#380 Yシャツのアイロンがけ

2016/03/14

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 遠方への単身赴任にあたり、どうしようかと悩んだのが、Yシャツのアイロンがけである。これまでは単身赴任と言ってもほぼ毎週自宅に帰っていたので、Yシャツに関しては恥ずかしながら週末にまとめて持って帰って妻に洗濯とアイロンがけをお任せしていた。妻が時間をかけてアイロンをかけてくれるのを見るにつけ、近くのクリーニング店で1枚100円くらいでクリーニングとアイロンがけもしてくれるのだから、手間を考えればクリーニングにしてもいいのではなどと考えていたこともあった。

 しかしながら、いざ自分が遠方に単身赴任して、Yシャツの手入れも自分でどうにかしなくてはならなくなると、どうしたものかと考えてしまうのであった。Yシャツは仕事場に毎日着ていくものであるし、何日も着まわすわけにもいかないものであるから、どうしても結構な頻度で洗濯もしくはクリーニングしなければならない。残念ながらクリーニング屋は、東京にいた時ほど家の近くにあるわけでもなく、まだ値段もそれほど安くはない。店が開いている時間にちゃんと出したり取りに行けたりできるとも限らない。その都度クリーニングに出していたのでは時間的にも金銭的にも手間の上でも結構なコストになりそうな感じである。そんなわけで、妻がやっていたのと同様、Yシャツは洗濯機で洗濯をして自分でアイロンをかけることに決めた。

 となれば、まず必要なのはアイロンとアイロン台である。こちらはネットで注文して、それぞれ2550円、842円で入手した。クリーニングで20枚も出せば元が取れてしまう程度である。アイロンは一応コードレスのスチームアイロンなので、取り回しも楽である。

 Yシャツは襟や袖口のところにすぐに汚れがついてしまう。そのまま洗濯してもなかなか落ちないので、ポイント洗いの洗剤をつけるか、もっと単純に、汚れのひどい部分に石鹸をこすりつけておく。そうして洗濯ネットに入れてその他の洗濯物と一緒に洗ってしまえば、それなりに汚れは落ちるものである。

 持っているYシャツは一応形態安定型のものであるけれども、やはりそのままだと皺がよってしまうものである。妻は脱水機をかける前に、Yシャツだけ取り出して、皺がよらないようにしてくれていたが、私はもう面倒なのでそのまま全自動で一気に脱水までやってしまう。あとはその辺につるしておけば一日あれば乾く。

 そのままでは皺だらけになってしまうので、ここからアイロンがけということになる。Yシャツのアイロンのかけ方は、手順を紹介しているサイトがあったり、動画で解説しているものもあったりするので、便利なものである。基本的に、Yシャツのような複雑なものをアイロンがけする場合は、細かいところや厚いところから先にかけて、最後に広い面積の部分をアイロンがけするとうまくできるようである。やり方はいろいろあるが、私がやっている方法を文章で書くとこんな具合である。

 ポイントは、アイロンを持っていない左手で生地をひっぱりながらかけることと、うっかり皺がよったままアイロンをかけてしまわないように、あらかじめ「手アイロン」で皺を十分伸ばしてから、時間をかけずにさっとかけることである。半袖よりは長袖の方が多少時間はかかるものの、音楽でもかけながらやっていると、5分ほどでYシャツ1枚のアイロンがけが終わる。

 考えてみれば、単身赴任なんて時間はいくらでもあるのだから、Yシャツのアイロンがけくらい慣れてくれば大した手間でもないのである。それに、皺だらけの自分のYシャツが自分の手できっちりとアイロンがけされるのは、精神的にもとても気分が良いものである。しかも自分でやればほぼランニングコストゼロである。単身赴任が終わっても、Yシャツのアイロンがけくらいは引き続き自分でやろうと思った次第である。


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