#374 インターネットで国勢調査

2015/09/14

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 今年は5年に一度の、国勢調査の年である。調査員が一軒一軒まわって調査票を住人に手渡し、記入したものをまた調査員が回収し、それを全国的に集計して、日本の人口や世帯の実態を明らかにするという、総務省が行う一大事業である。1億人以上いる国民の雇用や居住に関する統計をきちんと取れる日本という国は、それだけでも大したものだと思う。

 とはいえ、紙で集めた資料を集計する作業は、たとえOCR化されていたとしても大変なものであろうと、調査のたびに感じていたところであるが、今回の国勢調査からは、方法を大幅に改め、インターネットによる回答を基本とする調査が行われるようである。

 やり方は、まず各世帯に9月10日から12日にかけて、調査員が「インターネット回答の利用案内」が渡される。案内を受け取った世帯は、インターネットに接続可能なパソコンやスマートフォンを用いて、9月20日までに回答する。インターネットで回答できた場合はそれで終わりであるが、期限までに回答しなかった、もしくはできなかった世帯については、10月上旬に従前のとおりの紙による調査票の配布、記入、回収が行われるということである。

 そんなわけで、私のところにもまずはインターネット回答の利用案内が来るのだろうと思っていたのだが、届いたのは結局12日。しかも郵便受けに封筒が入れられていて「国勢調査の調査書類を配布するため何度かうかがいましたがご不在でしたので調査書類を置いてまいります。ご不明な点がありましたらご連絡ください」というメモが添えられていた。単身者なので、平日仕事に出てしまえば誰もおらず、届けられたと思われる12日も朝から出歩いていたので、ほとんど不在にしていたのは確かである。何度も訪ねてくれた調査員の方には申し訳なかった。

 それはそれとして、インターネットでも回答できて、むしろそちらを推奨しているということであれば、これを利用しない手はない。回答はパソコンのほかスマホでもできるということである。PCよりもスマホの方が普及しているという昨今の情勢を考えれば、当然の措置と言えよう。パソコンもタブレットもスマホも持っている私としては、ここは敢えて、自分にとって入力が一番やりにくいスマホを使っての回答をやってみることにする。

 まずは回答サイトに行こうとしたのだが、残念ながら案内のチラシにあるQRコードを読もうとしたものの、うまくいかなかったので、普通にGoogleで「国勢調査」と入力して、回答ページにたどりつく。

 同意事項についての承認のあと、調査対象者IDと初期パスワードの入力画面に遷移する。ここのところは、あらかじめソフトウェアキーボードが用意され、それに基づき英字や数字を入れるようになっている。4文字分の枠は4文字入れるとちゃんと自動で次に枠に移動したり、英字は小文字に限定されていてるなど、入力はやりやすかった。

 そのあといよいよ設問への回答に入るが、実際のところ、文字を入れなければならないところは、世帯員の氏名と、事業・仕事の内容くらいのもので、あとは数字を入力するか、選択肢の中から選ぶだけで事足りた。ちなみに入力項目は以下のとおりで、カッコ内は入力方法である。

 最後に電話番号と住所を入力するところがある。電話番号と郵便番号の数字は半角で入れたが、住所表記の数字の方は例が全角文字になっているので一応それに従った。回答前に、後に回答内容を訂正する際に必要なパスワードの設定を求められた。

 そんなわけで、スマホでの入力も特段問題になるようなところもなく、私の場合単身世帯だったので、入力項目も少なく、回答はものの10分で終わった。紙で回答するよりは楽にできたように思うし、IDとパスワードを使ってログインしなおせば後から訂正ができるというのも便利である。

 今回の調査では、1000万世帯がインターネットによる回答をすると考えられており、これは日本にある世帯数から見れば半分にも満たないが、今回の試みが成功裏に終われば、次回以降はさらにインターネットによる回答が普及するのではないかと思う。総務省自ら「ビッグチャレンジ」と称する今回の調査の効果の程が注目される。


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