#348 タブレットと遊ぶ(評価編)

2013/07/27

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 そういうわけで、nexus7は無事修理を終えて、アプリは元通りにインストールされ、中身のデータも苦労してコピーし、これまでと同じように使えるようになった。今回はタブレットに関する最終回として、インストールしたアプリを紹介しながら、私の中でのタブレットPCの位置づけについて考えてみることにする。

 タブレットPCの利点としては、スマートフォンと比較しての画面の広さと解像度であると言える。特に写真などを他の人と一緒に見たりする時には、解像度もPC並みにあり、しかも比較的大きく映し出せる利点が最も発揮される。というわけで、過去のデジカメ画像のほか、自炊した漫画のページをJpegに保存してため込んでいる。画像ビューアは、ESファイルエクスプローラのビューアが、動作も軽快で使い勝手が良かった。

 閲覧という意味では、PDFの閲覧にも力を発揮する。電子ブックリーダーとして持っているSonyのReaderと比べると、解像度、画面の大きさ、レスポンスの良さ、記憶容量、カラー表示であるという点で優れており、また弱点とされる駆動時間についても、3Gなどの通信を普段行っていないせいか、丸一日使っても電池が持つくらいであるので、さほどの不便を感じない。ということで、SonyのReaderに関しては、なんだかすっかり出番がなくなってしまった。

 文字入力に関してはどうか。表面が平らであるタブレットでは押した位置が分かりづらく、物理キーボード比べると入力効率が落ちる、ということは確かにあり、これについては、nexus7と一体化して、カバーとキーボードとスタンドを兼ねたオプション品がいくつかあり、そのうちの一つをamazonで購入した。nexus7の表示面にかぶさるような「蓋」になっており、中には物理キーボードがくっついていて、bluetooth接続するようになっている。キーボードを敷いて、スタンドのところにnexus7を立てれば、ちょうど小さなパソコンのような形になる。なかなかユニークで面白い商品である。しかしながら、やはりフルピッチのキーボードに比べるとなかなか指が窮屈で、入力速度が上がるわけではない。特にtabがないとプログラミングには不便であり、私にとっては、これでPCの替わりという具合には至っていないのも事実である。

 各種のセンサーはそれなりに役に立つ。特にGPSはなぜか捕捉が非常に早く、地図データをある程度キャッシュしておけば、ネットにつなげていなくてもそれなりに役に立つ。もっとも、内蔵のコンパスはしばしばおかしな方角を示すようで、あまり鵜呑みにはできない。これについては、本体を3軸方向に何回か回転させれば正常に戻るようだが、片手にはやや余る機械をぐるぐる回すのは結構面倒である。

 その他、近距離無線通信(NFC:near field communication)を使ったものとして、SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーの中身を表示してくれるSuica Readerというアプリを入れているが、かざすだけで最近の使用履歴や残高がわかるのは思いのほか重宝する。何度も言うが吝嗇家でもある私は、こうしたカードに記録されているポイントの量がわからないのが時に大変もどかしく感じるからである。

 またGoogle謹製の端末であるから、Googleの各種サービス(メール、連絡先、カレンダー、ToDo)などの内容が、ネットワーク経由で相互に最新の状態に反映されるのも非常にありがたい。入力はキーボードが使いやすいPCで行い、参照はタブレットという具合に、役割分担をすることも可能である。

 とはいえ、こうしたサービスやアプリの大半は、常時ネットワーク接続されていることが前提のものも多く、無線LANのある自宅の環境はともかく、家から外に出てしまうと、こうした恩恵を享受できなくなってしまう場面も多い。また、340gという重さと7インチという大きさは、鞄に入れて携帯することはできても、空身で携帯するにはちょっと重いし嵩張ってしまう。

 常に携帯しネットワーク接続し、豊富なアプリに支えられた多機能ガジェットとしてのAndroidの特長を生かすには、やはりタブレットPCよりもスマートフォンこそ本命なのではないかと考えるようになったのが、nexus7を使うようになって私が辿りついた結論であるが、その続きはまたの機会に。


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