#411 久しぶりの海外旅行(準備編)

2018/09/12

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 海外出張にはしばしば行くようになったが、プライベートな海外旅行に行くのは実に16年ぶり、子供が生まれる少し前、妻と二人で東欧周遊のパック旅行に行って以来である。最近では、子供が小さいうちから海外旅行に連れて行くカップルも多いようであるが、小さな子供を伴ってだと、何かと日本と勝手が違う海外においては、些細なトラブルでも解決に苦労するし、連れて行った子供の方でも海外に行ったことなど憶えてくれてはいないだろう。なので我が家では、どうせ海外に連れて行くのならある程度子供が大きくなってから、それも学校で英語を習い始めてからがいいだろうと決めていたところである。

 その子供も中学生になり、今年は受験などもなく、また私も比較的休みを取りやすいポジションにいるので、行くなら今年の夏しかない、ということで、大枚はたいて家族三人での海外旅行に行こうと決めた次第である。

 行先はウィーン。16年前にも夫婦で訪れた場所である。16年前のパック旅行では、スケジュールがぎっしりで、あちこちの都市で見どころを短時間で目まぐるしく回っただけのものだったので、今回は往復の航空券とホテルだけを用意してくれる現地滞在型のプランを選ぶ。

 行先を決めたら、まずはパスポートから手配しなくてはならない。パスポートの申請にあたっては、サイズや写り方などにあれこれ厳しい条件がある顔写真を用意しなくてはならない。写真屋に頼んで撮ってもらうのが確実なのかも知れないが、家族3人分だと結構なお値段になるので、私は自分のデジカメで撮ったものを整形して、コンビニの複合機で出力したもので済ませた。3人分わずか30円でプリントした写真であったが、幸いNGになることなく、一発で申請が通りめでたく3人分のパスポートを手配できた。

 パスポートができたら、日程を決めて旅行会社に申し込む。後になればなるほど飛行機代もホテル代も高くなるから、申し込むのはなるべく早い方がいい。我々が申し込んだプランは、現地5泊6日の滞在型プランで、往復とも乗り継ぎ便なので多少時間はかかるが、値段は直行便のものよりだいぶお安い。そのお安いプランも、我々が申し込んだあと週を追うごとに値上がりし、受付終了間際では我々が申し込んだ時の実に3倍のお値段になっていた。どういうことになっているのやら。

 行先と旅程が決まったら、ガイドブックなどでいろいろ情報収集する。そうしたガイドブックについても、図書館で借りたもので済ませてしまう。大枚はたいて海外旅行に行こうとしている割には、相変わらず吝嗇なのである。ともあれ、滞在型なので現地で見たい施設はあれこれあるが、それらにその都度入場料を払っていると結構なお値段になりそうであるし、そもそも人気のある施設の場合は、チケットを買う時にも長い行列ができていたりする。細かいことだが、都度チケットを買うために現金やクレジットカードを用意したり、窓口や券売機相手にやりとりするのもストレスではある。

 そこは良くしたもので、ウィーンの場合、市内外60の施設に無料で入ることのできる「ViennaPass」というものがある。このパスは最長6日間のものまであり、ちょうど滞在中すべての日程をカバーするほか、そうした施設まで日本語ガイドつきで案内しながら運んでくれる観光バスが乗り放題という余禄もついている。その分それなりのお値段はするが、手間と時間を節約できることを考えればメリットは大きいと考え、1割引きサービスの期間中に家族3人分のパスをネットで購入する。代金はクレジットカードで引き落とされ、その証明書の写しを持っていけば、パス本体は当日空港の窓口で受け取れるとのこと。

 あとは妻に行きたい施設をリストアップしてもらい、各施設の休業日を確認しつつ、当日が近づいたら現地の天気予報も考慮しながら、大まかな行動計画を立てておく。出発10日前くらいになって、ようやく宿泊するホテルの情報もわかり、ホテルの設備の情報をもとに、要るものと要らないものを吟味し、荷造りをする。隣近所にゴミ当番の交替や植物の水やりなどをお願いし、新聞の取置などもお願いして、無事に出発の日を迎えた(続く)。


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