#458 タブレットPCをWindows10に

2022/08/03

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 出先で文書編集などするために、7年ほど前に購入した10インチのタブレットPCをいまだに愛用している。物理キーボードドックのついたタブレットPCで、USB(typeA)の口も一つあるのでUSBハブを使えば周辺機器の接続も容易であり、LTE対応なのでSIMを入れて単独でのネット接続も可能であるなど、活用範囲の広い端末である。

 搭載のOSがWindows8.1であるので、サポートされるのはあと半年だから、それまでは何とか使い続けようと思っていたのだが、先ごろ、なぜかOneDriveが起動しなくなってしまい、調べたところ、Windows8.1以下のOSはOneDriveの同期が終了するとのアナウンスに接した。私はテキストファイルを中心にした文書をOneDriveに保存して、複数の環境で作業を進めるようにしているため、OneDriveの同期が終了するというのは、このタブレットPCの利用価値が半減してしまうと言っても過言ではない。

 ということで、何とかもう暫くこのタブレットPCを使えるものにするべく、ダメ元でWindows10へのアップグレードを試みた次第である。

 以前にも紹介したように、旧バージョンのWindows10へのアップグレードは、MediaCreationToolを使えば可能である。今回もこれを使って、アップグレードを試みたのだが、使用中のPCから直接アップグレードを行う方法ではうまくいかないようである。

 別の方法として、外部のメディアやリムーバブルディスクにパッケージを作り、そちらから起動してWindows10をクリーンインストールする方法もある。失敗するとリカバリーが効かないが、もとよりダメ元ではあるので、そちらの方法でアップグレードを試みたところ、どうにかインストールはできたようである。しかしよく調べてみると、タッチパネルが効かなくなっていたり、サウンドやBluetoothなどのドライバがなくてうまく動かないようである。いくらOneDriveが使えたとしても、音声入出力がなくなってしまうのは痛い。

 Webでいろいろ調べてみたところ、なぜかThinkPadの古いドライバをインストールしたら不具合が解消したという情報を得たので、半信半疑で試したところ、嘘のように様々な不具合が解消し、すべての機能がちゃんと使えるようになっていた。

 あとは必要なアプリを入れたり、様々な設定をすることで、これまで使っていたのとほぼ同じ使用環境ができあがった。一方で、もともとのWindows8.1の環境でもそうだったのだが、システムを入れているCドライブの空き容量がだいぶ不足してきた。実はこの端末は、何かあった時に出荷時の状態に戻すための回復パーティションが10Gbyte分も占有している。全体で32Gbyteと、ただでさえ十分にはないストレージの少なからぬ部分を占めているということで、あっという間にCドライブが容量不足になりがちなのであった。これについても、Windows10を入れた今となっては、Windows8.1への回復パーティションは不要であると判断し、diskpartコマンドを使ってこれを開放したあと、空いた部分をCドライブの拡張に使うことで、空き容量を確保することができた。

 というわけで、ロートルのタブレットPCがWindows10機として見事復活できたので、調子に乗って、所有しているもう一つのWindows8.1機である8インチタブレットPCについても、同様にWindows10のクリーンインストールを試みる。こちらの方は、USBの口がmicro-B一つだけ(充電ポート共用)ということで、だいぶ苦労はしたものの、USB変換コネクタとUSBハブと外付けキーボードを接続して、なんとかインストールに成功した。サウンドやBluetoothのドライバも、どうにか適当なのを拾ってきて更新できたものの、マイナーな機種のせいか、タッチパネルだけは適切なドライバを見つけることができず、機能しなくなってしまった。まあこれまでどおりBluetoothが使えるようにはなったので、Bluetooth接続のキーボードとマウスを使えばミニPC的な使い方ができるし、良しとしよう。

 さすがにこれら2つのタブレットPCについては、Windows11へのアップグレードには対応していないと思うが、とりあえず2025年10月のWindows10のサポート終了期限まで延命できたのは大きい。Windows11が動く中古の小型PCなどが出回るまでは、しばらくはこれら延命したタブレットPC類を引き続き使って行こうと思う。


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