job to probe that a crime
was committed!)


英語版ではprosecutionと言いかけてinquisitionと直している。
「検察側‥‥じゃなくて、検察士の義務じゃないのか!?」

ジーケン
ザンネンだったな。青きパン屋の騎士と
‥‥黒きシャッポの騎士よ。

Barnham
How regrettable, Sir Apprentice Baker...
and you, Sir Dark Hat.

BarnhamはLaytonをBlack HatやDark Hat、Top Hatと呼ぶことも。

バーサ
あ。や。そんなコワいカオ
しないでおくれよ!

Mary
Oh, my! Y-you're scaring poor Snowy!


バーサがミルク桶を隠していたことがバレた後の台詞。
「可愛いSnowy(*ヤギのメへへへのこと)を怖がらせないでおくれよ!」

ルーク
この調子で、あいつらの主張を
打ちくだいてやりましょうよ!

Luke
Right! Then let's take this chance to knock
their case down a peg or two!

「bring/take/knock ~ down a peg or two」で「~をやりこめる、へし折る」の意味。

ナルホド
‥‥ぼくたちが“魔女”になりかけて
いるのが、やや気になりますケドね。

Phoenix
I'm worried if we keep this up we'll all be
joining Espella in a one-way trip to the
flames...


上のルークの台詞の後の、成歩堂の台詞。
英語版では「このままだとぼくら全員がEspella(マホーネ)と一緒に火刑行きの片道旅行となりそうなのが気になりますけどね」

「といつめる」は「Question」
「ちょっと!」は「Hang on!」

カイック
ば‥‥バカなッ!
わ。ワシの証言は。どーなるんじゃッ!

Wordsmith
H-how about my testimony?!
Wh-what of my oratorical observation?

「ワシの壮大たる目撃証言はどーなるんじゃッ!」

オジサン
‥‥この裁判。
まだ、終わらせるワケには行かねえ!

Some Guy
...Wait a bloomin' second!
This trial ain't even close to bein' over!


オジサン
さあ、ヤローども! 集まれッ!
‥‥作戦会議だッ!

Some Guy
Okay, you lot! Assemble!
We need a strategy meeting, ASAP!


今作最強(?)の証人、オジサンの登場。
英語版だと名前欄は「Some Guy」、「どっかの誰か」的な感じ。
日本版同様にちょっと乱暴な言葉遣い。
ASAPは「as soon as possible(できるだけ早く)」の頭文字。

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