#424 ささやかに楽しむラグビーW杯2019

2019/10/07

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 サッカーと同じく、4年に一度開催されるラグビーワールドカップ(以下RWC)が、今年は日本で開催されている。

 RWCにおいては、ティア1と呼ばれる欧州6か国(イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズ、フランス、イタリア)と南半球の4か国(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン)の計10か国以外の国からは、これまで優勝はおろかベスト4に進んだこともないという。今回の大会は、そのティア1以外の国で行われる初めてのRWCだそうである。

 日本はその下のティア2と言われる13か国に属しており、これまでのRWCでは、予選通過はおろか、2011年大会までは第2回大会での対ジンバブエ戦が唯一の勝ち星という成績であった。しかし、前回2015年のイングランド大会では南アフリカを34-32で下すという大番狂わせを演じ世界を驚かせるなど、ここ数年で急速に強くなってきているという印象である。

 RWCの場合は、その国で3年以上継続して居住するか、通算10年にわたり居住し、他国のナショナルチームでのプレー歴がなければ、自国の国籍とは異なる国の代表選手となることができる。今回の日本代表チーム「ジョセフジャパン」には、トンガ・ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカ・サモアと言ったラグビー強豪国出身の選手も加わり、過去最高と言われるチームになっている。

 RWCに参加しているのは20か国で、5か国ずつ4つのプールに分かれて、決勝トーナメント進出をかけたプール選が行われる。日本はアイルランド、スコットランド、サモア、ロシアとともにプールAで戦っている。プール戦は5か国の総当たり戦なので、各プール10試合が行われることになる。

 RWCはトライで5点、トライ後のコンバージョンゴールで2点、ペナルティゴールやドロップゴールで3点が入り、前後半40分ずつ計80分での合計得点で勝敗が決まる。勝てば勝ち点4、引き分けで勝ち点2が与えられるほか、勝敗に関係なく4トライ以上をあげるか、7点差以内の負けであれば、それぞれ勝ち点1のボーナスポイントが与えられる。プール戦はこの勝ち点の上位2か国が決勝トーナメントに進出するという形である。

 32か国で争われるサッカーW杯の場合は4チーム中2チームが決勝トーナメントに進めるので、それに比べると5チーム中2チームしか決勝トーナメントに進めないRWCのプール戦の方が決勝トーナメント進出のための条件が厳しい。2015年大会で日本が3勝1敗の成績を収めながら、同じく3勝1敗で並んだ南アフリカとスコットランドにボーナスポイントを含む勝ち点でわずかに及ばず敗退となったのは記憶に新しいところである。ちなみに、3勝1敗で決勝トーナメントに進めなかったのはRWC史上日本が初めてだったそうである。

 以上のような情報はRWC日本大会の公式ページなどで知ることができる。サッカーW杯の時と同様、相変わらず大画面テレビで毎試合観戦するという感じではないが、時々このサイトを覗いては、各プールでの試合の進行状況を確認しつつ、ささやかに楽しんでいるというような状況である。

 10月7日現在、各プールとも10試合中7試合を消化し、決勝トーナメント進出争いがいよいよ大詰めとなってきた。各国とも1試合もしくは2試合を残したところで、イングランドとフランスが決勝トーナメント進出を決めたプールCを除けば、各プールとも概ね勝ち点上位3か国での決勝トーナメント争いが繰り広げられている。

 気になる日本代表は、2試合目ではアイルランドを接戦の上19-12で征するなど、今大会も世界を驚かせる戦いぶりを繰り広げている。ロシアやサモアにも4トライ以上を上げて勝利し、3勝0敗で勝ち点14をマークしている。プールAにおける決勝トーナメント進出に向けて優位であることに変わりはないが、今後の結果によってはスコットランドにひっくり返される可能性は残っており、最後まで安泰ではいられない。

 いずれにしても、多くの人がラグビーに関心を持ち夢中になる時間をもたらしてくれているRWC2019。海外から日本に来てくれた大勢のファンの方々も含め、最後まで盛り上がって素晴らしい大会になってくれることを願う。


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