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死の4分前の世界は、死者を死の運命から解き放たない限り、「死者のチカラ」で何度でも最初からやり直しができる、独立した世界だと思われる。
(ただし、やり直しの際は砂時計マークや「最初からヤリ直ス」をタッチするという、シセルの意志が必要になっている。作中では選択肢こそなかったが、脱出も可能なのであろうか。もっとも脱出可能でないと、エンディングでクネリが語った、彼がかつてとった行動が不可能になってしまうのだが)
「運命更新」で死者を助けることが出来た場合、死が消失=死の4分前の世界が消滅するため、シセルたちは新しい現在へと戻る。
この時の新しい現在とは、シセルが死の4分前に戻るため、タマシイにトリツイた瞬間である。死者が死を回避すると、新しい現在までの出来事が自動で更新される。
例えば、シセルが誰かの死体に8:00にトリツキ、死の4分前が7:00であったら、「運命更新」後新しい現在の8:00に戻ることになる。死の回避によって7:00~8:00の出来事が新しく生み出されるわけだ。もっとも、死者が蘇る以外には大した変化が生まれない場合もあれば、キッチンチキンの件のように店一個の運命が大きく変わる場合など、死者以外にも大きな変化が起こる場合もある。

「死者が蘇る以外には大した変化が生まれない場合」で面白い例が、公園を守る男の件である。
公園を守る男の死体にシセルがトリツクのはAM1:28(第14章)であるが、死の4分前に戻ると、彼の死の4分前がPM8:25であったことがわかる。これは第5章、リンネがゴミ捨て場管理室地下で死亡したのと同じ頃のこと。
つまり、公園を守る男の死の4分前においては、第5章~第13章に起きた出来事…時間軸では未来の出来事が、既に改変されているのである。
この場合、公園を守る男を救ったことで未来が変化し、第5章~第13章の出来事もまた変化したりしたのだろうか?
結論を書けば、特に変化していなかったようである。
公園を守る男の救出によって変化するのは、第14章以降のことだけだったようだ。
(実際、彼によって変わった出来事は、オルゴールがミノくんにつぶされずに無事リンネの手に渡ったことくらいである)

公園を守る男の例と対称的なのが最終章の出来事であるのは、言うまでもない。

クネリによると、死の4分前にマキ戻スことができるのは、死後1日以内の死体に限る。
死後10年を経過したヨミエルを死の4分前にマキ戻スことができたのは、彼の体の時間が死んだ状態のまま停止しているためだ。シス司令官はこの事態を予測し、ヨミエルの死がなかったことになるのを恐れて、ヨミエルの体を海の底深くに沈めてしまおうとした。
(シセルたちはヨミエル以外には死後1日以内の死体にしかトリツイたことがないため、クネリの言葉が正しかったのかどうかは不明である。厳密に言うとヨミエルの死体には「死後」という概念がないのだが)

このゲームにおいて、過去の改変前と改変後で平行した世界、パラレルワールドがいくつも生み出されるのか、改変前の世界はデータの上書きのように改変後に書き換えられ消滅するのか、それらとは全く異なる概念によるものなのかは不明である。
どの説にしても、改変してしまったら、シセルたちは改変前の世界を再び認識することが不可能になる。そして改変のたびに、シセルと生き返った人々は、改変前の世界の記憶を残したまま、改変前の世界から、改変後の世界の住人になる。

例えとして、歴史を記したテキストファイルを作る時のことを考える。
普通歴史を事実のまま記すなら、書き直しすることもなく、ひたすら歴史が更新されていく。
だがシセルたちのチカラを使うと、歴史の途中を書き換え、それに伴ってその後の歴史まで自動で修正後セーブされる、ということが起こる。
(この時、別のファイル名でセーブする場合がパラレルワールド説で、上書きセーブだと世界の上書き説になる)

「過去の改変」のようなネタをもっと考察したい場合は、タイムトラベルやパラレルワールド、さらには「エヴェレットの多世界解釈」などの量子力学的なことについて調べてみるのも面白い。

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