#402 妻のPHSを携帯に

2017/12/14

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 私の妻は、電磁波の影響があるからという理由で、長らくPHSを使っている。しかしご存知のように、唯一のPHS取り扱い業者として存在していたWillcomがY!mobileとなってSoftbankの傘下に入り、ついに2018年3月からは、PHS新規加入事務も終了するとのことで、いよいよ将来に先がないことが明らかになってきている。

 そういった事情を別にしても、2年前に転居した自宅では、なぜかPHSの電波の入りが悪く、窓際に行かないとなかなか通話やメールの受信ができないという状態で、大変に不便を感じていたところである。電波の入りをよくするために、月300円のリースによるホームアンテナも設置したのであるが、多少状況がよくなるという程度で、抜本的な解決には至っていなかった。

 その上、3年前に機種変更した現在の機種は、ついに方向キーの1つが接触不良になり、電話帳の検索やメールを書くときの漢字変換などの著しい不便を感じるようになったという。ということで、端末の機種変更が喫緊の課題となっていたところであった。

 現状の環境で繋がりにくく、しかも先細りであるPHSに固執するのももう限界と思われるので、いっそのこと携帯電話にしてはどうかというところであるが、ここで問題となるのが、妻のPHSには、これを主回線として副回線2つ(妻の母と私)のPHSがぶらさがり、Willcom時代からの「もう一台無料」サービスによって通話料無料で運用していることである。キャリアをY!mobileから変更すると、これらのサービスも当然終了してしまう。私はPHSとは別にMVNOによるスマホを運用しているし、PHSそのものは家族との連絡にしか使っていないので、PHSがこの先使えなくなってもあまり影響はないが、妻の母との連絡手段については別途考えないといけない。

 Y!mobileは携帯電話も扱っており、そちらに機種変更するとして、「もう一台無料」サービスが継続可能かどうか確認してみると、新機種をスマホプラン(2980円+税/月)にすれば継続して使えるとのことである。また、もともとPHSの番号として使われていた070で始まる番号は、現在では携帯電話にも割り当てられているので、番号もそのまま移行できるし、PHS時代から使っているメールアドレスも、手続きをすればそのまま利用可能とのことである。

 そんなわけなので、移行にあたっての不自由はほとんどないことから、結局Y!mobileの携帯電話に機種変更することになった。移行先の機種は、スマホでなくていわゆるガラケー、正確にはOSにAndroidを使ったガラホである。妻は、相変わらずハードキーのないスマホは使いたくないとのことである。

 そんなわけで、移行先の機種も定めてY!mobileのショップに行ってみたのだが、いまやこちらも絶滅危惧種であるガラケーは、ショップでも在庫が少ないらしい。量販店では見つけたものの、手続きにえらく待たされた上に、一部の移行手続きは量販店でなくショップでないとできないと言われたので、その日は機種変更を諦めて帰って来た。たまたまiPhone8が発売されて初めての週末で、いつも以上に携帯電話のコーナーが混雑していたのもよくなかった。

 そんなわけで、日を改めてY!mobileのショップも兼ねている量販店で手続きをして、1時間ほどで新たな機種に無事変更した次第である。電話帳の移行は有料で承ると言われたが、そんなものは旧機種から新機種へ赤外線通信一発で移行できるので自力でやった。電話番号もメールアドレスも変更なくPHSから携帯電話に移行し、しかも副回線のPHS2台はこれまでどおり基本使用量無料で使えるので、3台で3000円程度という格安な使用料で引き続き運用しているところである。

 残る問題としては、副回線のPHSがいつまでサービスを続けてくれるのかというところであるが、それはもう少し先のことだと思っているし、もしPHSのサービスが終了することになれば、携帯電話への機種変更を無料もしくは格安でやってくれるのではないかとひそかに期待してもいるので、その時までがんばって使い続けるつもりである。


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