TOP > The Great Ace Attorney Adventures(英語版「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-」)解説
Iris
Ooh. what was it, Runo?
Do I catch the scent of mystery in the air?
Ryunosuke
Nothing so exciting, I'm afraid, Iris.
It was just five orange pips.
アイリス
お。なに? なに?
ナゾのミステリーのニオイなの!
ナルホド
入っていたのは‥‥
オレンジの種が5つぶ、なのですが。

RyunosukeはIrisが期待しているのを察して、「残念だけど大したことじゃないよ、アイリスちゃん」と前置きしている。
ここは「The Adventures of Sherlock Holmes (シャーロック・ホームズの冒険)」に収録された「The Five Orange Pips(オレンジの種五つ)」が元ネタ。
オレンジの種が5つ入っただけという封筒が送られてくるが、その正体はある団体の警告方法、つまり脅迫状だったという話。
脅迫状なのに、龍ノ介は意味を知らなかったので全然驚いていない、というあたりが英語版の「残念だけど大したことじゃないよ、アイリスちゃん」に反映されている。

Sholmes
And it has further bolstered my name. In fact only the
other day, a Bohemian King sought to engage my services.
ホームズ
ボクの名前も、さらに有名になってね。
こないだは、独逸(ドイツ)の国王が依頼に来たよ。

英語版だと「ボヘミア国王」に変更されている。原作ホームズのネタを重視した結果かもしれない。

Ryunosuke
But my daruma doll! I, I can't let my daruma burn!
It means too much!
Argh! Drat! Sorry, but I'm going to make a dash for it
upstairs!
ナルホド
でも! ダイジな“縁起もの”の
ダルマを焼いてしまうわけには‥‥
ええい、南無三! ちょっと
屋根裏に行ってきます!

この突然「火事だ!」と言い出すネタは「A Scandal in Bohemia(ボヘミアの醜聞)」が元ネタ。
日本語版の「南無三!」は、仏教用語というより感動詞的に使っているため、「Argh! Drat!」(ちぇっ! みたいな意味)にローカライズされている。

Sholmes
The location of the nest egg she must have cached
somewhere in this room.
ホームズ
‥‥この部屋に眠っているはずの
“へそくり”の隠し場所へ‥‥ね。

へそくり:nest egg

Sholmes
Why naturally! The book is selling like hot cakes, after
all.
ホームズ
なにしろ、馬鹿みたいに
売れているからね。この本が。

sell like hot cakes:飛ぶように売れる
焼き立てのホットケーキがどんどん売れる様から、こういう慣用句になったらしい。

Iris
Oh, absolutely! I've put an ingenious spin on the great
detective's exploits.
Ryunosuke
(It must have been very ingenious to make this man
sound even remotely credible as a detective.)
アイリス
うん! いいように書いておいたの。
ホームズくんの大活躍を。
ナルホド
(やれやれ‥‥)

Iris「うん! 名探偵が大活躍するよう、工夫を凝らしたの。」
Ryunosuke(この人を探偵として少しでも信用できるようにするために、かなり工夫したんだろうなあ。)

Ryunosuke
Coins! Sovereigns, in fact!
Worth a whole pound each!
ナルホド
くしゃくしゃに丸めた
1ポンド札の束が‥‥!

英語版だと「ソブリン金貨だ! 1ポンド分の価値だぞ!」になっている。
このセリフのとおりに1ソブリン金貨=1ポンドの価値。

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