#465 スマホで外国語を習う

2023/03/10

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 最近は英語以外の外国語も少しずつ習おうと思い、今年については韓国語を重点的に学習している。韓国には私が二十代の時に一度出張で行く機会があり、そのときに少しかじってみたのだが、ハングルの文字構造がシステマティックにできていて、要素と発音を覚えてしまえばとりあえず読むことはできるようになることと、文法構造が日本語とほぼ同じであること、ともに漢語由来の名詞や動詞が多く、発音もなんとなく似ている単語が多いことから、日本人が全くのゼロから学ぶ外国語としては、英語よりもむしろ与しやすい言葉であると言える。

 とは言え、韓国に移住するとか出張するとか旅行するとか、あるいは韓流ドラマやK-POPが熱烈に好きであるとか、そういった強い必要性やモチベーションがない限り、あまり使う機会が訪れない外国語を習うというのは、なかなかに難しいものである。

 加えて吝嗇でもある私なので、外国語を習うにあたってそれほどお金をかけようということもなく、図書館で文法書を借りて読んだり練習問題を解いたり、CDのスキットをMP3に落として繰り返し聞いたり、古本屋で安い辞書を買ったり、NHKの語学番組を見たり聞いたりということを、思い出すようにやっている程度なので、学びの進度は遅々としたものである。

 何かもっと習慣づけて継続できる語学学習方法はないものかといろいろ検索をしてたら、Duolingoというアプリが世界中で使われているようなので、スマホにインストールしてみた。

 ヘルプセンターにある説明によれば、「Duolingoはゲーム感覚で楽しめるようにデザインされており、その効果は科学的に実証されています。 ひとくちサイズの短いレッスンで、ポイントを獲得したり新しいレベルを解除するうちに、実際に役に立つコミュニケーションスキルを伸ばすことができます。」とのこと。基本的には英語を母語とする人が学習するのに適したアプリで、日本語ベースで学べる言語はまだ少ないのであるが、その中に韓国語も入っている。

 学ぼうとする言語について多少の心得があるのなら、簡単なテストでスタートするユニット(レベル)を測定してくれ、そこから学習を進めることで先のユニットに進むという具合である。ユニットは韓国語の場合は39ユニットまであるらしく、道のりはかなり長い

 一つのユニットにはそのユニットのトピック的な内容についてのレッスンがあり、一つのレッスンは、単語のテストや、韓国語の文章を読み、日本語の単語を拾って訳文を作ったり(リーディング)、日本語の文章から、韓国語の単語を拾って訳文を作ったり(ライティング)、韓国語の文章を聞いて同じ文章を単語リストから拾って作ったり(リスニング)、韓国語の文章を自分で発音したり(スピーキング)という小問群(15問くらい)から成る。間違えるとHP(ヒットポイント)が1つ減り、HPがなくなると続けることができなくなる(時間を置くとHPは回復する。最大5つ)。レッスンを一通りやるとXP(エクスペリエンスポイント)が増えていく。一週間に獲得したXPが所属するリーグの上位7位になると、一つ上のリーグに昇格し、下位7位になると、一つ下のリーグに降格する。

 私は普段あまりゲームをやらないのでこの辺の作法がよくわかっていないのだが、やってみるとなるほど、XPを稼いで上のリーグに行きたいとか、早くレッスンを消化して次のユニットに進みたいとか、毎日続けてやりたくなる要素が多数盛り込まれており、自然と毎日少しずつはやるようになる。(サボっていると少しずつでもやりましょうとメッセージが出る。)そうやってしばらくやっていると、自然と新しい単語を覚えたり、韓国語の発音にも慣れて聞き取りができるようになってくる。

 基本的には無料で利用できるものの、レッスンが終わるごとに広告が表示されるのが少し煩わしい。それが煩わしい場合は、利用料を払ってDuolingo Superというモードにすれば、いちいち広告が表示されないし、HPも無限にあるので、快適にレッスンができる。しかし、買い切りではなく月々いくらかでかかるものらしいので、繰り返すが吝嗇である私は、もちろん無料で使い続けている。

 続けてみて思うのは、結局のところ語学に堪能になるためには、どれだけ時間をかけてその言語に慣れるかということと、どれだけ語彙があるかということに尽きると思う。その目的が達せられるのあればその人に合った手段でやっていけばいいと思うが、誰にでも無理なくゲーム感覚で続けられるという意味では、Duolingoは多くの人に勧められるメソッドであると思う。学べる言語はメジャーなものからマイナーなものまでいろいろあるので、興味のある言語に挑戦してみてはいかがだろうか。


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