#404 旅先での電脳環境

2018/02/19

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 昨年春に異動して、出張の機会が増えている。そういう機会を何度か経験してくると、旅先での電脳環境も、だんだんと吟味を重ねてコンパクトで洗練されたものになってくる。

 現在、私が旅先で最も重宝しているのは、キーボードドックのついたWindowsタブレットである。タブレットだけだと500g少々、キーボードドックをつけると1kgくらいになるが、画面は10インチ以上あり、ほぼノートパソコンと同じ感覚で使える。これよりも軽い、300gくらいのWindowsタブレットと200g以下のBluetoothキーボードとBluetoothマウスのセットもあるのだが、キーボードドックと一体化できるタブレットの方が、膝上などの不安定な環境でも文字入力できるため使いやすい。やや大きめのタブレットなので、電池容量も十分にあり、電源供給がなくても出先でほぼ丸一日作業ができるというのも大きなメリットである。

 更に、このタブレットにはデータ通信用のSIMが挿してあるので、少なくとも国内にいるうちは、常にネットに繋ぐことができる。私は、よく利用し更新するいくつかのファイル群についてはクラウドサービスで複数のパソコン間で共有しており、このタブレットで編集した結果が即座に他のパソコンにも反映されるようにしている。端末を選ばず継続して作業できるというのは大変に便利なのである。

 キーボードドックの方には、フルサイズのUSBポートが1つだけついている。こちらには、小型のUSB有線マウスを繋いで使う。Bluetoothの無線マウスなどにしてもいいのだが、電池がなくなった時に使えないという事態になることを避けるため、敢えて有線マウスを使っている。こちらのマウスは、コードが巻取り型になっているので、収納も楽である。

 USBが1つで足りない場合は、ポート給電型の小型のUSBハブを繋いで、USBの拡張性を確保している。先のマウスとともに、USBメモリを挿してデータのやりとりをしたり、USB経由で充電する機器(デジカメやボイスレコーダー)を充電するのに使う。

 海外に出張する場合は、プラグ変換アダプタを介して、1m長程度の3口テーブルタップを使い、アウトレット(コンセント)の数を増やしている。こちらには、タブレットの充電用アダプタを繋いだり、USB充電アダプタを繋いだりしている。USB充電アダプタにしても、コンパクトでプラグを折り畳み可能な、2アンペアで2つ同時に充電可能なものを用意している。

 このほか、USBメモリや、SDカードやmicroSDカードを読み書きするためのUSBアダプタや、タブレットのmicroHDMIからVGA出力に変換するケーブルや、巻取り型microUSBケーブルなどを用意し、それらを巾着袋などに入れて持っていく。こういった小物は無くしやすいので、仕舞う場所を一つにしてまとめておくのが吉である。

 最近では、海外に行ってもSIMやモバイルルータをレンタルすることによって、いつでもネット環境に繋がる環境が整いつつある。ただ、使用料が一日数百円とかするレベルだと、旅行期間中合計すればあっという間に数千円となってしまう。私はSNSなど一切やっていないので、そこまで頻繁にネットに繋がっていなくても割と平気な方であり、一日に一度、宿泊先でWifiに繋いでメールが確認できればそれで十分である。そういえば少し前までは、宿泊先のWifiなども一日数百円かかるようなところもあったりしたので、そういう時はいっそネットが使えなくてもいいやと思うくらい淡白であったりする。

 そんなレベルであるから、実は旅先だとスマホはあまり利用しない。普段からのスマホの利用目的が、メールのチェックと乗り換え案内と地図くらいのものであるので、スマホがネットに繋がらなくてもあまり不自由には思わなかったりする。海外で地図を使いたいときは、あらかじめ行先の地図情報をGoogleMapのオフライン地図でダウンロードして使うようにしている。GPSはネット接続がなくても繋がるので、居場所がわからなくなることはない。そんな具合で、旅先でもあまりコストをかけずに、そこそこ不自由なく電脳生活を送っている次第である。


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