#441 家電のメンテナンス

2021/03/08

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 我々の生活を快適にしてくれる様々な家電。これらは、使い始めて以降特に何もしなくても長く使い続けられるものもあれば、適宜メンテナンスというかお手入れをしないとあっという間に性能が落ちてしまうものもある。

 考えてみると、空気や水を取り込むような家電は、こまめなお手入れが欠かせない。空気や水は決して純粋なものではなく、様々な不純物を持つものであり、そうした不純物が使っていくうちに必然的に機械の中に溜まるものであるからだ。

 大抵の家電の取扱説明書には、その巻末にお手入れの方法というものがあり、一定の期間使用したらこういうお手入れをやってくださいねということが書いてある。しかしながら、そういった手間のかかる作業はついつい後回しにしてしまうのも人情である。しかし、手入れを怠ると、性能を充分に発揮できないばかりか、下手をすると健康に害を及ぼすことになってしまうこともあるから油断ならない。

 我が家にある家電の中で最も頻繁にメンテナンスをしなければならないのは、気化式の加湿器である。この加湿器は、水を吸い上げた蛇腹のフィルターに風を送って加湿を行うものであるが、使い続けていると吸い上げた水に含まれるミネラル分が水垢となって白くへばりつくようになる。ほおっておくと固まって取れにくくなり、雑菌やカビが繁殖し悪臭が発生する、と説明書には書いてある。恐ろしいことである

 ということで、この加湿器は2週間に一度「お手入れサイン」というのが光るので、その時にはフィルタを取り出し、クエン酸を溶かしたお湯に漬ける。30分もすると水垢がごっそり取れるので、すすいで再セットすればよい。クエン酸洗浄をしたあとは、しばらくクエン酸の酸っぱいニオイがするのがやや気になるけれども。

 空気を取り込む機械という意味では、除湿機や空気清浄機、ファンヒーターなども同様である。これらもしばらくすると、空気を取り込むところのフィルターにごっそりほこりがつくことになるので、定期的に掃除機などでほこりを取ってやる必要がある。

 エアコンなども同様で、最近は自動クリーニング機能なるものがついているものもあるが、あれはプロに言わせると大きな誤解で、ゴミが取り切れないばかりか、むしろ機構が複雑になり、熱交換器にホコリがたまりやすい状況になっているとのこと。過信をせずに、こまめに自分でフィルタ掃除をし、素人の手に負えない部分は数年に一度プロに清掃してもらう方が、空気を清潔に保ちエアコンを長持ちさせる秘訣だそうである。

 同様に洗濯機も、なまじ目につかないので気にしないが、洗濯槽の内部は数か月もほおっておくと汚れがたまり、洗濯物にニオイが残る原因になるとのことである。面倒がらずに、市販の洗浄液で掃除をすることが、洗濯物を確実にキレイにする必須条件だそうである。なお、プロに言わせると、風呂の残り湯を使うのは皮脂などが衣類についてニオイが残る原因となるので避けた方がいいとのこと。全自動の設定よりも多めのぬるま湯で洗い、屋内に干して風を送って乾かすのが、衣類を清潔で長持ちさせる秘訣だとのことである。

 ではこうした空気や水を扱わない機器についてはどうだろうか。パソコンとかスマホとか、電気だけを使う機器については、物理的な清掃はそれほど気にする必要はないように思える。デスクトップ型のパソコンでは、電源ファンが冷却のために空気を取り込むので、ほおっておくとほこりがたまって吸気が悪くなり熱暴走の原因となることもあるので気を付ける必要はあるが、言ってしまえばその程度の掃除で事足りる。

 むしろ物理的なゴミではないけれども、使い続けていくたびにOSやアプリのアップデート時の一時ファイルとかキャッシュデータとかの「ゴミ」が蓄積したりする。それらのゴミはどうにか削除してやることはできるが、アップデートのたびにOSやアプリそのもののサイズが大きくなってきたりして、使い始めた時は充分余裕があると思っていたストレージなのに気が付けば余裕がなくなってきて、結果的に定期的な買い替えを迫られているような気がする。こっちはきちんとメンテナンスして長く使ってあげたいと思っているのに、ままならぬものである


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