#405 夏は除湿、冬は加湿

2018/03/12

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 木造住宅の場合だと特にそうなのかも知れないが、梅雨の時期は部屋の中が多湿になってしまう一方、冬場は部屋が乾燥してくるものである。洗濯物を部屋干ししてもすぐ乾くのはいいのだが、何も手を打たないと肌も乾燥してきてあまりよろしくない。そんなわけで妻は自腹でインテリア風加湿器を買ったりもしたのだが、リビング全体を加湿するには力不足であったようで、もう少しパワフルな加湿器を買ってほしいと言われて、一つ購入することにした次第である。

 加湿器の原理は、要するに水を蒸発させて空気中の水蒸気量を多くするというものであるが、そのやり方には大きく分けて、気化式、スチーム式、超音波式というものがあるようである。

 気化式というのは最も単純なもので、水で湿らせたフィルターに風を当てて気化させるというものである。基本的に風を当てればいいだけなので、電力消費は非常に小さいが、当然ながら気化に時間がかかる。

 スチーム式は水を温めて蒸気にしそれにより加湿するものである。加湿能力は高いものの、ヒーターを使うので電力消費がやや大きく、また温度の低いところにスチームがあたるとたちまち結露してしまう。ちなみに最近は、ヒーターで水あるいは空気を温めて、それをフィルターに送風して加湿するという、ハイブリッド型というものも多い。

 超音波式というものもあって、これは超音波により水を霧状にして放出し気化させるというものである。最近ではペットボトルにくっつけた簡易加湿器などもあるが、それに使われているのがこの方式である。比較的安価に作れるものであるのだが、広い場所の加湿能力には限界があり、またレジオネラ菌などの細菌が繁殖しやすいという欠点がある。

 ある程度広い場所を加湿することができる家電として主流なのはハイブリッド式のものであるが、我が家には息子が使うピアノがリビングとの続き間に鎮座している。結露の恐れのある蒸気はピアノにとって天敵であることから、蒸気を使わない気化式のもので、タンクが大きめのものを購入した。機構が比較的単純であるせいか、除湿器に比べればサイズはそれほど大きくない。加湿には時間がかかるものの、湿度を計測して一定の湿度に達したら運転を弱める機能もある。とは言え運転してみると、乾燥している時は、6Lのタンクいっぱいの水が一日ほどでなくなってしまうのだから、確かに乾燥しているわけである。

 ところで加湿器は、常に水を使う関係上、大なり小なり汚れやカビがたまるリスクがあるのはやむを得ない。私が購入した加湿器の場合は、2週間たつと自動的にフィルタの洗浄をするようなお知らせが光るようになっている。フィルタを見ると、白っぽい結晶のようなものがついていたりする。大抵はフィルタについた水垢であるようだ。

 取扱説明書によれば、定期的なフィルタ清掃を行わないと、フィルタが1シーズンでダメになってしまうということなので、洗浄のお知らせランプがついたら、機械を止めてタンクを取り出し、さらにその奥にあるフィルタを取り出して清掃を行う。フィルタについた水垢を取るには、クエン酸溶液がお勧めであるとのこと。掃除用のクエン酸は100円ショップとかでも売っていたりする。洗い桶にお湯を入れて、クエン酸を適量溶かして、その中にフィルタを浸けて1時間ほどたつと、確かにべったりこびりついていた水垢などがごっそりと取れる。

 そんなわけで我が家のリビングは、冬は加湿器が、夏は除湿器がフル回転して、どうにか50%前後の一定の湿度を保っている状況である。加湿器に頼らなくても湿度が高くなって来たら、春はもうすぐそこである。


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