#412 久しぶりの海外旅行(現地編)

2018/10/16

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 一念発起し家族揃ってのウィーン旅行を計画し、無事に出発の日を迎えた。

 ウィーンには2018年5月からオーストリア航空が週5便で直行便を飛ばしているが、今回利用するのは中東ドーハを経由するカタール航空である。有体に言えば値段が安かったからで、その分時間はかかるのだが、エコノミークラスにしては機内食もおいしいし、往復とも夜行便なので時間を有効に使える。乗り継ぎも2〜3時間程度とちょうど良い。

 ウィーン国際空港に到着して無事に入国したら、観光案内所で地図をもらい、別のカウンターでWebで申し込んだ「ViennaPass」を受け取る。空港から市街までは、Sバーンという列車が15〜30分程度で結んでおり、料金も4.20EURとお手頃である。ターミナルからは、市内を縦横に走る路面電車に乗って、ホテルの最寄り駅まで運んでもらう。

 主要な観光施設には「ViennaPass」があれば、追加料金なしで入場することができる。ほとんどの施設ではチケットと交換することなく、Passそのものがチケットがわりになっている。施設の方でも、入り口の係員がスマホアプリでカードについているバーコードをスキャンすることで入場確認を行っており、非常にスマートかつスムーズである。

 さらにいくつの施設では、追加料金なしで音声ガイドを貸与してくれる。その中には日本語での解説に対応しているものもある。最近のものは、小型の受話器のようなものに番号を入れると、展示物についての解説が流れるというものが主流で、中には数十から数百もの解説を用意しているものもある。一つ一つの解説は大変に興味深いものの、全部聞いていたらそれだけで一日あっても足りないくらいである。

 市街中心部や観光施設では、ガイドつきのツアーも散見した。これについても、ガイドが小型のマイクに話しかけた音声を、近距離無線方式でツアー客に貸与したレシーバーに飛ばす形のものが普及している。周囲の喧噪に左右されることなく、ガイドの解説が聴けるので、生声による解説に比べると長足の進歩である。

 写真撮影については、一部の施設を除いて「撮影可、ただしフラッシュはNG」というところが多い。暗い館内であっても、最近のスマホはレンズが明るいので、問題なく写真撮影できてしまう。

 現地での食事は、ちゃんとしたカフェやレストランで食べた時には、食事代の5-10%をチップとして支払うのが一般的である。たいていは、端数を切り上げて支払う(いわゆる「お釣りはいりません」という支払い)が一般的であるが、現金の持ち合わせがなくてクレジットカードで支払う場合は、食事代をカードで払ってチップは現金で別に置いて行ったり、チップのための小銭もない場合はクレジットカードで「(チップも入れて)いくら払うよ」と言って精算したりする。最初のうちは戸惑う部分もあるが、郷に入れば郷に従えというものである。

 音楽の都と呼ばれるウィーンでは、毎日オペラやコンサートが開かれているのであるが、生憎我々が行った夏の間はシーズンオフでお休みとなっている。そのかわり、本番を控えていない国立オペラ座や楽友協会といったホールでは内部見学ツアーを実施しているので、普段なかなか見られない舞台裏も含めて見学することができる。また、数多くある教会では、夕方から夜にかけてミニコンサートが開かれていたりするので、気に入った演目を選んで当日にチケットを買ってお手軽に演奏を楽しむこともできる。

 こうして毎日朝から晩までみっちり観光をして、6日間十分にウィーンを堪能し、現地夜発の便で帰途につく。帰りはもちろんみんな爆睡である。

 日本に戻ってきたのは深夜だったのであるが、利用したカタール航空は、ありがたいことに、深夜羽田着の便で帰国した乗客に、空港近隣の温泉施設の深夜利用券を無料で提供してくれている。滞在中はシャワーのみで過ごしていたので、着いて早々温泉に入って寝て過ごせるのは大変にありがたい。翌朝の朝食まで無料でいただいて、翌日昼前の空いた電車でゆっくり帰ることができた。

 大きなトラブルもなく、家族も十分楽しんでくれたようだったので、父親としては大いに満足である。


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