#384 電動シェーバーを更新

2016/07/13

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 ヒゲを毎日剃っている男性にとって、剃刀を使って手で剃るか、電動シェーバーを使うかというのは、一つ悩ましい選択ではある。

 剃刀を使って手でヒゲを剃る場合、肌がドライなままだとうまく剃れないので、石鹸なり何なりであらかじめ肌を滑らかにしてから剃るのが一般的であろう。しかしそうすると、剃ったあとの剃刀は濡れたままになってしまうので、衛生面などでちょっと気を配らないといけない。また油断していると、鋭利な刃で肌に切り傷を作ってしまうこともある。

 電動シェーバーの場合は、特に下準備をしなくてもそのまま剃れるし、刃がむき出しになっていないと言う点では剃刀より安全でもある。電気がなければ動かないとか、持ち運ぶにはやや嵩張るという点を除けば、お手軽で安全というメリットはなかなか大きい。

 そんなわけで私の場合は、普段は電動シェーバーを使っているが、家族の住む家には剃刀を置いておいて、滞在中はそちらを使うというような感じでやっている。

 私の使っている電動シェーバーは、それこそ結婚前から天晴れ20年近く使っているもので、壊れないことをいいことに使い続けてはいたものの、充電しても駆動時間がだんだん短くなってきたり、よく見ると外刃が草臥れて一部破れたりしていた。というわけで、もう十分すぎるくらい使ったから、父の日のプレゼントとして新しいものを買ってもらうことにした。

 ヒゲさえ剃れれば電動シェーバーなどどれも似たり寄ったりなのではないかとも思っていたが、いざいろいろ見比べてみると、ピンからキリまでいろんなものがあるものである。旅行用のコンパクトなものだと1000円以下で売っていたりするものもある一方、刃数が多かったり、自動洗浄機能なるものがついていたりすると数万円もするようなものもあり、様々である。

 電動シェーバーの場合は、刃の駆動方式として、深剃りが効くが音がうるさい往復式と、剃り味は鋭く音も静かだが深剃りがやや苦手な回転式というものがあり、さらに両方のメリットを兼ね備えたロータリー式というのがある。また、剃刀がそうであるように、3枚刃とか5枚刃とか、刃数を競うような製品も出てきている。またヘッド部分も、肌の凹凸にあわせて動くものがあり、全方位フロートヘッドとか密着トレースヘッドとか3Dアクティブサスペンションとかいろいろ格好良さそうな名前の機構がついているものもある。

 よく分からない単語についていろいろ調べるよりも、論より証拠、一度実機を使って剃り味を見てから購入してみたいものだが、ことシェーバーに関しては、デモンストレーションとして実際に剃らせてくれる機会はなかなかないようである。肌に直接触れるものであるから衛生上の問題があったり、デモを続けるとすぐに刃が劣化してしまったりということがあったりするのだろう。その昔、出掛けにヒゲを剃ってきた通勤途中のサラリーマンをつかまえて改めてヒゲを剃らせて、ほらこんなに剃れてます、なんてCMをやっていたりしたが、あんな具合にお試しをして、それで本当に自分の納得のいく剃り心地と剃り味を体験したら、値段を問わずに買ってしまうかも知れない。

 というわけで、実機で試せない以上、カタログスペックを見比べてということになるわけだが、剃り心地と剃り味については結局のところよく分からないので、充電式で水洗いが可能という、使い勝手やメンテナンス性と言ったところで必要な条件を満たすものの中から廉価なものを選んで、通販で購入した。

 以前使っていたものと比べて剃り味はそれほど変わらないが、充電のタイミングを知らせてくれるのは便利だし、一応フロートヘッド機構もついていて、肌への密着感が増して剃り残しが減ったような気はする。以前だと中途半端に伸びてしまったヒゲをうまく剃り落とせなかったりしたが、そういったヒゲもちゃんと剃れるようになっているようだ。まあ考えようによっては、ヒゲは基本毎日剃るものであるから、他人から見たときにみっともない程度にきちんと剃れていれば、あまりそれ以上のことを追及してもしょうがないのかも知れないと思っている。


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