#326 電子伝言板の使い道

2011/11/08

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 今となってはいつどういう経緯で買ったのかあまりよく覚えていないのだが、ネットショップで何か値の張る商品を買うついでに、前から興味があったのでついでにというノリで買ったのが、Boogie Boardという電子文具である。ネットショップはこのように「ついでにこれも」という簡単なノリで買ってしまうところが恐ろしい。

 とは言え、私のように車を持っておらず、従って持ち運びが鬱陶しい大型商品を買うような場合、あるいは、こういう商品があるのは分かっているが近くで売っているところが見つからないというような場合、ネットショップは大変重宝する。ある程度以上の金額であれば送料もかからないし、それでいて、本当にあっという間に自宅まで届けてくれる。もちろん、そういった特殊なものでなくても、送料含めてネットショップの方が安いと思えば、あっさりネットで注文してしまう。近くの家電屋で現物を見て比較検討した挙句、最後はネットショップで買ってしまうということもしばしばある。

 ネットショップはさておき、Boogie Boardの話であった。一言で言うとこれは伝言板である。大きさはA5くらいで、表面は黒い。ここにスタイラスでなぞると、なぞったところが薄緑色に浮かび上がるので、表面に絵や字が書けるというものである。書いた絵や字は、上部にある「Erase」というボタンを押すと一瞬で消える。ということで、何か特殊なインクなどを使うわけではなく、何度でも絵や文字が書ける電子伝言板である。

 もともとはiMPROV electronicsという米国の会社が製造・販売しているもので、日本でも個人的に通販等で入手した人の間で話題になっていた電子文具であるが、最近「pomera」などのユニークな電子文具で名を馳せているKINGJIMが取り扱うようになり、より入手しやすくなった。

 これに似たものとして、タカラトミーのロングセラー「せんせい」を挙げる人も多い。ペンでなぞると内部の砂鉄によってホワイトボードに字や絵を書くことができ、消すことで何度でも使うことができるおもちゃである。最近は赤と黒の2色で書ける商品もあるようで、どういう仕組みでそういうことができるのかそれはそれで不思議なのだが、これがもうちょっとスタイリッシュになったものだと思えばなんとなくぴたりとはまる。

 機能としては上に述べただけのものであり、「せんせい」と同様、書いたものを保存しておく機能はない。また「何度でも」と書いたが、実際には内蔵電池の寿命というものがあり、公称5万回の読み書きが可能とのことである。とは言え、1日に10回書き消しを繰り返したとしても14年はもつ計算なので、よほど過酷な使われ方をしない限りは十分である。重さも100g少々で、携帯性にも大変優れている。

 最初私はこれを、職場に置いて電話のメモ取り用に使おうと考えていた。ただ、電話のメモの場合、紙1枚で済むこともあれば、何枚分にも及ぶ込み入った内容を聞き取ることもあり、またそのメモをしばらくは保存しておく必要がある場合も多いことから、一度書ききると消さない限り使えないという点では、残念ながら電話メモの替わりにはできなかった

 結局今は何に使っているのかというと、専ら子供の字や絵の練習に使っている。特に小学校に入ってからは漢字を習うようになり、未知の漢字の書き取りのために親が見本を書いてやり、それをもとに練習したりしている。確かにこういう用途の場合「書くこと」そのものが大事であって、書いた紙そのものはいつまでも残しておく必要はない。結局のところ、タカラトミーの「せんせい」と同じような使われ方をしているが、それはそれでいい買い物だったと思っている。

 という具合でまとめようと思っていたら、最近このBoogie Boardの高機能版が出たようである。高機能版の方は書いたものをPDF形式で保存可能で、USB経由でPCに保存できるそうである。そうするとこちらの方が、当初考えていたような電話メモの替わりに使えそうな気もして、再び興味をそそられている次第である。


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