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法廷【その4】最終盤にて、オルゴールが奏でるモールス信号が判明する。
この時に流れるオルゴールの音が本当にモールス信号なのか、気になった方はいらっしゃらないだろうか。
気になった管理人は必死に耳コピし、モールス信号に関するウェブサイトを参考にして解析してみた次第である。
ゲーム中に寿沙都とアイリスが答えを言ってくれたので、そこから逆算したなどということは決してない、おそらく。

※3DS版/スマホ版と、「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」では多少違いがあります。
「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」については、この記事の一番下に追記しています。


モールス信号の基礎知識

まず、モールス信号について簡単に説明する。
大まかには作中にて、陪審員5号らが説明した通りであるが、更に詳しい内容は適当なウェブサイト等を参考にしていただきたい。

上の文献を参考にすると、大逆転裁判の舞台である19世紀末、欧文のモールス信号は、1868年7月にウィーンで開催されたUTI(万国電信連合)における規格で運用されていたと思われる。
このUTIの規格は、現在(21世紀)のITU(国際電気通信連合)規格とほぼ同一であったようだ。

また、1893年(明治26年)には現行の日本語のモールス信号(和文モールス符号)がほぼ完成したとのことである。
以上から、本作におけるモールス信号は、現在の欧文・日本語のモールス信号と同一と考えて良いだろう。
以降も、その仮定の元に解読を行っている。

実際の解読

以下、ゲームの音源を聞き取った結果を音名で記した。
[ ]は、無音部分を意味する。

ミドミ[ ]ドミドミドミ[ ]ミミドミミ[ ]ミミミド[ ]ドドミ[ ]ミドミドド[ ]ドド(長めの無音)
ド[ ]ドミドミドミ[ ]ミドミドミ[ ]ドミミド[ ]ミミドミド[ ]ドミミ[ ]ミミドミミ(長めの無音)
ミ[ ]ドミドミド

作中では途中で、グレグソンがオルゴールの再生を遮ってしまう。よって聞き取れるのは、ここまでである。
以下の動画は、上の音名を元にしてMIDIシーケンサー「Studio ftn Score Editor」にて制作した耳コピ音源である。

大逆転裁判 モールス信号を耳コピしてみた - YouTube

モールス信号対応のネタバレ動画は以下から。

「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-」のモールス信号を耳コピしてみた(ネタバレ込み) - YouTube

作中で説明があった通り、モールス信号は2種類の音(短点と長点)からできている。
2枚の円盤を同時に鳴らすと、2種類の音が鳴るので、モールス信号として聞くことが可能になるのである。
「ド」と「ミ」はモールス符号の短点と長点に対応しているわけである。
そして、[ ]は文字と文字の間の区切りになる。
ここからはモールス符号一覧表を見て考えてみる。
ずばり、「ド」が短点(・)、「ミ」が長点(-)である。
したがって、モールス信号に書き換えると、

-・- ・-・-・- --・-- ---・ ・・- -・-・・ ・・
・ ・-・-・- -・-・- ・--・ --・-・ ・-- --・--
- ・-・-・

ちなみに、この中には「--・--」など、「日本語には対応しているが、英語のアルファベットには対応していない信号」がある。
(※欧文モールス信号において「--・--」は「ÑまたはŃ」という、英語では使われない、字上符つき文字に当たる)
だから、英語のモールス信号しか知らない陪審員5号は「何の意味もない2つの信号音」だと言うのである。

では、上のモールス信号を、和文モールス符号でカタカナに直してみる。

ワ、アソウギ
ヘ、サツシヤア
ム(?)

最後を(?)とした理由は後述。
頭の「ワ」とか「ヘ」及び、「、」を、和文ではなく欧文にしてみると、

K.アソウギ
E.サツシヤア
T(?)

‥‥となる。
ゲームでは「A.サツシヤア」と説明があったが、「A」を意味する「ドミ」ではなく「E」を意味する「ド」と聞き取れた。
そして、実は裁判中では途中までしか聞けなかったのである。
また、グレグソンに遮られたが、最後は「ミ[ ]ドミドミドミ」であったのだろう。「ドミドミドミ」がモールス信号での「・-・-・-」つまり文字に直すと、「.」となるからである。

「A」なのか「E」なのかは謎のままだが、作中での説明によれば、このモールス信号は、

K.アソウギ
A.サツシヤア
T.グレグソン
J.ワトソン
イジヨウノ 四ニン

であったという。
(※和文モールス符号には、拗音(ゃゅょ)および促音(っ)が存在せず、通常の文字で表現するので、「イジョウ」ではなく「イジヨウ」になっている)
2番目の「A.サツシヤア」だけが本作に登場しなかった謎の人物になる。
日本語のダジャレだとしたら「アン・サツシャア」=暗殺者、というネタが容易に思い浮かぶところだが、果たして‥‥?
そして、ゲーム中では、ちょうどグレグソンの名前の寸前で、グレグソンがオルゴールの再生を打ち切っている。これは偶然だったのだろうか。

オルゴール音、モールス信号、変換後の文字をまとめると、以下のようになる。

オルゴール音ミドミドミドミドミミミドミミミミミドドドミミドミドドドド
モールス信号-・-・-・-・---・-----・・・--・-・・・・
変換後K(濁点)

オルゴール音ドミドミドミミドミドミドミミドミミドミドドミミミミドミミ
モールス信号・-・-・--・-・-・--・--・-・・----・--
変換後E

オルゴール音ドミドミド
モールス信号・-・-・
変換後T(?)

おまけ

こうなると、単音のみ(円盤1枚目のみ)の音色も気になるところである。
単音のみで音の間隔が聞き取りにくかった(管理人にリズム感覚がないせいである、申し訳ない)ので、最後の手段として、3DSのイヤホン出力とパソコンのライン入力をケーブルで繋いで音を取り込み、波形編集ソフトで波形を視覚化して印刷、音の間隔を測るという反則手段に出てみた。

結果、おそらくこうではないかと思われる。

ド[ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ][ ][ ]ド[ ][ ][ ][ ][ ][ ]ド[ ]ドド[ ][ ][ ]ド[ ]ドド[ ]ドド[ ][ ][ ][ ][ ]
ド[ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ][ ]ド[ ][ ]ド[ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ][ ][ ][ ]ド[ ][ ][ ][ ][ ][ ][ ]
[ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ]ドドド[ ][ ]ドド[ ][ ][ ][ ][ ]ドドド[ ][ ]ドド[ ][ ][ ][ ]ド[ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ][ ][ ][ ]
ド[ ][ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ][ ]ド[ ][ ]ドド[ ]ドド[ ]ドドド[ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド

これで1ループとなり、以降は最初から繰り返しとなる。この1ループがおよそ30秒ほどである。
(ループになることは、2分ほど録音して確認したので、間違いないと思われる)

一方で、暗号が

K.アソウギ
E.サツシヤア
T.グレグソン
J.ワトソン
イジヨウノ 四ニン

だとすれば、完成形のオルゴールはこんな感じだったはずである。

ミドミ[ ]ドミドミドミ[ ]ミミドミミ[ ]ミミミド[ ]ドドミ[ ]ミドミドド[ ]ドド(長めの無音)
ド[ ]ドミドミドミ[ ]ミドミドミ[ ]ドミミド[ ]ミミドミド[ ]ドミミ[ ]ミミドミミ(長めの無音)
ミ[ ]ドミドミドミ[ ]ドドドミ[ ]ドド[ ]ミミミ[ ]ドドドミ[ ]ドド[ ]ミミミド[ ]ドミドミド(長めの無音)
ドミミミ[ ]ドミドミドミ[ ]ミドミ[ ]ドドミドド[ ]ミミミド[ ]ドミドミド(長めの無音)
ドミ[ ]ミミドミド[ ]ドド[ ]ミミ[ ]ドドミ[ ]ドドミミ[ ]ドドドドミ[ ]ミドミド[ ]ドミドミド

円盤1枚目の演奏と比較すると、明らかに最後の「イジヨウノ 四ニン」分が、円盤1枚目の演奏から抜けているように思える。
それはともかくとして、上から「ド」のみを拾って「ミ」を[ ]に変えてみると、

ド[ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ][ ][ ]ド[ ][ ][ ][ ][ ][ ]ド[ ]ドド[ ][ ][ ]ド[ ]ドド[ ]ドド(長めの無音)
ド[ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ][ ]ド[ ][ ]ド[ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ][ ][ ][ ]ド(長めの無音)
[ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ]ドドド[ ][ ]ドド[ ][ ][ ][ ][ ]ドドド[ ][ ]ドド[ ][ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ]ド(長めの無音)
ド[ ][ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ][ ][ ]ド[ ][ ]ドド[ ]ドド [ ][ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ]ド(長めの無音)
ド[ ][ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ]ドド[ ][ ][ ][ ]ドド[ ][ ]ドド[ ][ ][ ]ドドドド[ ][ ][ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ]ド[ ]ド

グレグソンの「ソ」のあたり(赤い文字色部分)と、ワトソンの「ソ」のあたり(青い文字色部分)が、実際のオルゴールの演奏と違うように見える‥‥。
「グレグソン」ではなく「グレグスン」にしてみると、オルゴールと合うのだが、ワトソンについては、「ワトスン」にしてみても合わない‥‥。
「J.H.ワトソン」でも無理のようである。

とりあえず、文字変換にミスがあり、「イジヨウノ 四ニン」が抜けているとしても、オルゴールのフルバージョンでは、4人の人物の名前を指しているようだ。
作中では、グレグソンが途中で止めてくれ! と叫んだものの、アイリスは(ゲームでは聞けない部分まで)しっかり全て暗記してしまったようである。

追記

2021年発売の「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」は、3DS版とほぼ同じ(つまりE.サツシヤアのまま)なのだが、3DS版より少し早く音楽が止まってしまう。
具体的には、最後の「ミ[ ]ドミドミド」が「ミ」の部分で終わっていて、グレグソンに遮られる。

なお、英語版だと更に早く音楽が止まる。最後の「ミ[ ]ドミドミド」の寸前で遮られる。

英語版について更に解説すると、英語版ではローカライズの関係で一部キャラクター名が変更されたため、日本語版とは暗号の内容が異なる。
「日本語の暗号だった」という設定自体は変わらない。
英語版でアイリスと寿沙都が聞き取った暗号は以下の通り。
英語版なので、「日本語の暗号をローマ字で表示」してある。

K. Asogi
A. Shin
T. Gureguson
J. Wilson

「A.サツシヤア」の部分が、「A.シン」、「J.ワトソン」の部分が「J.Wilson(何故かここだけローマ字表記ではない)」に変わっている。
日本語表記にすると、

K.アソウギ
A.シン
T.グレグソン
J.ウイルソン

だったのだろう。
ということは、本来ならばモールス信号(オルゴールの音)も全くの別物になっているはずなのだが、英語版をプレイすればわかる通りに、日本版と同じ音源が使用されている。やや残念である。

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