#447 献血にご協力を

2021/09/08

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 コロナ禍のため、献血協力者が少なくなっていると巷間聞くところであるが、実は私は時間と条件が合えば積極的に献血に行く方である。

 これだけ医学が発達しても、血液は人工的に作れるものではなく、輸血によらなければ救えない命はたくさんある。そうした命を救うためという篤志的な意味もあるにはあるが、後に述べるように、献血は行う本人にとってもいろいろとメリットがある。

 一方で、意志があったとしても、必ずしも誰でも献血できるというものでもない。日本赤十字社のページによれば、以下の項目に該当する方は献血をご遠慮いただいておりますとある。

 その他細かい条件はあるが、幸いにして、これらに該当しない状況であれば、近くの献血センターに足を運んで献血に協力するようにしている。

 献血の前には、まず問診を受けることになる。現在の体重や、直前の食事の時刻や睡眠時間、体調や既往歴、渡航歴に関する様々な質問に答え、血圧や脈拍を測定したら、医師による面接を受ける。あらかじめ行った問診の回答に基づき、問題がなければ、血液検査を行う。

 両方の腕を見せて、血管の状況を見て、献血を行わない方の腕から採血を行う。ここで血色素量(ヘモグロビン濃度)が一定の基準を満たしていたら、献血OKということになる。

 献血するにあたっては、献血するのと同量以上の水分をあらかじめ採ることを勧められる。そのため献血センターに行けば、コーヒーや各種のお茶、ジュース類を提供するベンダーが並び、すべての飲み物が無料で飲み放題に飲める。ただでさえ喉が渇く夏場などはありがたい存在であるが、献血後に自分の体調が悪くならないためにも、たくさん飲むことを推奨される。

 献血には、全血献血(200mlまたは400ml)と成分献血(血漿または血小板)がある。成分献血は、一度抜いた血液から必要な成分を分離した後に残りを戻すことになるので、全血献血に比べると時間もかかる。また量としても500〜600mlと、全血献血より多くの血液を抜かれる。血小板献血になると、1時間以上かかることも珍しくない。献血中はリクライニングシートで楽な姿勢のまま、のんびりパーソナルテレビを見ながら過ごすことができるが、私は読書をしていることが多い。片手でページを繰るのも慣れたものである。

 問題なく献血ができたら、お礼にいろんなものをくれたりする。お菓子やアイスがもらえたり、洗剤やラップや手ぬぐいなどの日用品をいただけることもあるが、最近だとBluetoothイヤホンをもらったこともある。

 ちなみに「ラブラッド」というサービスに登録しておくと、血液検査の結果が翌日にお知らせされたり、次回の献血の日時を予約しておくこともできる。予約をしておけば、予約なしの場合に比べて優先して手続きを行ってくれるので、時間の節約にもなる。

 献血のたびに行われる血液検査の結果をチェックすることで、高脂血症などの生活習慣病の兆候を知ることができ、自分の健康に気を配ることができるようになるのも献血のメリットの一つである。先に述べたようないろいろなお礼も含めて、他人のためだけでなく、自分にもメリットの大きい献血なので、ぜひ多くの人に経験してもらいたいと思うところである。


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