#461 ScanSnapが復活

2022/11/10

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 ScanSnapという商品については、以前ここでも紹介したことがあるが、大量の紙資料をオートフィードで連続スキャンし電子化してくれるドキュメントスキャナで、書類や書籍の自炊(紙の本をバラバラにしてスキャンし電子書籍化すること)に最適な機械である。私も2008年に購入して以降、ばりばりと紙の資料を電子化しているところである。

 このScanSnapだが、しばらく使用しているうちに、フィードローラーと言う、紙送りのための筒状のゴムがべたべたしてくるようになってきた。これはゴムが空気中の水分と反応しておこる加水分解と呼ばれる現象だそうである。

 こうなってくると、スキャンした紙がローラーに張り付いてぱりぱりという音が出始める。音が出るだけならまだましで、そのうちに紙がローラーに張り付いて紙送りができなくなったり、最悪の場合は内部で紙詰まりを起こして原紙がぐちゃぐちゃになってしまうこともある。

 こうしたゴムのべたべたを抑えるために、べたべたになった部分にベビーパウダーをつけたり、劣化が激しい部分を削り取ったりして、騙し騙し使ってきたが、もはや数枚スキャンするだけで元のべたべたの状態に戻ってしまったりして、まともに使える状況でなくなってしまった。自力で交換できるパーツでもなく、すでに買ってから10年以上経っているものであり、メーカー修理もあてにできない状況になってしまった。

 こうなってはもう廃棄して新品の後継機に買い替えるしかないかと思いつつ、「ScanSnap ローラー 溶ける」などとGoogleにキーワードを入れて検索すると「交換」というサジェスチョンとともに、coconalaというスキルマーケットでScanSnapのフィードローラーを交換してくれるサービスが見つかったので、藁にも縋る思いでお願いしてみることにした。

 coconala自体を使うのが初めてだったので、まず利用者登録を行い、クレジット払いで申し込みを行うと、交換サービスを行ってくれる提供者の方から早速連絡があり、ScanSnap本体を提供者のもとに元払いで送るよう指示があった。

 早速、本体を緩衝材に包んで宅急便で送る。余談だが、この宅急便を依頼したコンビニの人が不慣れで、荷物のサイズを測るのに3辺合計とすべきところ2辺しか測らず過少なサイズで送ろうとしていた。そのまま安い料金で受け付けてくれてもよかったのだが、後で料金不足を言われて手戻りがあっても困るので、コンビニの人に荷物のサイズの測り方を指南して、正しいサイズに訂正してもらったりした。そんな調子なので、私もコンビニの人も、荷物を「精密機器扱い」で送るということを失念しており、きちんと梱包したつもりなのに、部品の一部が破損してしまったようである。

 サービス提供者と私との間では、専用のトークルームが作られ、荷物の配送状況など、必要なやりとりをチャットで行う感じで進んでいく。修理前と修理後の状況は写真や動画で丁寧に報告してくれ、輸送中に破損してしまった部品まで補修してくれて、遠方とのやりとりながら、こちらからの発送後1週間で無事に修理後の本体が返送されてきた。

 べたべただったフィードローラーは、代用品のシリコン製ローラーに交換されて戻ってきた。早速PCに接続してスキャンしてみると、購入した当時と同様、すこぶる快適に綺麗にスキャンしてくれるようになった。送料を入れて、本体価格の2割くらいの出費で見事に復活したので、大変満足している。

 世の中には様々な技術を持っている人がおり、こういうニッチなニーズに対してピンポイントで応えてくれる人もいるわけで、それらをマッチングしてくれたcoconalaを含めて、こういうサービスを利用できたことに感謝するとともに、改めて便利な世の中になったものだと思う。


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