#474 太陽光発電のメリットとリスク(前編)

2023/12/13

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 私は現在単身赴任中のため、自宅には妻と息子が暮らしているのだが、先日久しぶりに自宅に戻ったら、日曜日に太陽光発電システムを提供する会社が来るから予定を開けておいてくれという。

 聞けば不在中にその会社が自宅を訪れ、太陽光発電システムを提案したいので、自宅の図面を見せてくれないかと言われたので、妻が図面を持ってきて見せたらそれを携帯電話で撮影して持ち帰り、後日ご主人がいるときに改めてお話しするという。

 で、日曜日に、撮影した図面をもとに設置のプランと設置後の発電量の推定値、費用の見積もりなどを持ってきて一通り説明してくれたあと、詳細なプランを作りたいので、夫婦どちらかご在宅の時に家屋の調査をさせてほしいとのこと。私はまたすぐ帰ってしまうので、とりあえず家屋の調査は翌週の木曜日に妻に立ち会ってもらうことになった。

 太陽光発電については、時々ブームと言えるような需要があるようで、日本でも2009年から太陽光発電による余剰電力を一定期間定額で買い取るという固定価格買取制度(FIT)を始めたことから、そうやって余剰電力を売れば数年で設置費のもとを取ることができそうだということで、ちょっとした太陽光発電ブームが起きたところである。

 そして近年では、東京都が都内の新築戸建てに太陽光発電設備設置義務化に関する新たな制度を2025年から始めることを発表するとともに、既存の戸建て住宅等についても、太陽光発電パネルや蓄電池の設置に対して高額の補助金を出しているところである。

 この補助金の額は相当なもので、プランによっては太陽光発電パネルの費用を帳消しにして余るほどであり、結果として蓄電池の設置を含めても、トータルの設置費の半分以上は間違いなく補助金で賄えるほどのものになっている。そういうこともあり、太陽光発電システムの後付け設置は、都内ではちょっとしたバブル状態になっているものと推測される。

 私の自宅にはもともと太陽光発電システムはついていないのだが、大きな負担なく設置できるものであれば、太陽光発電システムの設置には以前から興味があったところである。固定価格買取制度については、今となっては売電価格はそれほど魅力あるものになっていないものの、令和元年に千葉県を襲った台風15号で長期間の停電が発生した事例などを見るに、何らかの災害などで長時間の停電に見舞われた時の対策が何もできていないのは気になっていたところである。

 停電に備えて、小型のバッテリーや灯油だけで使えるストーブやカセットコンロなども用意してはいるが、その程度では焼け石に水であり、根本的な解決にはなっていない。ある程度長期間の停電になっても電気の使える家というのは心強く感じるので、そのようにできればそれに越したことはないと考える次第である。

 妻は家屋調査などは立ち会うものの、最終的な判断は私にゆだねるとのことであるので、家屋調査が終わって翌週に、遠隔地に住む私にその会社からZoomで、調査結果とそれを踏まえた新たな提案をしてきた。

 私の家は南面の屋根の面積があまり大きくなく、南面のみだとパネルを6枚置くのがせいぜいである。この場合だと、これまでの電気使用量と比較して、電力の一部しか賄えない見通しだが、北面にも何枚かパネルを置けば、家の電気をほぼ太陽光で賄える計算になるようである。費用は南面のみの場合よりも少し高いが、補助金等が入ることを見越せば、15年間のローンとした場合月々1万円くらいの負担で設置できるとのことである。

 このくらいの負担であれば、電気代が安くなることを考えれば導入してもいいかなとも思い始めたところであり、あとは決断して契約というところまで来たのであるが、話はこれで終わらない。


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