#464 ドローンで遊ぶ

2023/02/04

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 我が家の毎年恒例の、夫婦でのクリスマスプレゼント交換。私が今年リクエストしたのは、小型ドローン(マルチコプター)である。いい歳をしてまだガジェット好きが抜けない。

 遠隔操作もしくは自律的に飛行する無人航空機は、今では軍事から宅配まで、様々な分野で利用されている。日本では、航空法の改正により、100g以上の無人航空機については、屋外での飛行には登録が義務づけられているところであるが、100g未満のものはこれに該当せず、通販などでも廉価で手に入れることができる。こういったものを操縦するのはそれ自体結構楽しそうなので、一つ買ってもらった次第である。

 注文してから少し時間を置いて届いたマルチコプターは、翼を畳んだ状態だと手のひらにも乗るような小型のものである。ほかにコントローラーと、回転翼の接触を防止するためのプロテクター、予備のバッテリーなどが同梱されている。本体だけだと65gくらい、一式でも350gくらいなので、持ち運びにも便利である。

 飛行させる時は、本体にバッテリーを装填し、前後左右4方向にアームを延ばし、その先端にプロテクターをつけ、コントローラーとの通信接続を行う。ワンボタンで垂直離陸・着陸が可能であるほか、操縦桿が左右についていて、親指で前後左右に動かして操縦する。私の購入したものの場合、右の操縦桿が前進・後退(ピッチまたはエレベーター)・左右移動(ロールまたはエルロン)、左の操縦桿が上昇・下降(スロットル)・左右旋回(ラダーまたはヨー)を行う感じである。種類によっては、ピッチとスロットルの操作が左右逆転しているものもあるが、基本的にはこの8方向の操作を組み合わせて操縦する形になる。

 何も操作しなければ、基本的にはその場でホバリングしているはずであるが、電池の状態などにより少しずつドリフトすることもあり、それを微調整するためのボタンもある。そのほか、ワンボタンで360度宙返りをするボタンもついており、なかなか面白い。更にスマホに接続すると、底部と前方についたカメラによる映像をリアルタイムで送信してくれ、動画や静止画のキャプチャなどもできる。安価ながらなかなか多機能なのである。

 バッテリーは1回の充電で6〜7分程度飛ばすことができるようだが、充電には60分くらいかかる感じである。充電はUSB-Aのソケットから専用のコードを使って接続して行うタイプである。私の購入したものは予備のバッテリーも含めて合計3つバッテリーがあるので、トータルで20分は遊べる感じである。

 実際に飛ばしてみると、4つある回転翼が高速で回るため、「ブーン」という甲高い音が響き渡る。ドローン(drone)というのはもともと英語で「雄バチ」という意味なのであるが、なるほどこの飛んでいる音の感じが確かに蜂のようである。

 室内で何度か飛ばしてみた感じでは、ドローンの向きと自分の向きを同じ方向に保っておかないと、右の操縦桿による操縦が直観に反することになり、意図した方向に動かすことが途端に難しくなって破綻をきたしてしまう。また、屋外で一度飛ばしてみたが、風が少しでもあると、100gに満たない機体は簡単に流されてしまい、思うようにコントロールできなくなってしまう。屋外で飛ばす場合は、よほど風が弱い時に広い敷地でやるようにしないと、おっかなくてしょうがない。

 軽くていかにも壊れやすそうな製品なのであるが、何度も操縦を誤ってそこら中に激突させたり墜落させたりしている割には、意外と羽が折れたりすることもなく、今のところ予備のプロペラも使わずに済んでいる。野外で飛ばしてどこかに激突させて致命傷を負わせるか、回収不能な場所に落下させてしまうのがオチではないかと勝手に想像しているが、それまでは童心にかえって、室内を中心に飽きずに遊んでいる次第である。


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