Sholmes「キミは、ここのところ下男みたいになっているよ。
次は銀食器の手入れだ、マスター・ナルホドー。」
Ryunosuke(ホンモノの英国人、しかも銃を持っている子と議論するつもりはないよ‥‥)
「International(国際) Forensic Science(法科学) Symposium(シンポジウム)」
「Her Majesty's Attorney General」はイギリスに実際にある役職で、直訳だと「女王陛下の法務長官」。13世紀から現在まで存在している。イギリスのAttorney Generalは王の法的助言者としての意味もあり、イギリスという国において国王(女王)の存在がいかに重要かというのがわかる表現でもある。
法務長官 (イギリス) - Wikipedia
Stronghart「だから。彼はこれからも女王陛下の代理として、犯罪者を起訴しつづけるだろう。(So he will continue to prosecute on behalf of the Crown.)」
「the Crown」は王冠、そこから「女王陛下」のこと。
■ベンジャミン・ドビンボー:Albert Harebrayne
harebrainedで「とっぴな、軽はずみな」の意味。
「髪がもじゃもじゃ」「ドイツ」「科学者」という共通点からアルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)のAlbertが名前につかわれたのかもしれない。
実際、「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟- 公式原画集」には、ドビンボーの髪型について「いわゆるアインシュタイン系の爆発ヘア」というコメントがある。
ドビンボーはイギリス人なので、Albertはアルバートと発音するのが普通。
■エライダ・メニンゲン:Odie Asman
odious(憎むべき)+manか、dieとmanを引っ掛けた何かしらか。
余談だが、日本語版は「えらい駄目人間」というダジャレであることが有名で(ニンテンドードリーム2017年10月号でも巧舟氏が触れている)、ホームズ原作短編「A Scandal in Bohemia(ボヘミアの醜聞)」に出てくるスカンジナビア王女の名前「Clotilde Lothman von Saxe-Meningen(クロティルド・ロトマン・フォン・ザクセ-メニンゲン)」から取られている。ホームズ原作登場とはいえ、英語ではダジャレが全く通じないので変更になったのかもしれない。
■仮面の従者:Masked man
従者は「Apprentice」。人物ファイルには「Masked man」と書かれている。
Apprentice:(昔の)徒弟、年季奉公人、初心者、実習生、練習生
Van Zieks「少なくとも‥‥今のおのれを支えてくれた者のことを忘れぬよう心がけるのは、悪いことではなかろう」
「Crown prosecutor」は、英連邦王国の地域(イギリス及び、オーストラリアやニュージーランド、カナダなど)で用いられている、検事の称号のこと。
Crown prosecutor - Wikipedia
科学技術保護特例:The Special Dispensation for Scientific Equipment Act
The Special Dispensation(特別制度) for(~のための) Scientific(科学) Equipment(機器) Act(法令)
■万博実験会場 水晶塔前:The Great Exhibition Grounds, Foot of the Crystal Tower
Gregson「この、クチの減らないコムスメが! だが独房で一晩過ごせば、礼儀作法を学べるだろうな!」
Gina「やってみなよ! アゲモノの袋をクチにブチこまれたいのならね!」
Ryunosuke「突然、《クリスタルタワー》から、《クリスタル・ガラス・シャワー》に変わってしまったわけだね。」 TowerとShowerを引っ掛けている。
■科学式捜査班:The Forensic Investigation Team
Iris「あたしが書いたHurleyの物語を、特に気の強いサムライに献上してみたり‥‥
bartitsuを極めたニンジャと、Hurleyと闘わせてみたり!」
日本語版における「トノサマン」は英語版で「Steel Samurai」とローカライズされているので、「steely samurai」(気の強いサムライ)はそこからのネタ。
「bartitsu」についてだが、原作「シャーロック・ホームズ」に、「日本の武術」だと称して登場した「バリツ(baritsu)」があり、「柔道」のことだとか、「武術」がなまったとか、いろいろな説があるが、中には「バーティツ(bartitsu)」ではないか? という説がある。
バーティツ - Wikipedia
■コネット・ローザイク:Esmeralda Tusspells
名字は蝋人形館で有名なマダム・タッソー館(Madame Tussauds)のタッソーとspell(呪文)を合体させたものか。見かけが魔女っぽいのでspellか?
Esmeraldaは、エメラルドを意味するスペイン語およびポルトガル語、女性名。
『大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-』――大いなるローカライズの冒険 - PlayStation.Blogによれば、「フランス語スペルのEsméralda」を使いたかったのだが、諸般の事情でボツになっている。
ローザイクは作中で語られている通り、三年前にフランスからイギリスへやってきたフランス人であるので、フランス人らしい綴りにしたかったのであろう。イギリスに渡ってからはイギリス人にわかりやすくするため、「é」を使うのをやめた、と解釈することもできる。
■マダム・ローザイクの館:Madame Tusspells Museum of Waxworks
Iris「あれ。こんなところに小さなladderがあるよ。」
Ryunosuke「‥‥‥‥‥‥‥‥」
Iris「ん? どうしたの? 何かおかしい?」
Ryunosuke「いや。ぼくの国では、あんな風に半分に折れるladderのことを、全く違う言葉で表現しているっていうだけだよ。」
Iris「英語でもそうだよね。stepladderとか、単にstepsとかね。だから、よその文化について勝手に決めつけするようなことはダメだよ、なるほどくん。そういうところから“争いのタネ”は芽を吹くんだよ。」
フランス出身のTusspellsはフランス語をたまに混ぜてくる。
また、英語の「madam」は既婚・未婚を問わず女性に対するていねいな呼びかけ。
一方で「madame」はフランス語、原則として既婚女性に対しての呼びかけ。英国では外国の婦人、特にフランス人に対する呼び掛け。
Ryunosuke「え! あ。あなたが‥‥! あのMadame Tusspellsなのですか?」
Tusspells「もちろん(Bien sûr)。ただ、私、まだ26歳だということを付け加えておきますわ。」
Ryunosuke「では、どういうわけでMadameだと?」
Tusspells「名ばかりのMadameですわ。それがある種の、言い表せぬ魅力(je ne sais quoi)になるのですわ。」
「《プロフェッサー》」は「the Professor」。「the」と、「P」を大文字にすることで、普通の名詞の「professor」と区別している。
■クリムト・バンジークス:Klint van Zieks
由来はよくわからない。(そもそも日本語版の由来もわからない)
Klintに変更になったのは、「クリムト」がイギリス人の人名っぽくないからだろうか。