TOP > The Great Ace Attorney 2 Resolve(英語版「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」)解説
Sholmes
Ah, Dr Courtney Sithe, née Stevens.
Good day to you.
ホームズ
これは、これは‥‥
コートニー・サイモン博士。

「née」は「旧姓」の意味、フランス語の「生まれた」が語源。
英語版では「ああ、Courtney Sithe‥‥旧姓Stevens博士。」と、一応今の名字も付けて呼んでいる。

Sholmes
...don't let it out of your sight.
Pursue it like a dog with a bone.
ホームズ
そこから目をそらしてはダメだ。
追求して、追求して、追求したまえ。

like a dog with a bone:根気強く
犬がくわえた骨をはなさないように根気強く、の意味。

Ryunosuke
(Oh, so he finally gets a statue, does he?
Now there are two of them in the world.)
ナルホド
(ついに、“型”をとられたか。
 ‥‥ホームズさん)

Ryunosuke(ついにホームズさんの蝋人形もできるのか。これで名探偵がふたりに増えるな。)
と、ややうんざりした表情でつぶやくのがポイント。

Tusspells
It is because of rigor mortis.
Ryunosuke
A...wriggly mortice?
ローザイク
‥‥死後硬直ですわね。
ナルホド
しご‥‥こうちょく?

rigor mortis:死後硬直
Ryunosukeは「wriggly(ねじれた) mortice(ほぞ穴)」と勘違いする。

Judge
...but you also implicate members of staff at Barclay
Prison where the execution took place!
サイバンチョ
処刑を行った、バークリー刑務所までもが
不正を行ったと言うのですかッ!

バークリー刑務所:Barclay Prison
4話以降で重要な舞台となる刑務所の名前だけ、ここで登場。
Barclayはホームズ原作の短編集第2作「The Memoirs of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの思い出)」に収録された短編「The Crooked Man(背中の曲がった男)」の登場人物、James Barclayから取られたものか。

Van Zieks
So you were one of the so-called Resurrectionists.
A particularly unpleasant scourge on society.
Drebber
Actually, my fellows and I went by another name:
'The Repurposers'.
バンジークス
‥‥最近、社会問題になっている
《遺体盗掘屋》というヤツだ。
ドレッバー
当時、オレたち学生のあいだでは。
魂の転売屋(ソウルリセーラー)”と呼ばれてましたね。

魂の転売屋(ソウルリセーラー)」は、英語版では「Soul Resaler」にはならず、「The Repurposers」(再利用屋)。
Van Zieksが使っている「Resurrectionist」が「死体盗掘人」の意味で、18~19世紀のイギリスにて実際にあった死体盗掘の話は以下が詳しい。
イギリスの死体盗掘人 - Wikipedia

Sithe
It made me wonder if perhaps your head was filled with
equally jet-black Indian ink.
And that the only way to know for sure. would be to cut
your head open and see.
(中略)
Ryunosuke
(Alright, mental note in black sumi ink:
never pursue Dr Sithe again.)
シス
もしかしたら、そのアタマの中には、
まっ黒の《洋墨(インキ)》が詰まっている‥‥
この《仮説》。そのアタマを
カチ割ってゼヒ、たしかめてみたい‥‥
(中略)
ナルホド
(‥‥もう、二度と聞かないぞ)

英語版だと龍ノ介のボヤキが、
Ryunosuke(よし、墨で注意書きを書こう。断じてドクター・Sitheを追求すべからずと。)
「Indian ink」は「墨(汁)」のこと。アメリカ英語だと「India ink」、イギリス英語だと「Indian ink」。
墨 - Wikipedia
>西洋へはインドを経由して輸出され、インディア・インクやチャイニーズ・インクと呼ばれ、改良品も作られ、没食子インクやビストル、セピアと並び古典的なペン用インクとして使われる。

Ryunosuke
It's a scalpel. Or rather...scalpels.
ナルホド
‥‥それは、《手術刀(ランセット)》です。

「a scalpel」ではなく「scalpels」だ、と英語版では言っている。
日本語とは異なり、英語には可算名詞・不可算名詞というはっきりした概念があるので、こういう表現も可能。

Van Zieks
So he's the living 'afterimage' of the man who took my
brother's life, is he?
バンジークス
あれが‥‥我が兄の命を奪った男の
“忘れ形見”だったわけか。

afterimage:残像
ここでの「忘れ形見」は要するに「遺児」のことだが、それを「living 'afterimage'(生きている残像)」と表現している。

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