TOP > The Great Ace Attorney 2 Resolve(英語版「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」)解説
Ryunosuke
The office spade...
Now that Susato-san's gone, the shovellers aren't
represented to correct me.
........
Maybe I'll have to do it myself.
'That's not a spade, Naruhodo-san; it's a shovel!'
ナルホド
スコップがある。
寿沙都さんがいない今、
《ショベル》派は圧倒的に劣勢だ。
‥‥‥‥‥
なんだか、ちょっと。
張りあいがないな。

探偵【その1】でのみ見られる、龍ノ介の独り言。
スコップとショベルとシャベル論争については英語版「大逆転裁判1」第5話解説を参照のこと。
Ryunosuke「spadeがある‥‥。
Susatoさんがいない今、《ショベル》派がぼくの言葉を訂正してくれることはない。
‥‥
だからぼく自身でやるしかない。
『それはspadeではございません、成歩堂さま。shovelでございます。』」

Ryunosuke
(With that kind of attitude, maybe her surname should be
'Blue' not Green...)
ナルホド
(やれやれ‥‥)

後ろ向きなGreenに対して、
Ryunosuke(この人、GreenというよりBlueって感じだよな‥‥)
日本でも「気分がブルー」というとおりに、blueには憂鬱、悲観という意味もある。

Green
I don't deserve it, but I have a little flat on Brixton Road.
ビリジアン
こんなあたしがナマイキですけど、
ブリクストン通り(ストリート)のアパルトマンに‥‥

ブリクストン通り(Brixton Road)は原作ホームズで、ホームズとワトソンが初めて出会う「緋色の研究」から様々な短編にまで登場している、実在の通りの名前。
また、ビリジアンのセリフにある「アパルトマン」はフランス語。
「集合住宅」を意味する英語は、apartment(アメリカ英語)、flat(イギリス英語)。
Apartment - Wikipedia
イギリス在住のGreenはflatを用い、「a little flat」(小さな集合住宅)と表現している。

Is there a Mr Narrowfodder here?
Mr Narrowfodder?!
(中略)
It's a message from a Mr Saucy Nutsmeg.
‥‥ミスター・ナーホドー!
いらっしゃいますかッ!
(中略)
ソーセキ・ナツメから
アナタに《伝言(メッセージ)》だそうです!

病室にやってきた警官のセリフ。
日本語版でも「ミスター・ナーホドー」と名前を間違われているが、英語版は「Mr Narrow(狭い)fodder(飼料)」と、音としてはなんとなく似ているが、意味は全然違う間違われ方になっている。
その上、英語版では夏目漱石の名前まで間違っていて、「Mr Saucy Nutsmeg」と呼ばれている。
Saucyは「生意気な、ずうずうしい」の意味。
Nutsmegは、nutmegで「ナツメグ」のこと。

■ウイリアム・ペテンシー:William Shamspeare
William Shakespeare(ウィリアム・シェークスピア)と、英語の「sham」(偽物、ぺてん師、詐欺師の意味)を組み合わせたダジャレと思われる。

Gregson
...but I thought it would be prudent to take a statement
from the culpri— I mean, cohabiter.
Ryunosuke
You nearly said 'culprit' there, didn't you?
グレグソン
ただ、まず日本人の下手人‥‥あ、いや。
下宿人からハナシを聞こうと思ったのだ。
ナルホド
‥‥今。ちょっと
“下手人”って言いましたね。

cohabiter:共同生活を営む人、つまり同じ下宿に住んでいる人のこと。
「culprit(犯人)」と言いかけて「cohabiter」と言い直す、というネタ。

Shomles
Let the theatrical tragedy before us be unravelled by my
great deductions, presented for your pleasure in two acts!
ホームズ
悲劇の『一幕』を《名推理》で読み解く
‥‥それもまた、一興ですからね。

英語版が「two acts(二幕)」になっているのは、共同推理が「Topic 1」「Topic 2」のふたつに分かれているからと思われる。
実際、共同推理の最中、Sholmesは「Act One!(第一幕!)」と言うシーンがある。
共同推理の対象が役者のShamspeare(ペテンシー)であるから、このような言い回しを使っているのだろう。

Susato
Well, it's true that British snowman are usually made
with two balls of snow. Perhaps this is a foreigner.
Ryunosuke
And now we're looking at him as if he's strange.
Poor man. I know how he feels.
Susato
If anything, it's Japanese and British two-ball snowmen
that are the strange ones, isn't it?
After all, real people do have three sections: head, torso
and legs.
スサト
西欧(ヨーロッパ)では、《スノウマン》と呼ばれ、
3段重ねが一般的のようでございます。
ナルホド
おかしいですよ。《スノウマン》のヤツ、
“三頭身”なのでしょうか。
スサト
まあ、それを言い出しますと‥‥
ダルマさまは“二頭身”だったのか?
という、ややこしい議論になるかと。

ブライヤーロードで雪だるまを調べた時のやりとり。英語版では、
Susato「イギリスの雪だるまは、雪玉ふたつで作るのが一般的ですから、外国の方がお作りになったのかもしれませんね。」
Ryunosuke「そしてぼくらは今、彼を奇妙な目で見ています。ぼくらが外国人に奇妙な目で見られるように。かわいそうに、気持ちがわかりますよ。」
Susato「どちらかといえば、日本やイギリスのような、雪玉ふたつの雪だるまの方が奇妙なのかもしれません。人間は、頭、胴体、足の3つに分かれておりますから。」
日本語版では「ヨーロッパだと雪玉3つが一般的」と説明されているが、英語版にて、実はイギリスは例外なのだということがわかる。

Soseki
Make up your mind! Are you dead or alive? If you were
going to come back to life, why bother dying?
   Wickedly Wishy-Washy William!
ソーセキ
生き返るぐらいならば。
最初から死ぬなッ!
   優 柔 不 断 ッ !

四字熟語が、
「Wickedly(意地悪で) Wishy-Washy(決断力のない) William!」
ペテンシーの名前「William Shamspeare」に引っ掛けて「W」でそろえ、「優柔不断なWilliam!」という意味合いになっている。

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